アメリカ知財まとめ記事

再審査

先行技術とクレームで数値範囲が重複する場合、特許権者がクレーム範囲の重要性を示す責任がある

CAFCは最近の判決で、先行技術がクレーム範囲と重複する数値範囲を開示している場合、特許権者がクレーム範囲の重要性を示す責任があると述べました。今回紹介する判例においてCAFCは、先行技術の重複する範囲が自明性のプライマファシー(初見推定)を示した場合、証明責任は特許権者に移り、クレームで主張された範囲が発明に重要であることを証明する責任があることが示されました。この判決は、重複する範囲を含む特許クレームの自明性を評価する方法に関する指針を提供するものです。

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特許出願

USPTOが初回出願者の特許出願を迅速化する新たな取り組みを開始

米国特許庁は、「First-Time Filer Expedited Examination Pilot Program」と呼ばれる新しいイニシアチブを導入し、これを用いることで、初めて特許を出願する人は審査を迅速化することが可能になりました。このプログラムを利用することで、出願から6か月以内にOAを受けることができ特許出願の迅速な審査を受けることができます。USPTOは、このプログラムが初めての出願人に知的財産権を保護するよう促し、イノベーションを奨励することを期待しています。

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amazon
商標

アマゾンの模倣品対策はより強固なものに:2022年ブランド保護レポートのハイライト

Amazonは2022年版のブランド保護レポートを公開し、偽物に対処する継続的な取り組みを示しています。報告書によれば、2020年以降、Amazonにおける新しい販売アカウントの悪質な作成試行の数は50%以上減少しています。Amazonの継続的なモニタリングサービスは、1日あたり8億件のリストをスキャンし、ブランド所有者が報告する前に、99%の不正または偽物のリストを事前に特定しています。また、ブランドレジストリの保護機構により、ブランドから提出された侵害通知の総数が2021年に比べて35%減少しました。さらに、Amazonの米国特許商標庁とのパートナーシップにより、5,000以上の偽のまたは悪意のあるブランドを特定して削除することができました。Amazonの偽造品取締部門は2022年に1,300人以上の犯罪者を訴訟や刑事告訴を通じて追及し、6百万以上の偽造品を供給チェーンから取り出しました。

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conference
AI

USPTOがAI発明の特許性に関する公聴会を開催

米国特許庁は、特許に関連するAI技術の現状と関連する発明者の問題についてステークホルダーからの意見を求める2つの公開ヒアリングを開催しています。これらのヒアリングは、Thaler v. Vidal事件での連邦巡回控訴裁判所の判決に続いて行われています。この判決は、AIシステムを特許発明者として名前を挙げる請願を却下する決定を支持しましたが、AIの支援を受けた人間による発明が特許保護の対象となるかどうかについては取り上げませんでした。2023年2月14日の告知では、AIが発明創造における役割や特許の対象性についての質問が提示されており、公聴会ではこれらの質問に関する一般の意見が示されることが予想されます。

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Pinterest
特許出願

特許審査履歴解説: 継続出願で実質1回のOA対応で権利化したものの許可通知後のIDS提出でRCEを行った案件(Pinterest)

案件自体は親出願の審査が終わった時点で行った継続出願ですが、出願時に出願費用を払っていなかったり、Preliminary amendmentでクレームすべてを差し替えたりと珍しいケースでした。継続出願によくあるDouble Patentの解消にeTerminal Disclaimerを使うのはよくある対応なのですが、許可通知後に提出したIDSを考慮してもらうためにRCEを行っていました。いままでもIDSを許可通知後に提出した事例を取り上げていましたが、特にRCEをするようなものはなかったので、この違いについてもできる範囲で考察してみました。

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supreme-court
訴訟

知財業界が注目する実施可能要件に関する最高裁での争い

医薬品業界内を二分にする実施可能要件に関するAmgen v. Sanofiの最高裁での争いは知財業界の注目を集めています。しかし、最近開催された口頭弁論の内容を総合的に判断すると、実施可能要件に関する大きな変更がある可能性は少なく、最高裁は、実施可能要件の欠如による特許無効には過度な実験 (undue experimentation) の証明が必要であり、実験の量が「過度」( undue)であるかどうかは、長年にわたるWands判決に示された要素に依存することを確認するようです。

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book-flipping
著作権

コロナ禍の善意のサービスであっても著作権侵害になりえる

この訴訟は、Internet Archiveがパンダミックの初期に「National Emergency Library」を立ち上げ、140万冊のデジタル化された書籍を待ち時間なしで読めるようにしたことがきっかけでした。COVID-19のロックダウン時に図書館が閉鎖されている間、デジタル書籍を貸し出す臨時のサービスで、同年3月24日から6月16日まで運営されていました。善意で行われたサービスのようですが、書籍の著作権を持つ出版社はInternet Archiveを著作権侵害で訴え、地裁では出版社側の全面勝訴に至りました。今回は特にフェアユースと変革的利用(transformative use)に関してこの判決を考察していきます。

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再審査

実案件から見る新規性と自明性の違い

IPRにおいて102条における新規性への挑戦をする場合、複数の文献を用いることは避けた方がよさそうです。IPRで挑戦されたクレームの新規性の有無は原則1つの文献との比較で行われるため、複数の文献の使用は適切ではありません。複数の文献を用いる場合、103条における自明性を証明することが好ましいですが、その場合、組み合わせによる合理的な成功の期待に注意を払い、申立人が考える文献の組み合わせが当業者にとって明らかであったかどうかについての主張が特に重要になってきます。

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thinking
特許出願

AFCP 2.0は推奨される最終拒絶の対応なのか?

AFCPはRCEの頻度を減らすためのオプションとして利用されています。しかし、AFCPが適用されても審査官は複雑な検索や分析を行う時間が不足し、RCEをしなければいけないという状況になることもよくあります。うまく使えば、審査官の考え方に関する貴重な情報が得られ、権利化までの道のりを短縮する可能性があります。AFCPは、クレームの絞り込みを促進し、その代わりに審査官との面接を通じたより多くの検討と相互作用の時間を提供します。そのため、AFCPは積極的に検討するべきであり、個別案件がAFCPに適しているかどうかを適切に評価することをお勧めします。

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