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自前の特許で負けたNPEが外部から特許を取得し始めた

Uniloc Corporation Pty. Limitedというオーストラリアの通常企業だった組織がNPEとして自社で取得した特許を使って訴訟を起こしていた。しかし、2017年、Unilocは外部から取得した特許の権利行使も始めた。 その中には、HP Enterprise (HPE) から取得した13件の特許も含んでいる。また、年の後半では、IBMから取得した特許で新たなキャンペーンを開始した。   しかし、10月、長年もっとも訴訟対象になっていたUniloc 自前の特許が無効になり、Uniloc は大きな打撃を受けた。   また、USPTOの譲渡記録によると、Unilocの共同創業者Craig EtchegoyenはNokiaから3700件以上の特許を取得したWSOU Investments LLCの経営権の少なくとも一部を持っていることがわかった。 WSOU Investments LLCは訴訟は起こしていないが、通常企業のCienaに14件の特許を譲渡している。   まとめ作成者:野口剛史 元記事:RPX Blog http://www.rpxcorp.com/2018/01/02/2017-in-review-a-year-of-transition/

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NPE特許事業部の売却

多くの特許を保有するNPEの中には訴訟を起こすのではなく、事業部門や子会社を売却することで利益を出すところも出てきた。ここで注目すべきNPEはIntellectual Ventures LLC (IV)だ。IVは特許の取得を抑え、特許ポートフォリオによる資産の売却に力を入れてきた。このトレンドは2016年後半から顕著になってきた。IVが売却した特許の中には、新たな特許権者が権利行使をし、訴訟が起きているものもある。   IVからDominion Harbor Enterprises と Monument Patent Holdingsへ:IVの資産売却の恩恵を受けたNPEの一つがDominion Harbor Enterprises, LLCだ。2月、Dominion は900件以上のアメリカ特許(と付属する外国特許等の資産)をIVから取得。そこからヨーロッパで、IP brokerage and consulting firm のParallel North IP ABと組み、収益化を試んでいる。また、Acacia Research

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NPEにも影響を与えるTC Heartland以降の裁判地の問題

最高裁のTC Heartlandにおける判決は、特許訴訟が行われる裁判所の分布を大きく変えた。一時期、NPEはほぼthe Eastern District of Texasのみで特許訴訟を行なっていた。しかし、TC Heartlandにおける最高裁の判決から、被告側から裁判地の変更の申し立てが相次いだ。   TC Heartland事件 ― TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC において、最高裁は、特許訴訟の際には特別な裁判地(venue)に関するルール28 U.S.C. § 1400(b))が適用され、米国内企業の「居住」(resides)している地は、会社の設立地であると限定的な解釈をした。 関連記事:裁判所選びができなくなる?実は特許訴訟には裁判地を限定する特別なルールがあった

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IPRの司法審査と反則すれすれの行為

Patent Trial and Appeal Board (PTAB)は、2017年、1787件のAIA reviewに関わる申し立てを受け取る。内訳は、inter partes review (IPR) が1711件、business method reviews が34件、 post-grant reviews が42件。2016年から微増。2014年からのボリュームと同等。(元記事のグラフを参照)   2017年単独で見てみると、Q1ではIPR件数が548件だったが、Q4では344件に減っていた。(元記事のグラフを参照)。現在、最高裁は2つのIPRに係る案件が審査されている:IPRの合憲性を争っているOil States v. Greene’s Energy Services、IPRにおける判決に関わるSAS Institute

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時系列で見たNPE案件の和解金推移

2011年のAIA以降、特許の権利行使は難しくなった。この環境の変化は、RPX社の和解金に関する調査に顕著にあらわれている。(元記事のグラフを参照)。Alice事件後、NPE関連特許訴訟の和解金の平均は$1.5Mとなり、AIA以前の$2.1Mを大きく下回った。また、中間部分 ($500K から$10M)に大きな変化があった。 通常、NPEと和解する場合、多くの企業は低額($500K以下)で和解(早期に和解すると低額になる可能性が高い)し、少数の企業は中間部分 ($500K から$10M)の間で和解するという、少額和解に極端に傾いた構図を示すことが多い。ほとんどのケースは少額で和解するが、例外としてトップ5%の場合、和解金が$10M以上になってしまう場合もある。   このような傾きは、防衛費用の減少によるものだと思われる。AIAとAlice事件以前は、特許の有効性などの判決はSummary judgement(日本語では略式判決)まで待たなくてはならず、高額なDiscoveryを行なった後でしか、有効性に関わる判決はなされなかった。。しかし、今日においては、被告側が、Alice事件を判例として用いて、特許の有効性のなさを理由に、早期に案件を取り下げる試みを行なったり、Post-grant review手続きを行い、PTABが特許の有効性を判断する間、裁判を止めるなどの対策を取ることが多い。   このような取り組みをおこない、特許の有効性を裁判を進める上での境界線にすること(つまり、特許の有効性を判断してから他の点について手続きを進めること)によって、被告側は訴訟対応費用を減らすことができる。このような状況下、訴訟の早い段階で、被告側がNPEと和解することができれば、少額で和解できるチャンスが増えてくる。   このように環境がNEPに厳しい状況になりつつあるが、さまざまなNPE組織が特許の収益化を目指して機会を伺っている。2017年、IP Edge LLCという組織は、関係のある複数のNPE組織を通じで350以上の被告人を既存、または、新しい特許訴訟に加えた。2017年、IP Edge LLCがもっとも活発なNPE組織だった。2番目は、個人発明家Leigh M. Rothschild氏。Rothschild氏は、他のNPE組織から買い上げた特許でも訴訟を起こし、訴訟を多角化した。NPEのトップ5は、Monument Patent Holdings, LLC や IP

