Generating AI used to verify if OA responses in the U.S. can be done.

生成AIを使ってアメリカのOA対応はできるか? 〜2. 理解編〜

今回はアメリカの特許出願におけるオフィスアクション(OA)対応に生成AIを活用できるかどうかを検証する記事のパート2です。今回は検証対象としているOA・先行文献・クレームの検証を生成AIを用いて検証するパートになります。前回の準備編(パート1)では、検証に至るまでの経緯と、生成AIに取り込むデータについての検証を中心とした内容を話します。

今回の検証では、英語の拒絶理由を生成AIに日本語で解説させ、クレームと引用文献を比較し、組み合わせの妥当性までを考察しています。知財担当者の視点から、生成AIを使った効率的なオフィスアクション対応の可能性を探り、生成AIにできること、人間にしかできないことを整理しながら、英語の壁を越えて拒絶理由通知、引用文献、そして審査中の特許の中身を理解するプロセスを紹介します。

次回は最終回として、生成AIを使ったOA対応の実務を紹介していく予定です。

拒絶理由の内容を生成AIを使って理解する

前置きと準備が長くなりました(パート1はこちら)が、ここからは今回の検証で用いる拒絶理由通知の中身について理解を深めていきます。

繰り返しになりますが(詳しくはパート1の「想定している担当者のスキルレベル」を参照)、この案件の担当者は特許法の基礎知識とアメリカの特許法に関する一般的な理解を有し、過去に拒絶理由への対応経験がある人だと仮定しています。また担当者は、発明の分野に基本的な知識を持っているものの、案件の詳細や拒絶理由の具体的な内容については把握していないという前提なので、OA対応の作業に取り掛かる前に、その中身を正しく理解する必要があります。

今回はこの拒絶理由の内容を理解する作業を生成AIを使って効率化できるか検証してみたいと思います。特に、拒絶理由は英語で書かれていますが、生成AIを用いることで日本語を基本言語としてOAの内容に関する理解を深めていけるか検証します。具体的には、読み込ませたOAを参照させた状態でChatGPTに日本語で質問し、OA対策をする上で必要な情報を聞き出す作業を行います。

OAは添付ファイルとしてではなく、テキストボックスに直接入力した方が回答の精度が上がる

まずはOAの全体像を知りたいので、OAの概要を解説してもらいます。ここでは拒絶理由通知のデータはマークダウン形式で添付ファイルとしてChatGPTにアップロードしています。

あなたは10年以上の経験がある優秀な特許弁護士です。今回、業務としてあるアメリカ特許出願の拒絶対応をすることになりました。 

添付ファイルは今回あなたが担当する特許出願の拒絶理由通知です。その情報を理解した上で、日本語で拒絶理由を解説をしてください。解説する上で、特に、すべての拒絶理由を特定し、その内容を説明してください。

この質問に対する回答は以下の通りです。

OAを添付ファイルとして聞いたときの回答

私は直接ファイルを確認することはできませんが、ファイルを開いて内容を見ることができるツールを使用して、その内容に基づいて回答を行います。この拒絶理由通知の内容を確認し、拒絶理由を特定して解説します。少々お待ちください。

この拒絶理由通知には、以下の主な拒絶理由が記されています:

1. **手続上の問題**:

   - **クレーム19**には、"the bin" という語句が前例のない形で使用されており、これが "a bin" となるべきであると指摘されています。これには適切な修正が求められています。

2. **特許法35 U.S.C. § 103に基づく拒絶(明らかさの拒絶)**:

   - **クレーム1-3, 10-11, 17-19** が、MPAKARIS(WO 2021063809 A1)とHODGSON(WO 2015123442 A1)を先行技術として、その組み合わせにより、明らかであるとして拒絶されています。特に、MPAKARISは車内に設置されたテーブルが、格納位置から使用位置に移動可能であると教示しており、HODGSONはこれをさらに進展させる動機があったとされます。

3. **依存クレームの形式上の問題**:

   - **クレーム4-6, 9, 12-15, 20** が、それらが依存する基本クレームが拒絶されているために問題があるとされていますが、基本クレームとその間のすべての制限を含む独立した形式に書き直すことで許容される可能性があります。

これらの拒絶理由に対しては、特許出願人は適切な修正や追加の引証を提供することで対応可能です。また、詳細な議論や修正提案を行うために、担当審査官との面談を設定することが奨励されています。

このようにOAの内容を参照した回答はしてもらいましたが、「私は直接ファイルを確認することはできません」と回答しており、OAを添付ファイルとして提供した場合は回答の精度が落ちるような印象を持ちました。

また、通常は「解説してほしい」というようなプロンプトを使用した場合、今回よりも情報量が多いアウトプットをすることが多いので、うまくOAの情報にアクセスできているか不安になる回答でした。

そのため、ここでOAを添付ファイルではなく、プロンプトの一部としてテキストボックスに直接入力して検証してみます。

あなたは10年以上の経験がある優秀な特許弁護士です。今回、業務としてあるアメリカ特許出願の拒絶対応をすることになりました。 

以下の情報は今回あなたが担当する特許出願の拒絶理由通知です。その情報を理解した上で、日本語で拒絶理由を解説をしてください。解説する上で、特に、すべての拒絶理由を特定し、その内容を説明してください。

***Notice of Pre-AIA or AIA Status***

The present application, filed on or after March 16, 2013, is being examined under the first inventor to file provisions of the AIA.

