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アメリカ知財とAI知財に関する記事

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2021年8月16日、米連邦巡回控訴裁判所(以下、CAFC)は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(以下、CGRP)を標的とした治療用抗体(therapeutic antibodies )に関するTeva社の特許について、2つの判決を下しました。いずれのケースにおいても、CAFCは、申立人であるEli Lillyが提出した当事者間レビュー(以下、「IPR」)に関する特許審判部(以下、「審査会」)の判断を支持しました。しかし、この2つの判決の結果は、特許権者であるTevaにとっては正反対のものであり、抗体に向けられたクレームは自明で無効とされましたが、これらの抗体を用いた治療方法に向けられたクレームは有効と判断されました。  
米国第5巡回区控訴裁判所は、EricssonがHTCに対して行った4GのSEPのライセンス供与がFRAND義務を遵守していると認めた陪審員評決を支持しました。 この判決はSEP保有者にとって重要なもので、この判決により、アメリカがライセンシーの紛争を積極的に裁くことが示され、裁判所が今後このようなケースにどのように取り組むかを知る上で有益な情報となります。 
Chemours Company FC, LLC v. Daikin Industries, Ltd.において、CAFCパネルは、PTAB(以下「審査会」)による自明性の判断を覆し、審査会は、先行技術文献の「進歩的概念」(inventive concept)が発明に関わるような変更を避けること(taught away)を示唆しているにもかかわらず、先行技術文献を変更する動機を不適切に発見したと判断しました。
Ex parte Johnsonにおいて、Patent Trial and Appeal Board(以下審査会)は、類似技術の他の特許で与えられている意味と矛盾するという理由で、審査官が行ったクレーム用語の解釈を却下しました。
今回の判決により、今後、外国企業を相手にした特許訴訟における手続が変わる可能性があります。特に親会社に代わって送達を受け入れることができる米国子会社や、海外企業とのつながりがあるとされる米国の弁護士や登録代理人を有する企業にとっては、原告がハーグ条約を迂回するようになる可能性があるので、注意が必要です。
NDAには有効期限が明記されているものも多いですが、有効期限を設けることが望ましい場合でも、NDAが失効した後に、以前は機密であった情報の自由な使用が認められる可能性があることを考え、適切な期限を設けることが必要です。 
特許侵害が確定しても、損害賠償の査定が適切に行われない可能性もあります。今回の判例では、損害賠償の査定が問題になり、CAFCが、被告製品の特許にされた機能と非特許の機能との間で損害を配分する証拠の重要性と、同等のライセンス理論で用いる際の注意点を説明しています。
ライセンス契約には仲裁条項が含まれていることがほとんどで、特許の有効性に関しても仲裁が用いられると明記されていることが多いです。しかし、CAFCは、IPR手続きは契約に拘束されないので、仲裁をおこなわなくてもPTABにおけるIPRが行えるという考え方を示しました。
特許審査の過程で特許権者が矛盾する主張を展開すると最悪の場合、不公正な行為(inequitable conduct)があったとされ、特許権の行使ができなくなる可能性があります。これには特許庁以外でおこなった主張も含まれるので、特許に関連する製品の様々な認証手続きなどを行う際は注意が必要です。
特許訴訟において、35 U.S.C. § 287 に基づく訴訟を起こす以前に関する賠償金を得るためには実際の通知(actual notice)を被告におこなっている必要があります。この実際の通知の条件を満たすには、一般的な「警告」では不足で、特定の被告製品による侵害の具体的な内容が含まれている必要があります。
30年近くの間、被告の製品のデザインに商標が含まれていることは、意匠特許(design patent)侵害の分析においてあまり意味を持ちませんでした。しかし、今回紹介するケースにおいて、陪審員が商標の外観や配置が、特許デザインとは「異なる視覚的印象を普通の観察者に与える」可能性があるかどうかなどを検討したことで、その状況が変わりました。
連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は、過去の訴訟や審査履歴からPreamble(前文)にある用語の解釈を前提としたクレームの場合、クレーム範囲はPreambleによって制限されるとしました。