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2017年NPE訴訟データ

Non-practicing entity (NPE) (別名、パテント・トロール)による訴訟は、2017年も継続して減少。2011年のピークを境に毎年減少傾向。(元記事のグラフを参照)。第4四半期、NPEは521の新たな被告人を訴訟に加え、2017年トータルでみると2000の被告人が訴訟に加えられた。この数字は、去年に比べ27%減少。 通常企業は、第4四半期、344の新たな被告人を訴訟に加え、2017年トータルでみると1540の被告人が訴訟に加えられた。この数字は、去年に比べ32%減少。2004年から被告人数の平均が2250だったが、2017年はそこから大きく減少した。 NPEの活動はAIA直前レベルまで収まってきたが、2000年のはじめに比べると2倍から4倍の活動レベルにある。NPEの活動レベルの低減は、AIAにおけるPost-grant review手続きや2014年のAlice事件、2017年のTC Heartland事件、RPX, Unified Patentsなどによる特許リスクマネージメントサービスの普及が影響していると思われる。上記のような取り組みや判例は、通常企業の特許訴訟の数の減少にも貢献しているかもしれない。 Alice事件 ― ビジネス方法及びコンピュータ・ソフトウエア関連発明の特許適格性 (Patent eligibility)に関わる重要な判例。 関連記事:アメリカ特許庁の特許適格性情報アップデート Alice事件後の特許適格性の傾向がわかるツール TC Heartland事件 ― TC Heartland LLC v. Kraft

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防衛的特許集約の力

今回は、特許リスクマネージメントを行っているRPX社の記事を幾つかのポイントに分けてまとめてみました。   2017年NPE訴訟データ 時系列で見たNPE案件の和解金推移 IPRの司法審査と反則すれすれのプレー NPEにも影響を与えるTC Heartland以降の裁判地の問題 NPE特許事業部の売却 自前の特許で負けたNPEが外部から特許を取得し始めた 多くの株式公開しているNPEが特許権利行使をやめた   読者のみなさんの中には、RPX社のような防衛的特許集約(Defensive patent aggregation)をコンセプトにした組織を知らない人もいると思ったので、簡単に説明してみます。   RPX Corporationのサービスには、特許リスク管理ソリューション、防衛的買収の引受の申出、引受買収(シンジケーション)、特許情報戦略(インテリジェンス)、アドバイザリー・サービスなどがあります。RPXのような組織の目的は、NPE(パテント・トロールとも呼ばれる)組織から、顧客が訴えられるリスクを軽減することです。   NPEには様々な形が存在しますが、多くは、他社の特許を買い取って、買い取った特許を使って権利行使をします。日本企業にとって、特許の売却等はあまり身近に感じられないと思いますが、長年アメリカ特許取得数第一位のIBMは特許のライセンス・売却も積極的に行っています。また、衰退した企業(Kodak, Nokia, Nortelなど)の特許は、その企業の資産なので、企業が資産売却して特許を現金化したり、借金の担保として受け取った銀行や投資企業が大量に特許を売り出すという例も珍しくはありません。   このような形で市場に出回る特許をNPEが取得する前に、RPXのような特許リスクマネージメントを行っている組織が買い占めます。そうすることで、NPEが問題特許を入手できなくなり、RPXに加入している顧客はその問題特許に関わる訴訟を心配せず事業に集中できるという構図です。これが、防衛的特許集約をコンセプトをモデルにしたビジネスモデルです。   ホームーページを見ると、RPXは、売買の元手となる元金を集めることだけにとどまらず、特許に対する専門知識の共有や、顧客の特許買収の斡旋などのサービスも展開しているようです。また、ホームーページによると、320以上の顧客がいて、$3.5Bの訴訟・和解費用の回避、1400件以上の訴訟の取り下げの実績があるそうです。