***Claim Objections***

1.  **Claim 19** are objected to because of the following informalities:

–   Line 1 states: “the bin”. There is lack of antecedent basis for the. This should read “a bin”

Appropriate correction is required.

プロンプト全文はこちら

このOAの提供方法を変えただけで後は同じ質問への回答は以下の通りです。

OAをテキストボックスに直接入力して聞いたときの回答

本件出願は、2013年3月16日以降に出願されたものであり、アメリカ発明法(AIA)の「最初の発明者優先」規定に基づいて審査されています。

### 拒絶理由通知の内容:

#### 形式上の異議(クレームの異議)

- **クレーム19**:「the bin」という表現が第一行で使用されていますが、先行表現(antecedent basis)が不足しているため、この表現を「a bin」と修正する必要があります。

#### 特許性拒絶(35 U.S.C. § 103)

- **クレーム1-3, 10-11, 17-19**:これらのクレームは、MPAKARIS(WO 2021063809 A1)とHODGSON(WO 2015123442 A1)を組み合わせることにより、その発明が当該技術分野の通常の技術者にとって当然であったとして拒絶されています。特に、デスクパネルにサポートアームが含まれ、トラックに係合する構成が開示されていないと指摘されています。

- **クレーム7, 16**:これらのクレームは、上記の文献に加えて、Boinais(US 10232802 B2)を考慮に入れることで、サポートアームの端にベアリングが含まれるという点で拒絶されています。

- **クレーム8**:MPAKARISとHODGSONの教示に基づいているが、Ory(US 10583740 B2)を考慮に入れた結果、ステアリングホイールがデスクが使用されている間に収納される構成が開示されていないため拒絶されています。

#### クレームの依存形式に関する異議

- **クレーム4-6, 9, 12-15, 20**:これらは拒絶された基本クレームに依存する形式であるため、問題がありますが、基本クレームとすべての中間クレームの制限事項を含む独立した形式で書き直すことが可能であれば許容される可能性があります。

### 対応策

これらの拒絶理由に対しては、形式的な修正や、技術的な反駁、さらには先行技術との相違点を明確に示すことで対応することが考えられます。また、必要に応じてクレームの再構成を行い、拒絶理由に効果的に対応する戦略を立てることが重要です。

それぞれのアウトプットを対比して比較してみましょう。

OAを添付した時の回答OAをテキストボックスに含めた時の回答
私は直接ファイルを確認することはできませんが、ファイルを開いて内容を見ることができるツールを使用して、その内容に基づいて回答を行います。この拒絶理由通知の内容を確認し、拒絶理由を特定して解説します。少々お待ちください。
この拒絶理由通知には、以下の主な拒絶理由が記されています:

1. 手続上の問題:
クレーム19には、”the bin” という語句が前例のない形で使用されており、これが “a bin” となるべきであると指摘されています。これには適切な修正が求められています。

2. 特許法35 U.S.C. § 103に基づく拒絶(明らかさの拒絶):
クレーム1-3, 10-11, 17-19 が、MPAKARIS(WO 2021063809 A1)とHODGSON(WO 2015123442 A1)を先行技術として、その組み合わせにより、明らかであるとして拒絶されています。特に、MPAKARISは車内に設置されたテーブルが、格納位置から使用位置に移動可能であると教示しており、HODGSONはこれをさらに進展させる動機があったとされます。

3. 依存クレームの形式上の問題:
クレーム4-6, 9, 12-15, 20 が、それらが依存する基本クレームが拒絶されているために問題があるとされていますが、基本クレームとその間のすべての制限を含む独立した形式に書き直すことで許容される可能性があります。
これらの拒絶理由に対しては、特許出願人は適切な修正や追加の引証を提供することで対応可能です。また、詳細な議論や修正提案を行うために、担当審査官との面談を設定することが奨励されています。
本件出願は、2013年3月16日以降に出願されたものであり、アメリカ発明法(AIA)の「最初の発明者優先」規定に基づいて審査されています。
拒絶理由通知の内容:

形式上の異議(クレームの異議)

クレーム19:「the bin」という表現が第一行で使用されていますが、先行表現(antecedent basis)が不足しているため、この表現を「a bin」と修正する必要があります。

特許性拒絶(35 U.S.C. § 103)

クレーム1-3, 10-11, 17-19:これらのクレームは、MPAKARIS(WO 2021063809 A1)とHODGSON(WO 2015123442 A1)を組み合わせることにより、その発明が当該技術分野の通常の技術者にとって当然であったとして拒絶されています。特に、デスクパネルにサポートアームが含まれ、トラックに係合する構成が開示されていないと指摘されています。
クレーム7, 16:これらのクレームは、上記の文献に加えて、Boinais(US 10232802 B2)を考慮に入れることで、サポートアームの端にベアリングが含まれるという点で拒絶されています。
クレーム8:MPAKARISとHODGSONの教示に基づいているが、Ory(US 10583740 B2)を考慮に入れた結果、ステアリングホイールがデスクが使用されている間に収納される構成が開示されていないため拒絶されています。

