特許侵害が確定しても、損害賠償の査定が適切に行われない可能性もあります。今回の判例では、損害賠償の査定が問題になり、CAFCが、被告製品の特許にされた機能と非特許の機能との間で損害を配分する証拠の重要性と、同等のライセンス理論で用いる際の注意点を説明しています。
判例:OMEGA PATENTS, LLC v. CALAMP CORPORATION
Omegaは、CalAmpを、4つの異なる特許にまたがる様々なクレームの直接侵害および誘導侵害で提訴しました。
陪審員裁判において、Omegaは複数のライセンスを提出し、Omegaのポリシーは「1つの特許であろうと50の特許であろうと、(1ユニットあたり)5ドル」でライセンスを交渉することであるという証拠を提示しました。 陪審員は、CalAmpが直接侵害したことを認め、Omegaに1ユニットあたり5ドルのロイヤルティを与えました。 CalAmpは、Omegaの損害賠償理論は法的に欠陥があり、証拠からも支持されていないと主張し、損害賠償に関する再審を請求し、連邦地裁はCalAmpの申し立てを却下ました。
しかし、連邦巡回控訴裁(CAFC)はこれを覆し、損害賠償に関する再審を求めて地裁に再送しました。
損害賠償を証明するために、特許権者は、被告製品の特許にされた機能と非特許の機能との間で損害を配分する証拠を提出しなければなりません。 CAFCは、特許権者が、特許の特徴が被告製品の需要を促進したことを証明できず、また、特許の特徴が被告製品に付加価値を付け加えた証明をしていなかったと結論づけました。
続いてCAFCは、特許権者の同等のライセンス理論に目を向けます。 CAFCは、Omegaが、複数の特許に対して1ユニットあたり5ドルを請求するライセンスと、単一の特許に関する仮想的な交渉との違いを適切に説明できなかったとしました。
参考文献:Patentee Failed to Apportion Licenses to Bundled Patents to Establish Royalties