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新しい特許庁所長を上院が承認

2月5日、アメリカ連邦政府上院あhAndrei Iancu (アンドレイ・イアンチュ) 氏を米国特許商標局 (the United States Patent and Trademark Office、USPTO) の所長とすることを承認した。代理をしていたJoe Matal氏は、副所長になる予定。 投票は予想通り94対0の満場一致で、Iancu氏が承認された。Iancu氏は、2017年8月にトランプ大統領から任命を受け、上院司法委員会による指名承認公聴会が2017年11月にあった。 Andrei Iancu氏は2012年からIrell & Manella LLPのマネージング・パートナーとして働いていて、主に訴訟と知財(特許、商標、適正評価、ライセンスなども含む)を扱っていた。Irell & Manella LLPでは、様々なクライアントを弁護した。彼が手がけた有名な事案は、TiVoによる特許訴訟で、Verizon、ATT、Microsoft, Cisco等から$1.6 billion以上の和解金を得た。 一方、バイオ系の案件では、Iancu氏の功績を疑問視する人もいる。Iancu氏は被告側のAriosa

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AIを活用した特許調査の時代がやってくる

1990年台に特許データの電子化が進み、インターネットを使って特許検索ができるようになった。その後、2006年のGoogle Patentsの登場などで、キーワード検索が簡単にできるようになった。また、特許調査のプロは、複数のキーワードや識別コードを使い、ブーリアン演算で複雑な検索式にして検索することで、より制度の高い調査がおこなえるようになった。   また、自動検索方法が進化し、人的ミスや負担を軽減する取り組みも行われてきた。たとえば、特許分析ツールの中には、統合された特許のデータベースを使い、データ補正、特許権者、ステータスアップデート、訴訟などのデータを自動的に見つけることができるものもある。   早く正確なビジネス上の判断を行うために、このようなツールを使って、特定の市場における特許活動の統計的な分析をおこなったりしている。   自動検索ツールは、早く、効率的に、ミスを最小限に抑えつつ既存の技術エリアの知財情報を知れる。また、急成長している技術なども視覚化できる。   このような背景の中、Artificial intelligence (AI)をベースにした特許調査が注目されている。例えば、AIを活用した特許調査では、キーワードは複数のコンセプトに細分化され、ただ単にキーワードに該当するだけでなく、その意味合いもふまえて、検索することができる。このような検索をすることで、ノイズが減り、効率良い検索で、最も重要な文献を見つけることができる。技術は日々進化し、人間の調査員が見落としてしまうこともAIが発見する時代がすぐそこに来ている。   このような特許調査の進歩は凄まじい。膨大なデータが簡単に、素早く、信頼のおけるツールで検索できてしまう未来がもうすぐ迫っている。   まとめ作成者:野口剛史   元記事著者:Sagacious Research – Sandeep Kumar https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=e047d132-7cfc-4589-abb8-70c0a1799e6f

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自前の特許で負けたNPEが外部から特許を取得し始めた

Uniloc Corporation Pty. Limitedというオーストラリアの通常企業だった組織がNPEとして自社で取得した特許を使って訴訟を起こしていた。しかし、2017年、Unilocは外部から取得した特許の権利行使も始めた。 その中には、HP Enterprise (HPE) から取得した13件の特許も含んでいる。また、年の後半では、IBMから取得した特許で新たなキャンペーンを開始した。   しかし、10月、長年もっとも訴訟対象になっていたUniloc 自前の特許が無効になり、Uniloc は大きな打撃を受けた。   また、USPTOの譲渡記録によると、Unilocの共同創業者Craig EtchegoyenはNokiaから3700件以上の特許を取得したWSOU Investments LLCの経営権の少なくとも一部を持っていることがわかった。 WSOU Investments LLCは訴訟は起こしていないが、通常企業のCienaに14件の特許を譲渡している。   まとめ作成者:野口剛史 元記事:RPX Blog http://www.rpxcorp.com/2018/01/02/2017-in-review-a-year-of-transition/