クレームの依存形式に関する異議

クレーム4-6, 9, 12-15, 20:これらは拒絶された基本クレームに依存する形式であるため、問題がありますが、基本クレームとすべての中間クレームの制限事項を含む独立した形式で書き直すことが可能であれば許容される可能性があります。

対応策

これらの拒絶理由に対しては、形式的な修正や、技術的な反駁、さらには先行技術との相違点を明確に示すことで対応することが考えられます。また、必要に応じてクレームの再構成を行い、拒絶理由に効果的に対応する戦略を立てることが重要です。

隣同士で比べるとOAをテキストボックスに含めた時の回答の方が詳細な説明になっていることがわかります。特に、103条の拒絶については、クレーム1-3, 10-11, 17-19以外にも、追加の文献を用いて拒絶されているクレーム7, 16やクレーム8についても説明があります。

このようなChatGPTの回答の違いから、Markdown形式のOAは添付ファイルではなく、直接プロンプトの中に入れた方がいいことがわかりました。

OAに書かれている拒絶理由の整理と確認

ChatGPTが解説してくれた拒絶理由をまとめると、以下のようになります:

  1. 形式上の異議(クレームの異議)
  2. 特許性拒絶(35 U.S.C. § 103)
  3. クレームの依存形式に関する異議

実際のOAを見てみると、これらはP.2に書かれている「Claim Objections」と「Claim Rejections – 35 USC § 103」、そしてP.10に書かれている「Claim Objections」に対応するものです。

特にOAをテキストボックスに含めた時の回答と原本の英語のOAを比較してみると、見出しとして太字で強調されている箇所を正確に認識し、それぞれの重要な箇所を文章量に応じてまとめていることがわかります。

このようにChatGPTがOAに書かれている拒絶理由を整理した内容を原本の拒絶理由に戻って確認したところ、かなりの精度で拒絶理由がまとめられていることがわかりました。

また、英語の拒絶理由通知を読まなくても、ChatGPTの日本語の回答だけで、今回の案件がAIA(America Invents Act)による出願であること、クレーム19の補正が必要なこと、103条に基づく拒絶がメインの拒絶であること、そしてクレーム4-6, 9, 12-15, 20は許可可能であることがわかります。

このように生成AIが取り扱いやすい環境を整えることで、英語で考えなくても、日本語で質問するだけでOAの中身を知ることができます。

103条に基づく拒絶で確認したいこと

ChatGPTの回答から今回のオフィスアクションにおける主な課題が103条に基づく拒絶であることがわかったので、もう少し詳しく103条に基づく拒絶について理解する必要があります。一般的に103条に基づく拒絶を理解する上で重要な点は以下の通りです。

  • 参照されている引用文献は何か
  • 各引用文献が開示しているとされるクレーム要素は何か
  • 引用文献を組み合わせる動機として何が示されているか

この分析は103条による拒絶を受けたすべてのクレームに対して行われます。しかし、実務上クレーム1に関してこの分析を行えば残りのクレームにもほぼ同様のロジックが使えることが多いので、今回はクレーム1に関してこの3つの点を詳しく確認していきます。

生成AIを使った103条に基づく拒絶の深堀り

参照されている引用文献は何か

まず、「参照されている引用文献は何か」という質問ですが、クレーム1に対してのこの答えはOAの解説をしてもらった時にすでにChatGPTから提供されています。MPAKARIS(WO 2021063809 A1)とHODGSON(WO 2015123442 A1)という文献なので、次にそれぞれの文献が開示しているとされるクレーム要素は何かを詳しく文献ごとに見ていきます。

主要文献の開示とクレーム要素の対比

通常の103条における拒絶は、クレームごとに各引用文献が開示しているとされるクレーム要素を上記のようなクレーム要素と引用文献の開示部分がセットになった形で示されます。今回の場合は、クレーム要素+(See …) という形で書かれています。

しかし、このように文章で説明されるよりも、表にしてもらったほうがわかりやすいので、メインの引用文献であるMPAKARIS(WO 2021063809 A1)について、拒絶理由通知に記載されているクレーム1の要素と引用箇所を表にまとめ、それらの要素に関する日本語の簡単な説明をしてもらうようにしたいと思います。

以下は特許の拒絶理由通知です。この拒絶理由通知に記載されているクレーム1について、表を作成してください。表の構成は以下の通りです、1)クレーム1の要素(英語)、2)対応する引用文献であるMPAKARIS(WO 2021063809 A1)の参照部分(英語)、3)日本語による解説

プロンプト全文はこちら

上記のようなプロンプトを試したところ表を作ってくれました。表の内容は生成するたびに微妙に変わってくるので、アウトプットをされた情報を見ながら何度か生成し、自分にとってわかりやすいものを選ぶといいと思います。

