Category: 特許出願

Seiko Epson
特許出願

特許審査履歴解説: 補正で完璧な差別化ができ1回のOAで権利化できた案件 (Seiko Epson)

今回はSeiko Epsonの特許審査履歴を解説しました。2023年2月7日に発行されたSeiko Epsonの特許(Pat. No: 11,567,511)の出願履歴から考察しました。1回目のOAでは独立クレームが異なる文献で102条の拒絶が2回、そして103条による拒絶が2回と、計4回拒絶されていたのですが、大幅な補正を独立クレームに加えることによって、先行技術との差別化に成功しました。どの点に注目して差別化を測るか、どこまでクレームを補正するか、は権利化の手続きにおいて非常に重要な点であり、特許弁護士としての技量が試されるものでもあります。今回は、従属クレームでも注目していなかった点を大胆にクレーム1の補正に加えたことによって、クレーム1の内容を引用された文献とは異なるようにうまく限定し、権利化につなげていました。

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特許審査履歴解説: インタビューとAFCPを活用しRCEなしで権利化に成功した案件 (Amazon)

2023年1月31日に発行されたAmazonの特許(Pat. No: 11,567,511)の出願履歴から考察しました。Amazonはよくインタビューを活用する印象があり、今回もインタビューを多様してRCEをやらずに権利化できていました。最終拒絶まで行きますが、勝ち取った許可可能クレームとAFCPを活用することで、見事権利化に成功しました。

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ChatGPTの利用は「公開」にあたるのか?

アマゾンは、ChatGPTで機密情報を共有しないよう従業員に警告しています。これは非常に賢明なアドバイスです。ChatGPTは便利なツールですが、企業におけるそのようなツールの使用ポリシーを今のうちに作っておくことが大切です。特に発明に関わる内容をインプットした場合、発明内容が「公開」されたことになり、権利化活動が非常に困難になる可能性があります。

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ChatGPTは特許の仕事を奪うものなのか?

OpenAIが開発したChatGPTはさまざまなメディアで報道されていますが、特許関連の仕事を特許弁護士に取って代わってできるのか、考察しています。結論を言うと、ChatGPTのようなAIツールは便利で、業務の手助けになることはあると思いますが、特許弁護士の仕事そのものを奪うものではないでしょう。(今のところ)

Samsung
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特許審査履歴解説: RCEまで平行線をたどるもののすべてのクレームをキャンセルし新規提案をすることで権利化できた案件 (Samsung)

2023年1月17日に発行されたSamsungの特許の出願履歴から考察しました。今回は補正し続けたクレームをキャンセルし、RCEまで主張していた特徴をすべて白紙に戻し、それまでは注目していなかった部分をクレームに用いたことで特許を得た案件です。

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欧州で始まる「統一特許」

欧州では、2023年6月1日に統一特許( unitary patent )と統一特許裁判所(unified patent court )へ移行する予定です。これは、欧州で特許権を維持・行使するための新たな方法を追加する重要な変更であり、欧州で特許ポートフォリオを保有する企業は理解しておくことが重要です。

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特許請求の範囲 -大きいことは常に良いことなのか?製薬業界の動向

製薬業界ではより広いクレーム範囲を得るために genus クレームが多様されてきました。しかし、製薬は「予測不可能な技術」でもあり、多くの化合物をカバーするgenusクレームの「実施可能要件」が問題になり、genusクレームが無効になるというケースが増えてきました。そのため、範囲の大きいクレームを得るということが必ずしも最善の手段ではないケースであることがあります。

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IBMが長年守り続けていた特許ランキング首位の座を失う

2022年の米国特許付与のランキングで、IBMは1993年以来維持していたトップから転落し2位に、トップの座はSamsung Electronicsに移りました。Harrity LLPが作成したPatent 300ランキングによると、IBMは2022年に4743件の通常特許を取得し、2021年から44%減少した一方、Samsungはその活動を維持し、8513件の通常特許を取得しました。

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2022年 米国特許出願統計データ

米国特許庁の速報データによると、2022年度(2021年10月1日~2022年9月30日)の特許出願件数は646,855件でした。これは、2021年の出願件数より若干減少しています。これらの出願の内訳は、通常出願(utility applications)が589,155件、意匠出願(design application)が54,476件、植物出願(plant applications)が918件となっています。また、147,339件の仮出願(provisional applications )が行われました。