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NPE特許事業部の売却

多くの特許を保有するNPEの中には訴訟を起こすのではなく、事業部門や子会社を売却することで利益を出すところも出てきた。ここで注目すべきNPEはIntellectual Ventures LLC (IV)だ。IVは特許の取得を抑え、特許ポートフォリオによる資産の売却に力を入れてきた。このトレンドは2016年後半から顕著になってきた。IVが売却した特許の中には、新たな特許権者が権利行使をし、訴訟が起きているものもある。   IVからDominion Harbor Enterprises と Monument Patent Holdingsへ:IVの資産売却の恩恵を受けたNPEの一つがDominion Harbor Enterprises, LLCだ。2月、Dominion は900件以上のアメリカ特許(と付属する外国特許等の資産)をIVから取得。そこからヨーロッパで、IP brokerage and consulting firm のParallel North IP ABと組み、収益化を試んでいる。また、Acacia Research

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NPEにも影響を与えるTC Heartland以降の裁判地の問題

最高裁のTC Heartlandにおける判決は、特許訴訟が行われる裁判所の分布を大きく変えた。一時期、NPEはほぼthe Eastern District of Texasのみで特許訴訟を行なっていた。しかし、TC Heartlandにおける最高裁の判決から、被告側から裁判地の変更の申し立てが相次いだ。   TC Heartland事件 ― TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC において、最高裁は、特許訴訟の際には特別な裁判地(venue)に関するルール28 U.S.C. § 1400(b))が適用され、米国内企業の「居住」(resides)している地は、会社の設立地であると限定的な解釈をした。 関連記事:裁判所選びができなくなる?実は特許訴訟には裁判地を限定する特別なルールがあった

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IPRの司法審査と反則すれすれの行為

Patent Trial and Appeal Board (PTAB)は、2017年、1787件のAIA reviewに関わる申し立てを受け取る。内訳は、inter partes review (IPR) が1711件、business method reviews が34件、 post-grant reviews が42件。2016年から微増。2014年からのボリュームと同等。(元記事のグラフを参照)   2017年単独で見てみると、Q1ではIPR件数が548件だったが、Q4では344件に減っていた。(元記事のグラフを参照)。現在、最高裁は2つのIPRに係る案件が審査されている:IPRの合憲性を争っているOil States v. Greene’s Energy Services、IPRにおける判決に関わるSAS Institute

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時系列で見たNPE案件の和解金推移

2011年のAIA以降、特許の権利行使は難しくなった。この環境の変化は、RPX社の和解金に関する調査に顕著にあらわれている。(元記事のグラフを参照)。Alice事件後、NPE関連特許訴訟の和解金の平均は$1.5Mとなり、AIA以前の$2.1Mを大きく下回った。また、中間部分 ($500K から$10M)に大きな変化があった。 通常、NPEと和解する場合、多くの企業は低額($500K以下)で和解(早期に和解すると低額になる可能性が高い)し、少数の企業は中間部分 ($500K から$10M)の間で和解するという、少額和解に極端に傾いた構図を示すことが多い。ほとんどのケースは少額で和解するが、例外としてトップ5%の場合、和解金が$10M以上になってしまう場合もある。   このような傾きは、防衛費用の減少によるものだと思われる。AIAとAlice事件以前は、特許の有効性などの判決はSummary judgement(日本語では略式判決)まで待たなくてはならず、高額なDiscoveryを行なった後でしか、有効性に関わる判決はなされなかった。。しかし、今日においては、被告側が、Alice事件を判例として用いて、特許の有効性のなさを理由に、早期に案件を取り下げる試みを行なったり、Post-grant review手続きを行い、PTABが特許の有効性を判断する間、裁判を止めるなどの対策を取ることが多い。   このような取り組みをおこない、特許の有効性を裁判を進める上での境界線にすること(つまり、特許の有効性を判断してから他の点について手続きを進めること)によって、被告側は訴訟対応費用を減らすことができる。このような状況下、訴訟の早い段階で、被告側がNPEと和解することができれば、少額で和解できるチャンスが増えてくる。   このように環境がNEPに厳しい状況になりつつあるが、さまざまなNPE組織が特許の収益化を目指して機会を伺っている。2017年、IP Edge LLCという組織は、関係のある複数のNPE組織を通じで350以上の被告人を既存、または、新しい特許訴訟に加えた。2017年、IP Edge LLCがもっとも活発なNPE組織だった。2番目は、個人発明家Leigh M. Rothschild氏。Rothschild氏は、他のNPE組織から買い上げた特許でも訴訟を起こし、訴訟を多角化した。NPEのトップ5は、Monument Patent Holdings, LLC や IP