私も何度か生成して、必要に応じてプロンプトを修正しながらやり直しました。そのサンプルアウトプットとして1を共有します。

最終的には、クレームとMPAKARISの文献の両方に関しての解説が含まれている以下の表を参考にしてみました。

クレーム1の要素(英語)対応する引用文献:MPAKARIS(WO 2021063809 A1)の参照部分(英語)日本語による解説
A vehicle comprising a cabin interior;“The invention relates to a table device (T) for an interior of a vehicle (1), said device comprising a table element (3) that can be positioned from a stowed position into an in-use position.” (abstract)本クレームは、車両のキャビン内部を含むものです。MPAKARISには、車両内部に配置されるテーブル装置が記載されており、そのテーブルエレメントは収納位置から使用位置に移動可能です。
A trim panel component located in the cabin interior;“the table element (3) is disposed in the region of a dashboard” (abstract)トリムパネルコンポーネントがキャビン内部に位置するというクレームの要素に対して、MPAKARISではダッシュボードの領域にテーブルエレメントが配置されていると説明しています。
A desk supported on the trim panel component and movable between a stowed position on the trim panel component and a deployed position extending outward from the trim panel component;“See Fig.4 showing tray 1 in stowed position” and “See Fig. 1 of table desk 3 extending outward from panel in deployed position”トリムパネルコンポーネント上で支持され、収納位置から展開位置へ移動可能なデスクについて、MPAKARISでは図1と図4で、デスクが収納位置から展開位置へと移動する様子を示しています。
The desk comprising a plurality of interconnected panels configured to engage a track to wrap around at least a curved portion of the trim panel component;“The table element 3 has, corresponding to the circular arc-shaped guide F, by means of which the table element 3 can be guided and held, a curved underside.” (page 6, paragraph 6) Also see Figs 3-4デスクは複数の相互接続されたパネルを含み、これらは少なくともトリムパネルコンポーネントの曲がった部分を包むように配置されるトラックに係合するように構成されています。この構造に関してMPAKARISでは、テーブルエレメントが円弧状のガイドFに従って案内され、保持されると記述しています。
The desk operably moves along the track when moved between the stowed position and the deployed position.“See Figs. 3-5”デスクは、収納位置と展開位置の間でトラックに沿って操作可能に移動します。この動作について、MPAKARISでは図3から図5で示されています。

この表からクレーム1の要素とそれに対応するMPAKARIS文献の開示箇所がわかったところで、MPAKARISと組み合わせられているHODGSON文献についても見ていきましょう。

組み合わせられているサブの文献に対するOA内容の理解

103条の拒絶ではクレーム要素のすべてを先行文献や一般的な知識の組み合わせが開示していることを示さないといけません。

そのため、通常103条における拒絶では、メインの文献による開示を示し、メインの文献で開示されていない要素を特定し、その部分を補う追加の文献や知識が示され、その組み合わせの合理性が話されるという流れになっています。

今回のOAでもそのような流れになっているので、ここでは、組み合わせで用いられているサブの文献MPAKARISで開示されていないクレーム1の要素を特定するところから始めましょう。

クレーム1に対してMPAKARISで開示されていない要素を教えて下さい

クレーム1に関連して、MPAKARISで開示されていない要素は「デスクパネルに設置されたサポートアームがトラックに係合する構成」です。この要素は、MPAKARISの文書には見当たらず、このギャップを埋めるためにHODGSONの引用が追加されています。

HODGSONは、車両のストレージコンパートメントに配置された可動式要素(サポートアーム)を持ち、これがトラック内で移動するという教示を提供しており、MPAKARISの教示と組み合わせることでクレーム1のこの未開示の要素をカバーしています。このように、HODGSONはサポートアームがトラックに係合して移動する構成を明確に開示しており、これによりデスクが展開または収納される際にスムーズに移動できるという教示が補完されています。

この回答では、MPAKARISで開示されていないクレーム要素が「デスクパネルに設置されたサポートアームがトラックに係合する構成」であることがわかります。

そして、そのギャップを埋めるためにHODGSONが引用されており、そのHODGSONリファレンスの内容と組み合わせの動機も書かれています。

次にHODGSONで開示されていると言うクレーム要素が日本語のままだったので、英語での表記も聞いてみました。

「デスクパネルに設置されたサポートアームがトラックに係合する構成」とは原本の英語でどのように表現されていますか?

