NEWS

アメリカ知財とAI知財に関する記事

特許、商標、営業秘密、著作権、AI知財などの幅広いアメリカ発の知的財産情報をリアルタイムで発信しています。カテゴリーごとに読めるフィルター機能や、検索もできるので、ぜひ活用してみてください。

米国特許実務において重要な判決となったDDR Holdings v. Priceline事件から、仮出願制度の戦略的活用と権利化におけるリスクを解説します。本件では、仮出願で「商品またはサービス」と定義されていた用語が通常出願で「商品」のみに変更されたことが、後の権利解釈を大きく制限する結果となりました。本稿では、この判決の詳細な分析を通じて、仮出願から通常出願への移行における実務上の留意点を紐解くとともに、特許の権利範囲を適切に確保するための具体的な対応策を解説します。特に、参照による組込み(Incorporation by Reference)の効果の限界や、意図的な記載削除がクレーム解釈に与える影響など、特許実務家にとって重要な示唆に富む内容となっています。米国特許戦略の立案に携わる実務家必読の判例解説です。
コンテンツモデレーションを行うプラットフォーム事業者がDMCAセーフハーバーの保護を受けられるかが争われた重要判例Capitol Records v. Vimeo事件について、判決内容と実務への影響を詳しく解説します。第2巡回区控訴裁判所は、従業員によるコンテンツの選別や推奨といった一般的なモデレーション活動は、DMCAセーフハーバー保護を失わせる要因とはならないとの画期的な判断を示しました。本記事では、DMCAセーフハーバー制度の基本的な仕組みを概観した上で、Vimeo事件の具体的な争点と裁判所の判断を分析し、プラットフォーム事業者が今後取るべき実務対応について、コンテンツモデレーションの実施方針から社内体制の整備まで、実践的な示唆を提供します。AI生成コンテンツやフェイクニュースなど新たな課題に直面するプラットフォーム事業者にとって必読の内容となっています。
米国著作権局が2025年1月29日に公表したAI生成物の著作権保護に関する包括的な報告書について、知財実務家向けに重要ポイントを解説します。プロンプトのみによる生成物には著作権保護を認めないとする一方で、人間が創作的に関与した場合の保護基準を具体的に示した今回の報告書は、AIと著作権の関係に関する新たな法的指針を提供しています。本稿では、報告書の背景から人間の著作者性要件、AIの利用形態による判断基準、具体的な保護事例まで、知的財産の専門家が知っておくべき実務上の留意点を詳しく解説するとともに、国際的な保護動向への対応についても言及します。生成AI技術の進展に伴い、多くのクライアントがAIを活用したコンテンツ制作を開始している今、この新しい指針を理解することは知財実務家にとって必須となっています。
米国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)が、法的根拠の乏しい特許訴訟を繰り返し提起していた特許権者に対して、弁護士費用の賠償に加えて裁判所固有の権限に基づく制裁金の賦課を認めた注目の判決を下しました。2024年12月のPS Products Inc. v. Panther Trading Co. Inc.事件において、CAFCは、被告製品と「明らかに異なる」意匠特許に基づく訴訟提起や、不適切な裁判地の選択など、一連の悪質な訴訟行為に対して制裁を科すことを認めました。本稿では、弁護士費用の賠償と制裁金の併科を可能とした本判決の理由付けや、過去の訴訟行為のパターンから悪意を推認できるとした新たな判断基準について解説するとともに、特許権者側の留意点や被告側の防御戦略への影響を詳しく分析します。
米国上院司法委員会は、特許審判部(PTAB)の手続きを大幅に改革するPREVAIL Actを賛成11票、反対10票の僅差で可決しました。本法案は、当事者系レビュー(IPR)の申立要件の厳格化、立証基準の引き上げ、審判官の独立性強化など、特許権者の保護を大幅に強化する内容となっています。改正の背景には、Samsung社やApple社などの大手IT企業によるPTAB申立ての寡占化や、中国との技術競争の激化があります。しかし、ジェネリック医薬品メーカーや患者擁護団体からは、医薬品価格の高騰を招くとの懸念が示されており、法案の行方は予断を許さない状況です。本記事では、法案の主要な改正内容や産業界への影響、今後の課題について詳しく解説します。