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2017年NPE訴訟データ

Non-practicing entity (NPE) (別名、パテント・トロール)による訴訟は、2017年も継続して減少。2011年のピークを境に毎年減少傾向。(元記事のグラフを参照)。第4四半期、NPEは521の新たな被告人を訴訟に加え、2017年トータルでみると2000の被告人が訴訟に加えられた。この数字は、去年に比べ27%減少。 通常企業は、第4四半期、344の新たな被告人を訴訟に加え、2017年トータルでみると1540の被告人が訴訟に加えられた。この数字は、去年に比べ32%減少。2004年から被告人数の平均が2250だったが、2017年はそこから大きく減少した。 NPEの活動はAIA直前レベルまで収まってきたが、2000年のはじめに比べると2倍から4倍の活動レベルにある。NPEの活動レベルの低減は、AIAにおけるPost-grant review手続きや2014年のAlice事件、2017年のTC Heartland事件、RPX, Unified Patentsなどによる特許リスクマネージメントサービスの普及が影響していると思われる。上記のような取り組みや判例は、通常企業の特許訴訟の数の減少にも貢献しているかもしれない。 Alice事件 ― ビジネス方法及びコンピュータ・ソフトウエア関連発明の特許適格性 (Patent eligibility)に関わる重要な判例。 関連記事:アメリカ特許庁の特許適格性情報アップデート Alice事件後の特許適格性の傾向がわかるツール TC Heartland事件 ― TC Heartland LLC v. Kraft

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防衛的特許集約の力

今回は、特許リスクマネージメントを行っているRPX社の記事を幾つかのポイントに分けてまとめてみました。   2017年NPE訴訟データ 時系列で見たNPE案件の和解金推移 IPRの司法審査と反則すれすれのプレー NPEにも影響を与えるTC Heartland以降の裁判地の問題 NPE特許事業部の売却 自前の特許で負けたNPEが外部から特許を取得し始めた 多くの株式公開しているNPEが特許権利行使をやめた   読者のみなさんの中には、RPX社のような防衛的特許集約(Defensive patent aggregation)をコンセプトにした組織を知らない人もいると思ったので、簡単に説明してみます。   RPX Corporationのサービスには、特許リスク管理ソリューション、防衛的買収の引受の申出、引受買収(シンジケーション)、特許情報戦略(インテリジェンス)、アドバイザリー・サービスなどがあります。RPXのような組織の目的は、NPE(パテント・トロールとも呼ばれる)組織から、顧客が訴えられるリスクを軽減することです。   NPEには様々な形が存在しますが、多くは、他社の特許を買い取って、買い取った特許を使って権利行使をします。日本企業にとって、特許の売却等はあまり身近に感じられないと思いますが、長年アメリカ特許取得数第一位のIBMは特許のライセンス・売却も積極的に行っています。また、衰退した企業(Kodak, Nokia, Nortelなど)の特許は、その企業の資産なので、企業が資産売却して特許を現金化したり、借金の担保として受け取った銀行や投資企業が大量に特許を売り出すという例も珍しくはありません。   このような形で市場に出回る特許をNPEが取得する前に、RPXのような特許リスクマネージメントを行っている組織が買い占めます。そうすることで、NPEが問題特許を入手できなくなり、RPXに加入している顧客はその問題特許に関わる訴訟を心配せず事業に集中できるという構図です。これが、防衛的特許集約をコンセプトをモデルにしたビジネスモデルです。   ホームーページを見ると、RPXは、売買の元手となる元金を集めることだけにとどまらず、特許に対する専門知識の共有や、顧客の特許買収の斡旋などのサービスも展開しているようです。また、ホームーページによると、320以上の顧客がいて、$3.5Bの訴訟・和解費用の回避、1400件以上の訴訟の取り下げの実績があるそうです。

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新しい特許庁所長を上院が承認

2月5日、アメリカ連邦政府上院あhAndrei Iancu (アンドレイ・イアンチュ) 氏を米国特許商標局 (the United States Patent and Trademark Office、USPTO) の所長とすることを承認した。代理をしていたJoe Matal氏は、副所長になる予定。 投票は予想通り94対0の満場一致で、Iancu氏が承認された。Iancu氏は、2017年8月にトランプ大統領から任命を受け、上院司法委員会による指名承認公聴会が2017年11月にあった。 Andrei Iancu氏は2012年からIrell & Manella LLPのマネージング・パートナーとして働いていて、主に訴訟と知財(特許、商標、適正評価、ライセンスなども含む)を扱っていた。Irell & Manella LLPでは、様々なクライアントを弁護した。彼が手がけた有名な事案は、TiVoによる特許訴訟で、Verizon、ATT、Microsoft, Cisco等から$1.6 billion以上の和解金を得た。 一方、バイオ系の案件では、Iancu氏の功績を疑問視する人もいる。Iancu氏は被告側のAriosa