クレーム1に関連して、「デスクパネルに設置されたサポートアームがトラックに係合する構成」は、英語では通常次のように表現されます:

**"the desk panels having support arms configured to engage a track"**

この表現は、デスクの各パネルにサポートアームが取り付けられており、それらがトラックと係合するように構成されていることを示しています。この要素がMPAKARISには開示されていないため、他の文献を引用してこのギャップを埋める必要がありました。

次に、HODGSONで開示されているクレーム要素に関するHODGSONの開示内容を知りたかったので、以下のようなプロンプトで訪ねたところ、ChatGPTがOAの原文を併記した詳しい解説をしてくれました。

クレーム1の拒絶においてHODGSONが引用されている部分に関して、HODGSONの参照部分を教えて下さい

クレーム1における拒絶理由について、HODGSON文書が引用された具体的な部分は以下の通りです:

HODGSON teaches vehicle storage compartments comprising a known moveable element (48) within a track (40) in a vehicle. "The ribs 48 are configured to engage the tracks 40 of the console 16 to support the door 22 and to facilitate movement of the door 22 across the opening 38. The ribs 48 are coupled to a surface of the substrate 50 facing the interior 44 of the console 16, thereby forming a unitary structure." (Page 7, paragraph [0026])

この教示は、車両のストレージコンパートメントにおいて、既知の可動要素(48)がトラック(40)内で動く構造を持つこと、およびそのリブ(48)がトラック(40)に係合して、ドア(22)の開口部を横切る移動を支援し、またドア(22)を支えるために基板(50)の内側面に接続されて一体構造を形成していることが説明されています。この教示は、デスクのパネルに取り付けられたサポートアームがトラックに係合する構成と相似しており、MPAKARISで開示されていないこの要素を補うために引用されています。

このように103条の基本的な拒絶の流れに沿って知りたいことをChatGPTに質問するだけで、組み合わせられているサブの文献のHODGSONに対するOA内容の理解が深まりました。ここでも英語の原本を読むことなく、日本語で質問するだけで、必要な情報を手に入れることができました。

組み合わせの動機

すでに上記のChatGPTとのやり取りでも何回か触れられていますが、最後にMPAKARISとHODGSONの組み合わせの動機について尋ねました。

提供した拒絶理由通知において、クレーム1に対するMPAKARISとHODGSONの組み合わせの動機は何ですか?詳しく説明してください。

クレーム1に対してMPAKARISとHODGSONの文献を組み合わせて引用する動機は、これらの文献が共通の技術問題、すなわち車両のコンパートメント内での収納およびアクセス機能を改善する解決策を提供している点にあります。

**MPAKARIS** は、車両の内部で使用されるテーブルデバイスに関するもので、テーブルがダッシュボード領域に配置され、使用位置と収納位置の間で移動可能であることを教示しています。このテーブルは複数のパネルで構成されており、それらがトラックに沿って曲がるように配置されていますが、このトラックに沿ってパネルを動かすためのサポートアームについては言及がありません。

**HODGSON** は、車両の収納コンパートメント内で使用される可動要素(サポートアーム)を持つことを教示しており、これらのアームがトラック内での移動を支援するためにトラックに係合するように構成されています。特に、これらのサポートアームがトラックに接続され、ドアの開閉を助ける構造を有している点が詳細に説明されています。

これら二つの文献を組み合わせる動機は、MPAKARISが提供するテーブルデバイスの機能を拡張し、テーブルがトラックに沿ってよりスムーズに移動できるようにするためです。HODGSONにおけるサポートアームの概念をMPAKARISのテーブルデバイスに適用することで、デスクパネルがトラック内で効果的に移動し、安定してサポートされることを実現できると考えられます。このような改良は、特に車両内での収納スペースと使いやすさを向上させるために有用であると認識されています。

したがって、MPAKARISとHODGSONは同じ技術問題に対処しており、一方が提供する解決策を他方に応用することで、明らかに技術的な利益が得られると特許審査官は判断したのです。これにより、クレーム1が提案する発明が既知の技術から自明(obvious)であると結論づけられたわけです。

このChatGPTの組み合わせに関する説明は、とてもわかり易く、MPAKARIS文献による開示内容、MPAKARIS文献では開示されていない要素、その部分を補うHODGSON文献とその技術紹介の後に、組み合わせの合理性が話されています。

上記の内容を見てもMPAKARIS文献とHODGSON文献は関連性が高く、組み合わせる要素によるメリットも示しているので、組み合わせの合理性における審査官の主張がよく分かる内容になっています。

ここまでのChatGPTとのやり取りで、拒絶理由の中身についての理解度は格段に上がったと思われます。OA対応に必要なOAの理解はできたと思うので、次はオフィスアクション対応の方法を頭の裏で考えつつ、オリジナルのクレームや引用文献などを参照していきたいと思います。

オリジナルクレームについての理解を深める

ここまででChatGPTに提供したデータは拒絶理由通知だけなので、次はオリジナルのクレームもChatGPTに読み取らせて、クレームに対する理解も深めていきましょう。

今回はPatentCenterからXMLフォーマットのものを入手しましたが、実際の案件ではすでにデータとして取り込みやすいワードフォーマットのオリジナルクレームを持っていると思います。ワードフォーマットのオリジナルクレームを持っていれば、それをそのままChatGPTに読み込ませるか、その前にMarkdown形式に変換してからChatGPTに読み込ませるといいでしょう。

今回入手したXMLフォーマットのクレームをそのまま読み込ませると(OAを読み込ませようとした時と同様に)ChatGPTがエラーを起こしました。そこでXMLファイルをChromeで表示させ、そのデータをプロンプトの部分に直接貼り付け、クレーム1をタグを取り除いた状態で表示させることにしました。

以下はxmlフォーマットの特許クレームです。この提供されたデータから、タグをすべて取り除いた状態で、クレーム1を表示してください

プロンプト全文はこちら

クレーム1の内容は以下の通りです:

1. A vehicle comprising: a cabin interior; a trim panel component located in the cabin interior; and a desk supported on the trim panel component and movable between a stowed position on the trim panel component and a deployed position extending outward from the trim panel component, the desk comprising a plurality of interconnected panels having support arms configured to engage a track to wrap around at least a curved portion of the trim panel component, and wherein the desk operably moves along the track when moved between the stowed position and the deployed position.

