クレーム補正でEquitable Estoppelが回避できるかも?

CAFC は、クレーム補正以前のクレームに関わる先行例文献は、再審議によって許可された補正後のクレームの権利行使を禁じるものではなく、 Equitable Estoppel は適用されないとしました。John Bean Technologies Corp. v. Morris & Associates, Inc., Case No. 17-1502 (Fed. Cir., Apr. 19, 2018) (Reyna, J).

背景

John Bean Technologiesは、Morris & Associatesと競合する関係にありました。John BeanはMorrisが侵害していると思われる特許ほ保有しており、MorrisがそのようなJohn Beanの侵害主張を知った際に、Morrisは、John Beanに先行例文献を提示し、特許の無効を主張。その先行文献の提示と共に、Morrisは、自社の特許無効という主張に対するJohn Beanの反論を求めましたが、John Beanからは何も連絡がありませんでしたそのJohn Beanの無行動を理由に、Morrisは侵害が主張されていた製品を継続して販売

11年後、John Beanはその特許を指摘された参考文献と共に ex parte re-examination(再審議)にかけました。その再審議において、オリジナルのクレームは無効と判断され、キャンセルされました。その後、 John Bean はクレームを非常に限定した形でクレーム補正し、最終的に特許庁がその補正を許可しました。補正後のクレームが成立した後、John BeanはMorrisに対して権利行使。Morrisは過去の経緯から、John BeanがMorrisが侵害が疑われている製品を長年販売していたことを知っていたことと、Morrisが11年前に求めたJohn Beanの反論がなかったことから、John BeanはMorrisに対して権利行使できないと Equitable Estoppel を主張

CAFC で判決が覆る

地裁では、 Equitable Estoppel の主張が認められましたが、それを不服としたJohn Beanが CAFC に上訴。 CAFC では、地裁の判決が覆りました。

CAFCは、この案件には Equitable Estoppel が適用されないとしました。その理由は、Morrisの主張はクレーム補正以前のクレームに関わるものであって、今回権利行使されたクレームは再審議によって許可された補正後のクレームであるというものでした。裁判所は、再審議によって許可された補正後のクレームは非常に限定されているので、 Equitable Estoppel が適用されないと判断。

この判決では、再審議の前と後で大きな補正がなされなかった場合、 Equitable Estoppel が適用されるのかについては語られませんでした。また、 Equitable Estoppel は適用されないが、 CAFC は、Morrisの介入権(absolute and equitable intervening rights)により、John BeanはMorrisに権利行使ができない可能性があることを示唆しました。

まとめ

以前権利行使があって、対応したものの特許権者から追求されなかった特許の場合、後に新たに権利行使があった場合、Equitable Estoppel による弁護が考えられますが、過去に対応した際のクレームと今回のクレームに多少でも違いがあった場合、Equitable Estoppel が適用されない可能性があるので、注意が必要です。どの程度の補正があった場合に Equitable Estoppel が適用されなくなるか、実務レベルでの判断は難しいので、弁護士と相談して慎重に検討する必要があります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Brian A. Jones. McDermott Will & Emery (元記事を見る

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