USPTOは2024年12月4日、ターミナルディスクレーマーの規則改正案を取り下げることを発表しました。この改正案は、非法定型二重特許の拒絶理由を解消するためのターミナルディスクレーマーの要件を大幅に変更し、関連特許群の一つが無効となった場合に他の特許の権利行使も制限されるという内容でした。本記事では、300件を超えるパブリックコメントと元USPTO長官らからの批判的意見を受けて取り下げられた改正案の内容、その背景にある法的問題、そして特許実務への影響を詳しく解説します。特に、現行実務の継続による法的安定性の維持、特許ポートフォリオ管理への示唆、そしてLoper Bright Enterprises v. Raimondo事件後の行政規則制定を巡る新たな法的環境下でのUSPTOの今後の動向について、実務的な観点から分析します。
第9巡回区連邦控訴裁判所は、競合他社の商標をキーワード広告として使用する行為は、それ自体では商標権侵害を構成しないとの画期的な判断を示しました。Lerner & Rowe事件において裁判所は、デジタル時代の消費者の成熟度を前提に、実際の混同の証拠を定量的に評価する新たな基準を示し、0.216%という低い混同率を「デミニマス(極めて軽微)」として商標権侵害を否定しました。さらに、Desai判事の補足意見は、キーワード広告における「商業上の使用」の概念自体を再検討する必要性を指摘しており、本判決は商標権者、広告主、そしてデジタル広告市場全体に大きな影響を与える可能性のある重要な先例となっています。本稿では、この判決の詳細な分析とともに、実務への影響や今後の展望について解説します。
USPTOは、フェイク商標見本対策として2024年10月28日より商標監査プログラムを大幅に拡大します。デジタル加工された見本や「見本ファーム」からの不正な見本が疑われる案件に対して、的を絞った監査を実施する新制度の導入です。これまでの調査では、監査対象となった商標登録の半数以上が、登録された全ての商品・役務について使用を証明できないという問題が明らかになっており、USPTOはこの状況に対する具体的な対策を打ち出しました。本稿では、新しい監査プログラムの詳細、フェイク商標見本の定義と種類、そして商標権利者が取るべき実務的な対応について解説します。特に、マドリッドプロトコルに基づく登録など、広範な商品・役務を含む登録を保有する企業にとって重要な情報を提供します。
2025年1月より、USPTOは商標出願料金体系を抜本的に変更し、これまでのTEAS標準・プラス出願を廃止、新料金体系やサーチャージ制度を導入します。さらに、マドリッド協定出願の料金改定も実施され、国内出願とのコスト比較が重要になります。本記事では、これらの改定の詳細や背景、出願戦略やコスト管理の新たな課題を掘り下げ、日本の実務家に向けた実践的な対応策を提案します。
OpenAI社に対するRaw Story社の著作権訴訟が却下された判決は、生成AIの学習データをめぐる著作権問題に重要な指針を示しました。ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所は、著作権管理情報(CMI)の削除による具体的な損害の立証がないとして訴えを退けましたが、この判断はAI開発企業と権利者の双方に大きな影響を与えています。本記事では、裁判所によるデジタルミレニアム著作権法(DMCA)の解釈や、AI開発企業が取るべき対応、さらには今後の法改正の可能性まで、実務的な観点から詳しく解説します。AIと著作権の新時代における重要な転換点となる本判決の意義と影響について、最新の専門家の見解を交えながら分析していきます。
USPTOが2025年1月から実施する大規模な特許料金改定は、全体で7.5%の基本料金引き上げに加え、継続出願への新たな追加料金の導入や意匠特許料金の48%増額など、特許実務に大きな影響を与える制度変更を含んでいます。特に注目すべきは、出願から6年以上経過後の継続出願に2,700ドル、9年以上経過後に4,000ドルの追加料金が必要となる点と、50件を超える引用文献を含む情報開示陳述書に新たな段階的料金が導入される点です。本稿では、2025年1月の施行に向けて日本企業が検討すべき実務対応や、長期的な特許戦略の見直しについて、USPTOの最終規則をもとに詳しく解説します。特に、意匠特許出願や継続審査請求の前倒し検討など、2024年中に取るべき具体的な対応策にも焦点を当てています。
CAFCは2024年10月18日のUTTO Inc. v. Metrotech Corp.事件において、申し立て却下段階でのクレーム解釈に関する画期的な判断を示しました。これまでNalco判決を根拠に否定的に解されてきた申し立て却下段階でのクレーム解釈について、内部証拠のみで解釈可能な場合には許容されるとの柔軟なアプローチを採用したのです。本稿では、CAFCによる新たな判断枠組みの詳細な分析に加え、技術用語の特殊性への配慮や明細書の記載の重要性など、実務上の重要なポイントを解説します。特に、特許権者と被疑侵害者それぞれの立場からみた実務戦略について、具体的な指針を示しながら検討していきます。特許訴訟の初期段階における効率的な紛争解決の可能性を広げた本判決は、今後の特許訴訟実務に大きな影響を与えることが予想されます。