このように無事にクレーム1がXML形式のデータから抽出できました。他のクレームも必要であれば同様の方法で抽出できます。

XMLではなくPDFからテキストデータを抽出してもいいのですが、その場合はPDFのOCRの関係で、文字がずれていないか、入れ違いがないかなどの確認をする必要があります。特に、階層化が細かいクレームや左縁に行を示す通し番号が振ってあるようなPDFだと、OCRがうまくできず、生成AIがクレームを正しく認識しない場合があるので、注意してください。

クレーム1の要素がすべて先行文献で指摘されているのかをチェック(ChatGPTの性能の確認)

103条における拒絶では、すべてのクレーム要素が先行文献で開示されていることを示さないといけません。つまり、もし何らかのクレーム要素に関して先行文献における説明がなければ、103条の拒絶が適切でない可能性があります。

実際そのような不完全なOAは滅多にありませんが、生成AIを使って機械的に数分で確認できるなら、検証する手間はかけてもいいと思います。

そこで、以下のようなアプローチをとって、簡単な確認作業を行いたいと思います:

  • ChatGPTで新規のチャット画面を開く(過去のやり取りが回答に影響することを防ぐため)
  • 提供するデータは、OAにおいてクレーム1とMPAKARISの比較が行われている箇所と、オリジナルクレーム1
  • この条件下でMPAKARISが開示していないクレーム要素を質問する

すでにOAを理解する作業において、審査官が指摘したMPAKARISが開示していないクレーム要素(a plurality of interconnected panels having support arms configured to engage a track)はわかっており、この欠けている要素はサブのHODGSONリファレンスで開示されていると指摘されています。

つまり、上記のようなアプローチをとれば、その回答がMPAKARISが開示していないクレーム要素(a plurality of interconnected panels having support arms configured to engage a track)となるはずです。

このような回答をOAに書かれているMPAKARISが開示していないクレーム要素やサブのHODGSONリファレンスに関する情報を与えずにChatGPTが自力で導き出すことができれば、クレーム1の要素がすべて先行文献で指摘されているのかが確認でき、また、ChatGPTの性能も確認できます。

それでは、上記のアプローチをおこなった際のプロンプトとChatGPTの回答を見てみましょう。

以下の情報は、ある特許のクレーム1とそのクレーム1を拒絶するOffice Actionの抜粋です。これらの情報から、MPAKARISが開示していないクレーム要素をクレーム1から抽出してください。まず最初にMPAKARISが開示していないクレーム要素を英語で示してから、その後に、日本語で説明を加えてください。

プロンプト全文はこちら

From the provided information, the element disclosed in Claim 1 but not taught by MPAKARIS is the **support arms configured to engage a track**. While MPAKARIS discusses a table element with a curved underside that can be guided and held by a track, it does not explicitly mention "support arms" as part of the desk’s configuration. This distinction may be crucial for patentability, assuming that the support arms contribute a novel aspect of the desk's functionality or structure that is different from what is disclosed by MPAKARIS.

Japanese translation:

提供された情報から、クレーム1に記載されているがMPAKARISによって開示されていない要素は**トラックに係合するために設定されたサポートアーム**です。MPAKARISは、トラックによって誘導および保持できる曲面の下側を有するテーブル要素について説明していますが、デスクの構成として「サポートアーム」を明示的に言及していません。この違いは、サポートアームがデスクの機能または構造の新規な側面を提供すると仮定する場合、特許性のために重要かもしれません。

この回答を見ると、ちゃんと「support arms configured to engage a track」の部分がMPAKARISが開示していないクレーム要素だと特定しています。これはOAで審査官が指摘したMPAKARISが開示していないクレーム要素(a plurality of interconnected panels having support arms configured to engage a track)と合致するものです。

この欠けている部分はサブのHODGSONリファレンスで開示されている点なので、このようなアプローチを取ることで、クレーム1の要素がすべて先行文献で指摘されているのかをチェックすることができました。

引用文献の確認

ここからは、先行文献として引用されたリファレンスについてもOAで具体的に指摘指摘された関連情報を中心に見ていきます。

MPAKARISリファレンスの理解

すでにOAやクレームの内容を理解するプロセスにおいて、メインの文献 MPAKARIS(WO 2021063809 A1)に関する理解度はある程度あると思います。

また、今回の発明内容は比較的わかり易く、MPAKARISの文献も主に図を見ることで理解できる内容なので、概要や図を簡単に見て、Fordの特許出願も参照しながら、引用された部分に注目して、クレーム要素の関連性を確認します。

