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アメリカ知財とAI知財に関する記事

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CAFCは、開示された先行技術の製剤およびプロセスが争点となっているクレーム制限を必ず満たしている場合 (つまり先行文献で開示された内容のみでクレーム制限が満たせる場合)、異議申立されたクレームは予期されたものであり、無効であることを確認しました。特に今回の判例のように、材料と作り方に関してそれぞれ有限の開示が先行技術文献で行われている場合、その組み合わせでできる製造品は先行技術文献で明記されていなくても予測可能とされ、特許性なしとみなされる可能性が高いです。
米国連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は主張される用語の意味を決定する際には、内在的証拠が外的証拠よりも重要であると述べています。内在的証拠はクレーム文言や明細書はもちろん審査履歴も含まれ、審査の際の発言も含まれます。今回の訴訟では、地裁は「コンピューター読み取り可能記録媒体」の解釈に外的証拠を用い、信号や波を含めることができると解釈しました。しかし、CAFCはそれは誤りであり、明細書がすでに用語を定義していると結論づけ、外的証拠を拒否し、代わりに内在的証拠を使用して用語の意味を定義しました。
埋め込まれたハイパーリンクからアクセスできるオンライン契約書の追加条項は、それ自体が強制力を持つ可能性が高いです。そのため、契約書をレビューする際は、リンク先に書かれている追加条項も考慮する必要があります。また契約書を作成する際は、追加条項の強制力をより高めるような文言を含めるべきです。
Thomson Reutersによる調査によると、米国、英国、カナダの法律事務所の法律専門家400人以上の約半数が、法的業務に生成AIが使用されるべきだと考えています。しかし、報告書は、勤め先の法律事務所が生成AIまたはChatGPTの使用について警告を発したと述べ、大手法律事務所の回答者の21%に上ります。AIの使用に関する主な懸念としては、精度、プライバシー、機密性、セキュリティが挙げられ、回答者の62%が、彼らの法律事務所がAIの使用について懸念を抱いていると述べています。
最近の非代替性トークン(NFT)の急増により、大量のNFT関連商標がアメリカで出願されています。商標権者の一部はこの新興市場を利用することを計画している一方、他の商標権者は権限のない使用からブランドを保護するために商標を出願しています。しかしながら、米国法では商標権者は商標を商業に使用するか、使用する意図を持っている必要があります。商標出願に使用または意図がない場合は、無効になる可能性があります。また第三者は、商標出願または登録が真正な使用または意図がない場合に、商標出願を異議申し立てることができます。そのため、NFT商標の出願数が増加するにつれ、商標使用または意図に関する異議申し立てが予想されています。
CAFCは最近の判決で、先行技術がクレーム範囲と重複する数値範囲を開示している場合、特許権者がクレーム範囲の重要性を示す責任があると述べました。今回紹介する判例においてCAFCは、先行技術の重複する範囲が自明性のプライマファシー(初見推定)を示した場合、証明責任は特許権者に移り、クレームで主張された範囲が発明に重要であることを証明する責任があることが示されました。この判決は、重複する範囲を含む特許クレームの自明性を評価する方法に関する指針を提供するものです。
米国特許庁は、「First-Time Filer Expedited Examination Pilot Program」と呼ばれる新しいイニシアチブを導入し、これを用いることで、初めて特許を出願する人は審査を迅速化することが可能になりました。このプログラムを利用することで、出願から6か月以内にOAを受けることができ特許出願の迅速な審査を受けることができます。USPTOは、このプログラムが初めての出願人に知的財産権を保護するよう促し、イノベーションを奨励することを期待しています。
Amazonは2022年版のブランド保護レポートを公開し、偽物に対処する継続的な取り組みを示しています。報告書によれば、2020年以降、Amazonにおける新しい販売アカウントの悪質な作成試行の数は50%以上減少しています。Amazonの継続的なモニタリングサービスは、1日あたり8億件のリストをスキャンし、ブランド所有者が報告する前に、99%の不正または偽物のリストを事前に特定しています。また、ブランドレジストリの保護機構により、ブランドから提出された侵害通知の総数が2021年に比べて35%減少しました。さらに、Amazonの米国特許商標庁とのパートナーシップにより、5,000以上の偽のまたは悪意のあるブランドを特定して削除することができました。Amazonの偽造品取締部門は2022年に1,300人以上の犯罪者を訴訟や刑事告訴を通じて追及し、6百万以上の偽造品を供給チェーンから取り出しました。
米国特許庁は、特許に関連するAI技術の現状と関連する発明者の問題についてステークホルダーからの意見を求める2つの公開ヒアリングを開催しています。これらのヒアリングは、Thaler v. Vidal事件での連邦巡回控訴裁判所の判決に続いて行われています。この判決は、AIシステムを特許発明者として名前を挙げる請願を却下する決定を支持しましたが、AIの支援を受けた人間による発明が特許保護の対象となるかどうかについては取り上げませんでした。2023年2月14日の告知では、AIが発明創造における役割や特許の対象性についての質問が提示されており、公聴会ではこれらの質問に関する一般の意見が示されることが予想されます。
案件自体は親出願の審査が終わった時点で行った継続出願ですが、出願時に出願費用を払っていなかったり、Preliminary amendmentでクレームすべてを差し替えたりと珍しいケースでした。継続出願によくあるDouble Patentの解消にeTerminal Disclaimerを使うのはよくある対応なのですが、許可通知後に提出したIDSを考慮してもらうためにRCEを行っていました。いままでもIDSを許可通知後に提出した事例を取り上げていましたが、特にRCEをするようなものはなかったので、この違いについてもできる範囲で考察してみました。
医薬品業界内を二分にする実施可能要件に関するAmgen v. Sanofiの最高裁での争いは知財業界の注目を集めています。しかし、最近開催された口頭弁論の内容を総合的に判断すると、実施可能要件に関する大きな変更がある可能性は少なく、最高裁は、実施可能要件の欠如による特許無効には過度な実験 (undue experimentation) の証明が必要であり、実験の量が「過度」( undue)であるかどうかは、長年にわたるWands判決に示された要素に依存することを確認するようです。
この訴訟は、Internet Archiveがパンダミックの初期に「National Emergency Library」を立ち上げ、140万冊のデジタル化された書籍を待ち時間なしで読めるようにしたことがきっかけでした。COVID-19のロックダウン時に図書館が閉鎖されている間、デジタル書籍を貸し出す臨時のサービスで、同年3月24日から6月16日まで運営されていました。善意で行われたサービスのようですが、書籍の著作権を持つ出版社はInternet Archiveを著作権侵害で訴え、地裁では出版社側の全面勝訴に至りました。今回は特にフェアユースと変革的利用(transformative use)に関してこの判決を考察していきます。