Patent Trial and Appeal Board (PTAB)は、2017年、1787件のAIA reviewに関わる申し立てを受け取る。内訳は、inter partes review (IPR) が1711件、business method reviews が34件、 post-grant reviews が42件。2016年から微増。2014年からのボリュームと同等。(元記事のグラフを参照)
2017年単独で見てみると、Q1ではIPR件数が548件だったが、Q4では344件に減っていた。(元記事のグラフを参照)。現在、最高裁は2つのIPRに係る案件が審査されている:IPRの合憲性を争っているOil States v. Greene’s Energy Services、IPRにおける判決に関わるSAS Institute Inc. v. Matal。このような最高裁によるPTAB司法審査がPTABにおける手続きの将来性に関する不安材料になっている可能性がある。このような現行の訴訟が、Q4での減少原因になっている可能性がある。
参考資料:米国最高裁の判断はいかに?口頭弁論から見える今後の特許無効審判IPRのあり方
Aqua Products事件は、IPR手続きにおける戦略に大きな影響を与える可能性がある。Aqua Products事件では、IPRの際に、補正されたクレームに対しても申立人が特許性を満たさないことを証明する義務があるという結論になった。
参考資料:注目されていたIn Re Aqua Products事件は実務に影響なし?!
この判決を受けて、特許訴訟の被告側は、特許がIPR手続きから生き残ったことを想定して特許訴訟を進めなければいけない。RPXとUSPTOのデータでは、IPR手続きにおいて、9.4%のケースに対してクレームの補正が許された。 Aqua Products の判例の影響で、2018年以降は、この数字が上がってくることが懸念される。
PTABにおける手続きからの免責特権をめぐり、特許を原住民に譲渡し、その特許をIPR手続きの対象にならないようにすることが問題なのか継続して議論されている。この件に関するPTABの判決は2018年の4月に予定されている。
同じように、(州立)大学機関はPTAB手続きの対象にならないというPTABの判決をきっかけに、大学機関と通常企業の間の対立も問題になっている。しかし、その後、地裁で大学が企業を特許訴訟で訴えたことで、修正第11条において州(州立大学も含む)に与えられた免責特権を大学は放棄したとみなされて、企業による大学保有の特許に対するIPR手続きを継続させた。このPTABの判決は、過去の判例とは異なるものなので、CAFCや最高裁に上訴され、さらなる議論が予想される。
まとめ作成者:野口剛史
元記事:RPX Blog
http://www.rpxcorp.com/2018/01/02/2017-in-review-a-year-of-transition/