今回検証しているFordの特許出願の図2MPAKARISの図1

関連性がありそうな図を比較すると、お互いに車内におけるテーブルやデスクに関する技術を開示していることがわかります。

またChatGPTによる以下のMPAKARISの概要の説明を読むと、テーブルが格納位置から使用位置に移動可能であることがわかります。

この発明は、車両(1)の内部に設置されるテーブル装置(T)に関するもので、この装置はテーブルエレメント(3)を含みます。このテーブルエレメントは格納位置から使用位置に移動可能です。発明によると、このテーブルエレメント(3)は車両(1)の前席乗客(2)のダッシュボード(4)領域に配置されています。また、格納位置にある際に前席乗客席に面するテーブルエレメント(3)の少なくとも一方の下側は、衝突時に荷重を分散させ、エネルギーを吸収するために設計された耐裂性のマイクロサンドイッチ材料(M)を含んでいます。

次に、OAを分析している時に作成した対応表を見ながら、参照されている部分を中心にMPAKARIS文献を見ていきます。

クレーム1の要素(英語)対応する引用文献:MPAKARIS(WO 2021063809 A1)の参照部分(英語)日本語による解説
A vehicle comprising a cabin interior;“The invention relates to a table device (T) for an interior of a vehicle (1), said device comprising a table element (3) that can be positioned from a stowed position into an in-use position.” (abstract)本クレームは、車両のキャビン内部を含むものです。MPAKARISには、車両内部に配置されるテーブル装置が記載されており、そのテーブルエレメントは収納位置から使用位置に移動可能です。
A trim panel component located in the cabin interior;“the table element (3) is disposed in the region of a dashboard” (abstract)トリムパネルコンポーネントがキャビン内部に位置するというクレームの要素に対して、MPAKARISではダッシュボードの領域にテーブルエレメントが配置されていると説明しています。
A desk supported on the trim panel component and movable between a stowed position on the trim panel component and a deployed position extending outward from the trim panel component;“See Fig.4 showing tray 1 in stowed position” and “See Fig. 1 of table desk 3 extending outward from panel in deployed position”トリムパネルコンポーネント上で支持され、収納位置から展開位置へ移動可能なデスクについて、MPAKARISでは図1と図4で、デスクが収納位置から展開位置へと移動する様子を示しています。
The desk comprising a plurality of interconnected panels configured to engage a track to wrap around at least a curved portion of the trim panel component;“The table element 3 has, corresponding to the circular arc-shaped guide F, by means of which the table element 3 can be guided and held, a curved underside.” (page 6, paragraph 6) Also see Figs 3-4デスクは複数の相互接続されたパネルを含み、これらは少なくともトリムパネルコンポーネントの曲がった部分を包むように配置されるトラックに係合するように構成されています。この構造に関してMPAKARISでは、テーブルエレメントが円弧状のガイドFに従って案内され、保持されると記述しています。
The desk operably moves along the track when moved between the stowed position and the deployed position.“See Figs. 3-5”デスクは、収納位置と展開位置の間でトラックに沿って操作可能に移動します。この動作について、MPAKARISでは図3から図5で示されています。

上の表を参照し、1つ1つ比較されている要素と、MPAKARIS文献、Fordの特許明細を比較して、主張されている類似性について注意深く観察してみました。

この部分は生成AIの力を借りる場面ではなく、知財プロフェッショナルとしてのスキルが重要になってくる場面だと思います。

疑問点を生成AIで深堀りしていく

私の結論としては、MPAKARISは関連性が高そうな文献ですが、「interconnected panels」の部分の対比が少し怪しく、MPAKARISにおけるtable element 3 (右図参照)がクレーム1で示されている「interconnected panels」(左図における30A-30Cの部分)に該当するのかは少し疑問に思えました。

今回検証しているFordの特許出願の図における30A-30Cの部分MPAKARISの図1

関連性がありそうな図を比較すると、お互いに車内におけるテーブルやデスクに関する技術を開示していますが、MPAKARISにおけるtable element 3 のパネル構造の詳細はこの図からはわかりません。

しかし、審査官は、OAでMPAKARISの図4に注釈を加えて、table element 3 がFord出願における「interconnected panels」に該当するようなことを示しています。

MPAKARISの図4におけるパネルの位置MPAKARISの図5におけるパネルの位置

ということで、「interconnected panels」の部分を注意深く見るために、関連図の図4と図5を参照したところ、審査官が「interconnected panels」と同等と示している部分は収納時と使用時の移動前後で特にお互いの位置関係が変わっていないような描写がされていました。

また、table element 3 が単独で表示されている図6には「interconnected panels」のような構造Mが描写されていましたが、明細書の関連箇所を見ると「力の分散、吸収、消散を実現するために、テーブル要素3の少なくとも下面は、特別に調整されたマイクロサンドイッチ材料Mで作られており、この材料は、比較的裂けにくい表面と、狙った方法で破損するコアを兼ね備えている。」というような、素材に関する限定のみで、M同士の構造的な関係性などはわかりませんでした。

