構成部品「1つ」の海外供給では特許侵害にならない
米国最高裁は、2017 年、Life Technologies Corp. et al. v. Promega Corp. et al.において、複 数の部品からなる発明の1つの構成部品を海外に供給した場合、その供給元は特許法 271 条(f)(1)による特許侵害の責任を負わないという判決を下した。 特許法 271 条(f)(1) (35 U.S.C. §271 (f)(1)) — 特許権の域外適
米国最高裁は、2017 年、Life Technologies Corp. et al. v. Promega Corp. et al.において、複 数の部品からなる発明の1つの構成部品を海外に供給した場合、その供給元は特許法 271 条(f)(1)による特許侵害の責任を負わないという判決を下した。 特許法 271 条(f)(1) (35 U.S.C. §271 (f)(1)) — 特許権の域外適
米国最高裁は、2017 年、SCA Hygiene Products Aktiebolag v. First Quality Baby Products, LLC 事件において、6年間の時効期限 (statute of limitation) がある特許侵害に、損害賠償のディフェンスとして Laches (懈怠)は使えないとした。この判決により、いくら特許権者が権利行使を遅らせたとしても、訴訟で被告側は懈怠 (laches)を主張できなくなった。
米国最高裁は、2016 年、Samsung Electronics v. Apple,において、 デザイン特許侵害の賠 償金を消費者に届けられる最終製品ではなく、場合によっては、製品のパーツに限定し て計算してもよいとした。
In Re Aqua Products 事件は、Court of Appeals for the Federal Circuit (略して CAFC、連邦巡 回区控訴裁判所)が大法廷(en banc) 審理するということで注目を集めていたが、2017 年に出た判決は、実務に影響するレベルではなかった。
通常、分割出願をした場合、35 U.S. Code § 121 により、親出願や限定要求で派生する 関連出願と分割出願の間に自明性二重特許(obviousness-type double patenting)などの 問題は起こらない。しかし、過去10年間、この「安全地帯」に例外が多く発生している。
米国最高裁は、2017 年、Impression Products, Inc. v. Lexmark International, Inc.,において、特許権者が特許製品を販売した場合、特許消尽は回避できないと した。また、判例では不透明だった契約制限や海外の販売先であっても、消尽の効果は変わらないとした。
人的管轄を理由に裁判地を決めることができなくなったので、特許権者が選べる裁判所は大きく制限された。今後は、人的管轄を理由に多くの特許訴訟が起こされている Eastern District of Texas に おける特許訴訟数が減少することと、逆に、多くの会社が設立されている Delaware 州 や California 州での特許訴訟数が増加することが予想される。
特許事務所 Fenwick & West LLP では、post-Alice(Alice 事件後)の特許適格性に関する判 例をまとめていて、キーワードや年代別に検索・分析できるオンライン無料ツールを公開している。