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AIを活用した特許調査の時代がやってくる

1990年台に特許データの電子化が進み、インターネットを使って特許検索ができるようになった。その後、2006年のGoogle Patentsの登場などで、キーワード検索が簡単にできるようになった。また、特許調査のプロは、複数のキーワードや識別コードを使い、ブーリアン演算で複雑な検索式にして検索することで、より制度の高い調査がおこなえるようになった。   また、自動検索方法が進化し、人的ミスや負担を軽減する取り組みも行われてきた。たとえば、特許分析ツールの中には、統合された特許のデータベースを使い、データ補正、特許権者、ステータスアップデート、訴訟などのデータを自動的に見つけることができるものもある。   早く正確なビジネス上の判断を行うために、このようなツールを使って、特定の市場における特許活動の統計的な分析をおこなったりしている。   自動検索ツールは、早く、効率的に、ミスを最小限に抑えつつ既存の技術エリアの知財情報を知れる。また、急成長している技術なども視覚化できる。   このような背景の中、Artificial intelligence (AI)をベースにした特許調査が注目されている。例えば、AIを活用した特許調査では、キーワードは複数のコンセプトに細分化され、ただ単にキーワードに該当するだけでなく、その意味合いもふまえて、検索することができる。このような検索をすることで、ノイズが減り、効率良い検索で、最も重要な文献を見つけることができる。技術は日々進化し、人間の調査員が見落としてしまうこともAIが発見する時代がすぐそこに来ている。   このような特許調査の進歩は凄まじい。膨大なデータが簡単に、素早く、信頼のおけるツールで検索できてしまう未来がもうすぐ迫っている。   まとめ作成者:野口剛史   元記事著者:Sagacious Research – Sandeep Kumar https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=e047d132-7cfc-4589-abb8-70c0a1799e6f

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Uniloc Corporation Pty. Limitedというオーストラリアの通常企業だった組織がNPEとして自社で取得した特許を使って訴訟を起こしていた。しかし、2017年、Unilocは外部から取得した特許の権利行使も始めた。 その中には、HP Enterprise (HPE) から取得した13件の特許も含んでいる。また、年の後半では、IBMから取得した特許で新たなキャンペーンを開始した。   しかし、10月、長年もっとも訴訟対象になっていたUniloc 自前の特許が無効になり、Uniloc は大きな打撃を受けた。   また、USPTOの譲渡記録によると、Unilocの共同創業者Craig EtchegoyenはNokiaから3700件以上の特許を取得したWSOU Investments LLCの経営権の少なくとも一部を持っていることがわかった。 WSOU Investments LLCは訴訟は起こしていないが、通常企業のCienaに14件の特許を譲渡している。   まとめ作成者:野口剛史 元記事:RPX Blog http://www.rpxcorp.com/2018/01/02/2017-in-review-a-year-of-transition/

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多くの特許を保有するNPEの中には訴訟を起こすのではなく、事業部門や子会社を売却することで利益を出すところも出てきた。ここで注目すべきNPEはIntellectual Ventures LLC (IV)だ。IVは特許の取得を抑え、特許ポートフォリオによる資産の売却に力を入れてきた。このトレンドは2016年後半から顕著になってきた。IVが売却した特許の中には、新たな特許権者が権利行使をし、訴訟が起きているものもある。   IVからDominion Harbor Enterprises と Monument Patent Holdingsへ:IVの資産売却の恩恵を受けたNPEの一つがDominion Harbor Enterprises, LLCだ。2月、Dominion は900件以上のアメリカ特許(と付属する外国特許等の資産)をIVから取得。そこからヨーロッパで、IP brokerage and consulting firm のParallel North IP ABと組み、収益化を試んでいる。また、Acacia Research

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最高裁のTC Heartlandにおける判決は、特許訴訟が行われる裁判所の分布を大きく変えた。一時期、NPEはほぼthe Eastern District of Texasのみで特許訴訟を行なっていた。しかし、TC Heartlandにおける最高裁の判決から、被告側から裁判地の変更の申し立てが相次いだ。   TC Heartland事件 ― TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC において、最高裁は、特許訴訟の際には特別な裁判地(venue)に関するルール28 U.S.C. § 1400(b))が適用され、米国内企業の「居住」(resides)している地は、会社の設立地であると限定的な解釈をした。 関連記事:裁判所選びができなくなる?実は特許訴訟には裁判地を限定する特別なルールがあった

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IPRの司法審査と反則すれすれの行為

Patent Trial and Appeal Board (PTAB)は、2017年、1787件のAIA reviewに関わる申し立てを受け取る。内訳は、inter partes review (IPR) が1711件、business method reviews が34件、 post-grant reviews が42件。2016年から微増。2014年からのボリュームと同等。(元記事のグラフを参照)   2017年単独で見てみると、Q1ではIPR件数が548件だったが、Q4では344件に減っていた。(元記事のグラフを参照)。現在、最高裁は2つのIPRに係る案件が審査されている:IPRの合憲性を争っているOil States v. Greene’s Energy Services、IPRにおける判決に関わるSAS Institute