関連する図からピンポイントで明細書の記載を探して読み込んでも、疑問点が解消しなかったので、英語翻訳されたMPAKARISの明細書全文を取り込んだ内容と共に、ChatGPTを用いてもう少し深堀りしてみました。

以下は特許明細書です。

以下の明細書の情報から、 table element 3が相互接続されたパネルで構成されているような表現があれば、その要約を日本語で示し、関連する文章を引用してください

プロンプト全文はこちら

この特許明細書に基づくと、テーブルエレメント3は、非使用位置から使用位置へ移動可能であり、車両内部の計器パネルの近くに配置されています。このテーブルエレメントは、非使用位置において乗客席に面する下側が、特定の衝突荷重分散とエネルギー吸収のために設計された引裂抵抗性のあるマイクロサンドウィッチ材料で構成されています。

特に、テーブルエレメント3は、その下側が曲線を描くガイドFに沿って移動することができ、乗客の膝上にほぼ高さ独立で配置されます。さらに、テーブルエレメントの下側には、乗客向けに熱が供給される表面加熱が組み込まれています。これにより、車両の全体を暖房する必要なく効率的に乗客を暖めることができ、電気エネルギーの節約と車両の走行範囲の拡大が可能になります。

乗客の膝部分に衝突時の負担を軽減するため、テーブルエレメントは「荷重分散板」として機能し、衝突によって乗客にかかる力を幾何学的及び材料的設計により分散、吸収、散逸します。具体的には、マイクロサンドウィッチ材料Mが使用されており、引裂に強い表面と目標とする方法で故障するコアを組み合わせています。これにより、乗客の膝周りの鋭い縁が出来ることを防ぎ、衝突時の膝への負担を少なくしています。

この回答を見ると、MPAKARISにおけるtable element 3の開示がまとめられていることがわかりますが、その中に相互接続されたパネルで構成されているというような表現はなかったようです。

この回答だけでははっきりしないので、再度「table element 3は相互接続されたパネルで構成されていますか?」と尋ねたところ、以下のような回答があり、MPAKARISの明細書内ではtable element 3が相互接続されたパネルで構成されているという明確な開示がないことがわかりました。

特許明細書に基づいて、テーブルエレメント3が相互接続されたパネルで構成されているという記述は見当たりません。テーブルエレメント3は、特定の衝突に関連する荷重分散とエネルギー吸収のために設計された単一の構造体として述べられていますが、それが相互接続されたパネルで構成されているとは述べられていません。

このように、先行文献を理解する上で、関連する箇所が簡単に特定できないけれども、特定のクレーム限定に関しての明確な開示があるかを調べるのに、生成AIを使って明細書内を「検索」するのは効率を向上させる上で有益な手段だと思われます。

このようにある程度検証はできましたが、総合的に見て、実際にこのinterconnected panelsの解釈に関する反論だけでは103条が解消できるほどの強い主張ではないと感じ、この点に関して審査官はOAで図入りでこの部分を説明していることもあるので、この時点では、実際に反論するかは保留にして次のステップとして、HODGSONリファレンスを見てみようと思います。

HODGSONリファレンスの理解

HODGSON(WO 2015123442 A1)に関しては、「Support arms configured to engage a track」の部分しか引用されていないので、簡単に見ていきます。

コンソールの物入れ部分の蓋が通る track (40) 対応する蓋のtrack (40)に対応するribs (48) 

HODGSONは、運転席と助手席の間にあるコンソールの物入れ部分の蓋とそのラッチ構造に関するもので、ribs (48) が track (40) にサポートされて、ドア部分がスライドするようになっているのが理解できます。

この構造は「Support arms configured to engage a track」という表現に合致するので、特に反論するような点は見当たりませんでした。

組み合わせの検討

MPAKARISとHODGSONの両方の引用文献の理解ができたところで、その組み合わせについて考えてみると、MPAKARISは変形可能なデスク、HODGSONは運転席と助手席の間にあるコンソールの物入れ部分に関する発明と違いは若干あるものの、どちらも車両の中におけるもので、その物理的な構造には共通点もあるので、これらを組み合わせてクレームされている要素を満たすことを達成するのはそれほど難しくないようにも思えます。

以上が、オフィスアクション対応を行う上で必要な事前知識と下準備の作業になります。代理人によってオフィスアクションへのアプローチはそれぞれ異なるので一概には言えませんが、どのようなアプローチであっても、まずはオフィスアクションと関連する発明と引用文献に対する一定の理解が必要です。

今回はその作業にAIを用いました。英語の情報を日本語で理解することで担当者の負担は一定数下がったと思います。しかし、普段の業務でもあるように、担当者が自分で作業したり、自分の頭で考えながら分析する箇所も多く、生成AIがすべての作業を自動で行ってくれるということではないことがわかったと思います。

次の検証記事では、最終回として今回理解した拒絶理由・引用文献・クレームを用いて生成AIを活用しながら実際にOAの応答書を作成したいと思います。

続きはこちら↓

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