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アメリカ知財とAI知財に関する記事

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今回紹介するケースでは、親出願・子出願で同様のクレーム文言が使われており、子出願におけるクレーム解釈が親出願の審査期間中に行われた権利者による陳述によって限定されるのかが焦点になりました。結論としては、裁判所は、問題となったクレームを狭めるために親出願の審査経過を適用せず、また、決定された解釈の一部は明細書の記載に基づき本件において適切であると判断しました。今回のケースでは考慮されませんでしたが、親出願の審査で将来継続出願のクレームで使用される可能性の高いクレーム用語に関しては慎重なコメントが必要で、安易に解釈を狭めるような陳述は控えた方がいいでしょう。
生成AIに関する取り扱いの注意は様々なところで語られていますが、特にAIが事実を取り違えたコンテンツに対する責任については気をつけましょう。最近のOpenAIに対する訴訟は、特に誤った内容を生成した場合の、生成型AIの使用に関する潜在的な法的リスクを浮き彫りにしています。今回の事件では改めて生成AIによって作成されたコンテンツの事実確認は重要であり、さらには会社としての生成AIに関するポリシーはリスク管理をする上で避けて通れないもので、教師データやプロンプトなど「入力」データにも配慮が必要なことを示唆しています。
著名なAI関連訴訟はどれもまだ訴訟の初期段階ですが、その中でも手続きが進んでいるThomson Reuters v. ROSS Intelligenceのケースは注目に値します。この案件では、著作権がある素材を生成AIモデルの教師データとして使用することがフェアユースとして保護されるかどうかについて裁判所が近日中に判決を下す可能性があります。この判決は、AIに関連する将来の著作権法の判例を形成する可能性があり、AIの訓練とデータ調達の実践に重要な影響を与える可能性があります。
USPTOは、出願者の出願行動、商標需要、市場のインフレによる商標出願に関する特許庁費用の値上げを提案しました。料金の変更は公開コメント期間を経て、順調にいけば2024年11月に実施される予定です。特に、出願、使用意図に基づく出願については、費用の増加と共に、料金形態の変更も提案されています。大幅な値上げになれば、出願者はアメリカでの商標出願のアプローチを考え直し、予算を見直す必要があるかもしれません。
今回改訂された商標ポリシーにより、いままでのような業界全体の苦情ではなく、特定の広告主や広告に対する商標侵害の苦情のみがGoogleで考慮されることになります。新ポリシーは2023年7月24日から有効になり、この変更により、商標所有者には、積極的に侵害を監視し、各侵害広告や当事者を特定し、違反を適時に報告することが求められます。そのため、ブランド所有者は、製品やサービスを販売する場所での商標の登録、第三者の侵害行為の監視強化、Google Complaint Centerを使用する準備をおこなう必要があります。
知財業界に特化した無料会員制のDiscordコミュニティを作ります。このAI知財に特化したコミュニティでは、リアルタイムでAIの知財活用に取り組んでいる人たちが、どのように独自ツールを開発したり、既存のツールを活用しているのかが学べまるようになっています。
今日正式に Trademark Takumi (https://trademarktakumi.com/)という出願書類の準備からOA対応を含む権利化まですべての段階で日本語によるサポートが受けられる米国商標出願サービスを開始しました。サービス開始を記念したプロモーションの一環として、アメリカから日本に一時帰国し、事務所・企業訪問をすることになったので、その募集についての連絡もあります。
最高裁判所はAmgen v. Sanofiの訴訟で、実施可能要件(enablement requirement.)に焦点を当てた全会一致の判決を出しました。この訴訟は、LDLコレステロールのレベルを低下させる抗体に関するAmgenの特許に関わるものです。Amgenは、特許クレームは特定の機能を持つ抗体の全範囲をカバーしていると主張しましたが、そのような抗体の特定や抗体を作るための手法の開示は限定的でした。最高裁は、Amgenが十分な有効性を提供せずに広範な抗体のクラスを独占しようとしたと述べ、そのようなクレームは実施可能要件を満たしていないと述べました。しかし、最高裁は、実施可能要件の判断は個別案件で異なることも示しているので、事実背景によって結論が大きく左右される法的問題でもあります。
最高裁判所は、アンディ・ウォーホル財団 v. ゴールドスミス事件において、ウォーホルがプリンスの著作権保護された写真を使用した場合の目的と性格がフェアユースには該当しないと判断しました。判決は、単に新たな表現やメッセージを追加するだけではフェアユースを支持しないことを明確にしました。最高裁は、オリジナルの作品と二次利用が同じ目的であり、二次利用が商業的な場合、フェアユースとみなされるためには説得力のある正当化が必要と強調しました。この判決は、フェアユースの要素を適用する方法や、著作権で保護されたさまざまな創作物に対する取り扱いについて多くの疑問を投げかけています。
生成AIは普段の生活だけでなく、ソフトウェア開発にも大きな影響を及ぼしています。しかし、AIベースのコード生成ツールの利用や開発には法的問題が生じる場合があります。例えば、オープンソースコードを使用してAIモデルをトレーニングすることにより、著作権侵害やオープンソースライセンスの遵守に関する問題が生じる可能性があります。著作権侵害に至らない場合でも、規約違反が起こる可能性もあります。また、AIコード生成ツールの出力に帰属表示の義務があるコードがあった場合、規約違反の可能性も出てきます。しかし、これらの問題に関する有効な解決策もあり、賢く使うことで、作業効率を上げ、法的リスクを軽減することができます。
CNNなどのマスメディアなどでも取り上げられた弁護士のChatGPT利用による不祥事がありました。ある弁護士がある訴訟のための判例調査にChatGPTを使用しましたが、ChatGPTは存在しない引用や裁判の決定を捏造しており、最終的に裁判所に提出する書類にそのような情報が含まれていました。この事件は、法的調査やその他の法的問題にAIに依存することのリスクを強調しています。AIソフトウェアは正当に見え、正確な引用形式を使用し、情報が判例データベースで見つかると主張して虚偽の情報を提供しました。AIは便利ですが、人間によるチェックと検証が重要であると述べています。
今回は生成AI大本命のOpenAIが手掛けるPlaygroundで明細書の内容から新しい実施例をAIが生成できるのかを検証しました。開発者向けのツールということで、ChatGPTよりも設定をいじることができ、ChatGPTにはないinsert モードという機能があったので、これらをうまく使って実施例を大量生産できないかと思いましたが、甘かったようです。 結論から言うと、明細書とは程遠いものがアウトプットされて使い物になりませんでした。しかし、部分的には評価できるところもあり、工夫次第ではちょっとした付加価値をつけることはできるかもしれません。また機能面での問題とは別に、実務で用いるとなると、出願前の特許クレームという機密情報の取り扱いという点でも課題はあります。