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時系列で見たNPE案件の和解金推移

2011年のAIA以降、特許の権利行使は難しくなった。この環境の変化は、RPX社の和解金に関する調査に顕著にあらわれている。(元記事のグラフを参照)。Alice事件後、NPE関連特許訴訟の和解金の平均は$1.5Mとなり、AIA以前の$2.1Mを大きく下回った。また、中間部分 ($500K から$10M)に大きな変化があった。 通常、NPEと和解する場合、多くの企業は低額($500K以下)で和解(早期に和解すると低額になる可能性が高い)し、少数の企業は中間部分 ($500K から$10M)の間で和解するという、少額和解に極端に傾いた構図を示すことが多い。ほとんどのケースは少額で和解するが、例外としてトップ5%の場合、和解金が$10M以上になってしまう場合もある。   このような傾きは、防衛費用の減少によるものだと思われる。AIAとAlice事件以前は、特許の有効性などの判決はSummary judgement(日本語では略式判決)まで待たなくてはならず、高額なDiscoveryを行なった後でしか、有効性に関わる判決はなされなかった。。しかし、今日においては、被告側が、Alice事件を判例として用いて、特許の有効性のなさを理由に、早期に案件を取り下げる試みを行なったり、Post-grant review手続きを行い、PTABが特許の有効性を判断する間、裁判を止めるなどの対策を取ることが多い。   このような取り組みをおこない、特許の有効性を裁判を進める上での境界線にすること(つまり、特許の有効性を判断してから他の点について手続きを進めること)によって、被告側は訴訟対応費用を減らすことができる。このような状況下、訴訟の早い段階で、被告側がNPEと和解することができれば、少額で和解できるチャンスが増えてくる。   このように環境がNEPに厳しい状況になりつつあるが、さまざまなNPE組織が特許の収益化を目指して機会を伺っている。2017年、IP Edge LLCという組織は、関係のある複数のNPE組織を通じで350以上の被告人を既存、または、新しい特許訴訟に加えた。2017年、IP Edge LLCがもっとも活発なNPE組織だった。2番目は、個人発明家Leigh M. Rothschild氏。Rothschild氏は、他のNPE組織から買い上げた特許でも訴訟を起こし、訴訟を多角化した。NPEのトップ5は、Monument Patent Holdings, LLC や IP

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2017年NPE訴訟データ

Non-practicing entity (NPE) (別名、パテント・トロール)による訴訟は、2017年も継続して減少。2011年のピークを境に毎年減少傾向。(元記事のグラフを参照)。第4四半期、NPEは521の新たな被告人を訴訟に加え、2017年トータルでみると2000の被告人が訴訟に加えられた。この数字は、去年に比べ27%減少。 通常企業は、第4四半期、344の新たな被告人を訴訟に加え、2017年トータルでみると1540の被告人が訴訟に加えられた。この数字は、去年に比べ32%減少。2004年から被告人数の平均が2250だったが、2017年はそこから大きく減少した。 NPEの活動はAIA直前レベルまで収まってきたが、2000年のはじめに比べると2倍から4倍の活動レベルにある。NPEの活動レベルの低減は、AIAにおけるPost-grant review手続きや2014年のAlice事件、2017年のTC Heartland事件、RPX, Unified Patentsなどによる特許リスクマネージメントサービスの普及が影響していると思われる。上記のような取り組みや判例は、通常企業の特許訴訟の数の減少にも貢献しているかもしれない。 Alice事件 ― ビジネス方法及びコンピュータ・ソフトウエア関連発明の特許適格性 (Patent eligibility)に関わる重要な判例。 関連記事:アメリカ特許庁の特許適格性情報アップデート Alice事件後の特許適格性の傾向がわかるツール TC Heartland事件 ― TC Heartland LLC v. Kraft

