
IPRが実質的に終了していても結果が白紙になり控訴不可と判断された事件
実質的に同じIPRを2回行い、特許クレーム無効の書面が出されるも、申立人の開示義務違反でPTABにおける決定が白紙にされ、手続きが強制終了するという事件が起こりました。さらにこの問題は、IPRの調査開始判断に関わるため控訴できないと判断されてしまい、無効にできるはずの特許を手続き上のミスで無効にできなかったため、申立人としてはとてももどかしい結果になってしまいました。
実質的に同じIPRを2回行い、特許クレーム無効の書面が出されるも、申立人の開示義務違反でPTABにおける決定が白紙にされ、手続きが強制終了するという事件が起こりました。さらにこの問題は、IPRの調査開始判断に関わるため控訴できないと判断されてしまい、無効にできるはずの特許を手続き上のミスで無効にできなかったため、申立人としてはとてももどかしい結果になってしまいました。
今年4月末までのPTABからCAFCに控訴された案件の統計データを見ると、IPRがその大半を占め、さらにそのIPR控訴の約73%がPTABにおける結果を全面的に支持するものになっています。個別案件における控訴の判断は各案件の状況に応じて判断されるべきですが、このような統計データと傾向も考慮するといいでしょう。
企業が第三者の技術を購入する場合、特許の購入・譲渡を含むことがあります。このように社外から、または関連企業から特許を取得する場合、考慮すべき重要な要素は多岐に渡ります。ここでは、特許を取得する際の契約書を作成する際に注意したい契約上のポイントをいくつか紹介します。
特許審判部(PTAB)は、先行技術として依拠したマニュアルの事実背景から35 U.S.C. §311(b)の「印刷出版物」(printed publications) に該当しないと判断した上で、異議申立されたクレームの特許性を維持しました。
今回のアメリカ政府の許可に伴い、ロシアでの知財活動に関する支払いができるようになりました。これにより審査費用や維持費が払えなくて権利が抹消するという最悪の事態は回避されそうです。しかし、ロシアにおける知財権の尊重に関しては不透明な点が多く、引き続き注意して動向を観察する必要があります。
インターネットの進化において、メタバースが次の大きな流れになると予測する人は多いですが、メタバースからの利益を期待するブランドが直面する大きな課題の1つは、IPの保護です。現状では、デジタルグッズの形で侵害が発生した場合、ブランドは裁判に訴えるしかありません。しかし、メタバースが成長するにつれ、プラットフォームが非司法的なプロトコルを導入することで、ブランドがIP権を行使することができるようになるかもしれません。
たとえ直接的な金銭のやり取りがなくて、当事者は「実験的使用」と考えていても、特許の観点上、実験的使用として認められないことがあります。今回も出願前の契約で対価と考えられるようなものが認められたことにより、「実験的使用」が認められませんでした。
PTABからの控訴に関する統計データを知っておくことは、特許訴訟戦略やIPR戦略を考える上で重要です。特に、IPRの控訴の70%以上はPTABの決定が支持されるという事実だけでも頭に入っていると、戦略に違いが出てくると思います。個別案件がこの確率通りになる保証はありませんが、相手も当然知っていることだと仮定するべき情報ではあります。
アメリカにおける賠償金は高額になる傾向がありますが、今回、特許権者の損害賠償専門家が合理的なロイヤルティ損害賠償額を決定する際に、売上予測および「訴訟リスク倍率」を使用 することを支持する判決が下りました。これによりさらなる賠償金の増額が懸念されます。