OpenAIの特殊ツールで明細書の実施例を作れるかを検証

今回は生成AI大本命のOpenAIが手掛けるPlaygroundで明細書の内容から新しい実施例をAIが生成できるのかを検証しました。開発者向けのツールということで、ChatGPTよりも設定をいじることができ、ChatGPTにはないinsert モードという機能があったので、これらをうまく使って実施例を大量生産できないかと思いましたが、甘かったようです。

まずインプットできるテキストの制限は以外に大きく、とても短いサンプル特許を見つけたにも関わらず、ごく一部の明細書のテキストしかインプットとして使えませんでした。そしてアウトプットも微妙なものしか出てきませんでした。クリエーティビティをいろいろと変えてみましたが、極端はものは使い物にならず、妥当なチューニングでも「使える新規の実施例」レベルのものは出てきませんでした。

しかし、今後インプットに使えるトークン数(文字数)が増え、明細書まるごとインプットデータとして用いることができ、さらにGPT4のようなマルチモーダルに対応してもらえれば、図面も参照してもらえるかもしれません。そうなると、かなりの精度で実施例を大量生産してもらえるのではないかと予想してます。

詳細は、Notionに記録したので、このリンクからNotionに行ってください。目次はこのようになっています。

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