NDA下の情報を悪用し陪審員が$91.3Mの損害賠償を認める

買収やライセンスに向けた話し合いの際、会社の重要情報を共有する必要が出てきます。そのときにNon-Disclosure Agreement (NDA)が結ばれますが、NDAの下で学んだ情報を悪用してしまうと訴えられ多くの賠償金を払う必要に迫られる可能性があります。

大企業がスタートアップの知財を悪用

問題は美容市場の大手 L’Oréal USA が hair care のスタートアップ Olaplex LLC の買収、または、製品のライセンスを検討していた時に始まります。Olaplex は交渉が始まった時は創業から1年たらずのスタートアップでしたが、L’Oréal が Olaplex から学んだ機密情報を使い NDA で禁止されていた模倣品を作ったと Olaplex が主張。L’Oréal は反論し、自社製品は独自に開発されたものだと主張しました。

訴訟で陪審員が$91.3Mの損害賠償を認める

これは訴訟に発展し、District Court for the District of Delawareで争われることになりました。訴訟の手続きが進み陪審員が下した結果は、L’Oréal に対しての$91.3Mの損害賠償でした。陪審員は、L’Oréal が Olaplex の機密情報を流用し、Olaplex の特許2つを故意に侵害、さらに、秘密保持契約違反をしていたと判断しました。

判事による差止命令と賠償金の軽減

陪審員の結果を受け、判事は訴訟の対象になった L’Oréal の製品9つに関してL’Oréal が販売を停止するよう差止を命令します。しかし、陪審員が下した賠償金額が多額と見たのか賠償金を $91.3M から $50M に引き下げました。

負けた L’Oréal は控訴と特許の再審査手続きへ

地裁で負けてしまった L’Oréal は地裁の判決をすでに控訴しています。また、訴訟になった特許に関しては特許庁における無効手続きを行っています。

教訓

NDA の下で学んだ他社の情報を悪用することは多くのリスクを伴います。特に知的財産を流用し類似製品やサービスを作るような行為は、後に多額の賠償金の支払いを命じられたり、製品やサービスの販売を禁止される可能性があります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Winston & Strawn LLP – Steven Grimes, Shannon T. Murphy and Tess Erickson Meyer (元記事を見る

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