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防衛的特許集約の力

今回は、特許リスクマネージメントを行っているRPX社の記事を幾つかのポイントに分けてまとめてみました。   2017年NPE訴訟データ 時系列で見たNPE案件の和解金推移 IPRの司法審査と反則すれすれのプレー NPEにも影響を与えるTC Heartland以降の裁判地の問題 NPE特許事業部の売却 自前の特許で負けたNPEが外部から特許を取得し始めた 多くの株式公開しているNPEが特許権利行使をやめた   読者のみなさんの中には、RPX社のような防衛的特許集約(Defensive patent aggregation)をコンセプトにした組織を知らない人もいると思ったので、簡単に説明してみます。   RPX Corporationのサービスには、特許リスク管理ソリューション、防衛的買収の引受の申出、引受買収(シンジケーション)、特許情報戦略(インテリジェンス)、アドバイザリー・サービスなどがあります。RPXのような組織の目的は、NPE(パテント・トロールとも呼ばれる)組織から、顧客が訴えられるリスクを軽減することです。   NPEには様々な形が存在しますが、多くは、他社の特許を買い取って、買い取った特許を使って権利行使をします。日本企業にとって、特許の売却等はあまり身近に感じられないと思いますが、長年アメリカ特許取得数第一位のIBMは特許のライセンス・売却も積極的に行っています。また、衰退した企業(Kodak, Nokia, Nortelなど)の特許は、その企業の資産なので、企業が資産売却して特許を現金化したり、借金の担保として受け取った銀行や投資企業が大量に特許を売り出すという例も珍しくはありません。   このような形で市場に出回る特許をNPEが取得する前に、RPXのような特許リスクマネージメントを行っている組織が買い占めます。そうすることで、NPEが問題特許を入手できなくなり、RPXに加入している顧客はその問題特許に関わる訴訟を心配せず事業に集中できるという構図です。これが、防衛的特許集約をコンセプトをモデルにしたビジネスモデルです。   ホームーページを見ると、RPXは、売買の元手となる元金を集めることだけにとどまらず、特許に対する専門知識の共有や、顧客の特許買収の斡旋などのサービスも展開しているようです。また、ホームーページによると、320以上の顧客がいて、$3.5Bの訴訟・和解費用の回避、1400件以上の訴訟の取り下げの実績があるそうです。

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新しい特許庁所長を上院が承認

2月5日、アメリカ連邦政府上院あhAndrei Iancu (アンドレイ・イアンチュ) 氏を米国特許商標局 (the United States Patent and Trademark Office、USPTO) の所長とすることを承認した。代理をしていたJoe Matal氏は、副所長になる予定。 投票は予想通り94対0の満場一致で、Iancu氏が承認された。Iancu氏は、2017年8月にトランプ大統領から任命を受け、上院司法委員会による指名承認公聴会が2017年11月にあった。 Andrei Iancu氏は2012年からIrell & Manella LLPのマネージング・パートナーとして働いていて、主に訴訟と知財(特許、商標、適正評価、ライセンスなども含む)を扱っていた。Irell & Manella LLPでは、様々なクライアントを弁護した。彼が手がけた有名な事案は、TiVoによる特許訴訟で、Verizon、ATT、Microsoft, Cisco等から$1.6 billion以上の和解金を得た。 一方、バイオ系の案件では、Iancu氏の功績を疑問視する人もいる。Iancu氏は被告側のAriosa

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AIを活用した特許調査の時代がやってくる

1990年台に特許データの電子化が進み、インターネットを使って特許検索ができるようになった。その後、2006年のGoogle Patentsの登場などで、キーワード検索が簡単にできるようになった。また、特許調査のプロは、複数のキーワードや識別コードを使い、ブーリアン演算で複雑な検索式にして検索することで、より制度の高い調査がおこなえるようになった。   また、自動検索方法が進化し、人的ミスや負担を軽減する取り組みも行われてきた。たとえば、特許分析ツールの中には、統合された特許のデータベースを使い、データ補正、特許権者、ステータスアップデート、訴訟などのデータを自動的に見つけることができるものもある。   早く正確なビジネス上の判断を行うために、このようなツールを使って、特定の市場における特許活動の統計的な分析をおこなったりしている。   自動検索ツールは、早く、効率的に、ミスを最小限に抑えつつ既存の技術エリアの知財情報を知れる。また、急成長している技術なども視覚化できる。   このような背景の中、Artificial intelligence (AI)をベースにした特許調査が注目されている。例えば、AIを活用した特許調査では、キーワードは複数のコンセプトに細分化され、ただ単にキーワードに該当するだけでなく、その意味合いもふまえて、検索することができる。このような検索をすることで、ノイズが減り、効率良い検索で、最も重要な文献を見つけることができる。技術は日々進化し、人間の調査員が見落としてしまうこともAIが発見する時代がすぐそこに来ている。   このような特許調査の進歩は凄まじい。膨大なデータが簡単に、素早く、信頼のおけるツールで検索できてしまう未来がもうすぐ迫っている。   まとめ作成者:野口剛史   元記事著者:Sagacious Research – Sandeep Kumar https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=e047d132-7cfc-4589-abb8-70c0a1799e6f

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