アメリカ知財まとめ記事

Samsung
特許出願

特許審査履歴解説: 潔くRCEを行い2回のOA対応で権利化できた案件(Samsung)

今回はRCEがあったものの実質2回のOA対応で権利化された案件です。最初のOA対応ではクレーム1を全体的に補正するものの、補正内容に関してはマイナーなものだったので、先行文献との差別化を行う上でギリギリの線を攻めたのだと思います。最終拒絶の後は潔くRCEを行い大規模な補正と共に、クレーム1の拒絶を102条から103条に切り替え、組み合わせで使われた文献との差別化を図り、見事に権利化しました。

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start-up
特許出願

ハイテクベンチャー企業がやるべき知的財産権対策

ベンチャー企業の設立当初から、創業者は多くの決断を迫られ、気をつけていないと、法的・経済的に大きなリスクを負うことになりかねません。このリスクは、技術系企業の知的財産に及ぶものもあり、企業の存続に関わる問題に発展することもあります。しかし、そのようなリスクが表面化するのは資金調達や買収のデリジェンスのタイミングであったりすることから、知財で問題があってもそれを修正するには手遅れになることがよくあります。そこで、今回はそのようなリスクを回避するためにハイテクベンチャー企業がやるべき知的財産権対策をいくつか紹介します。

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Patent office
特許出願

4月18日からUSPTOが米国特許の電子発行を開始

米国特許商標庁(USPTO)はこのたび、2023年4月18日から特許発行の電子化を実施する最終規則を連邦官報で発表しました。USPTOによると、2023年4月18日からすべての米国一般特許、意匠、植物、再発行特許が電子的に発行されることになります。これからは「eGrant」と呼ばれるものが特許の正式なコピーとなります。

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商標

商標出願で増えてきている「機能不全」の拒絶の対応策

米国のミュージシャンでラッパーのLizzoが出願した「100% THAT BITCH」というマークは商標として機能しないとの理由で登録が拒絶されていましたが、商標審判委員会(TTAB)において、その商標庁の拒絶を覆すことができました。この判例的な決定は、現在、珍しいマークについてますます一般的になっている同様の「機能不全」(“failure to function” )に関する拒絶に直面している商標出願人に有益なガイダンスを提供するものです。

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thinking
訴訟

特許権者が競合他社の侵害疑惑を顧客に通知することはゆるされるのか?

2023年2月17日、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は、Brian C. Buescher判事が控訴人原告に対する仮処分を認めた事件番号8:22-cv-00314-CRZのネブラスカ地区連邦地方裁判所の決定を取り消しました。 CAFCはその命令の中で、原告が控訴人被告が特許侵害者であり、訴えられる可能性があることを顧客に示唆することを禁止したことについて、連邦地裁は裁量を逸脱したと判断しました。

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再審査

結論ありきの専門家の宣言に証拠としての価値はなし

米国特許商標庁(USPTO)のKathi Vidal長官は、特許審判委員会(PTAB)が、結論ありきの専門家証人宣誓にのみ基づいて申立人の特許無効申し立てを却下した決定を先例(precedential)として指定しました。これによりIPRなどのPTABにおける手続きにおいて、先行技術文献では明確に開示されていないクレーム要素を示す時に専門家の宣言を用いる場合、その宣言の内容を慎重に吟味する必要があります。

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mistake
商標

侵害訴訟の脅威がなければ商標を無効化する資格はなし(そして脅威の有無は裁判中も変わる)

米国第9巡回区控訴裁判所は、当事者が商標を侵害していないとの宣言的救済を得た場合、商標の無効を追求するArticle III standing (原告適格) を有さないと結論付けた。この原告適格を満たすには関連する判決が出るまで侵害訴訟で訴えられる脅威が必要で、その驚異は具体的かつ特定化された実際のまたは差し迫った申し立てに基づくものでなければならないとしました。

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microsoft
特許出願

特許審査履歴解説: 初回から許可可能クレームがあったもののRCEまでした案件(Microsoft)

今回は1回目のOAから許可可能クレームが示されていて、「簡単な」ケースにもなったはずなのですが、より広い権利範囲を求めクレーム1の102条・103条の拒絶に応答していった結果、RCEまでもつれ込むことになりました。そこで出願人の方が折れ、1回目のOAから許可可能とされていたクレーム要素を独立クレームに加えて権利化しました。

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