使えるJDAガイドライン

顧客のニーズが多様していく中、社内のリソースだけでは魅力的な商品やサービスが作れなくなってきています。そこで、他社とコラボレーションとなる訳ですが、その際はNDAやJDAなどの契約も重要になってきます。そこで、今回はとてもいいガイドラインを見つけたので紹介します。

このガイドラインは、Hogan Lovellsという法律事務所が発行しています。NDAから始まり、JDAの規約のポイントなどがわかりやすく解説してあり、現実的なJDAの例もあるので、知財や法務の方でJDA担当の方には特におすすめです。今回は書かれている内容の一部を紹介します。

NDA: プロジェクトが始まる段階(つまりJDAの前)でも当事者同士は話し合う必要があるので、その段階では通常 non-disclosure agreement(NDA)が結ばれます。この段階ではJDAに向けた話し合いがもたれている段階なので、コラボレーションをすることは決まっていませんが、それでも、公になっていない情報を共有する際にNDAは有効です。

ガイドラインではNDAの目的を限定したり、NDA下でも発言に気をつけるなどの現実的なアドバイスが書かれています。

Term sheets: JDA(Joint development agreement)はNDAに比べて複雑なので、JDAを作成する前に、Term sheetのような簡略的なものを作って当事者同士で議論することがよくあります。

ガイドラインでは、Term sheetを作る時に話すべき項目のほか、Term sheetの内容が義務的なもの(Binding)にならないように注意する点などが書かれています。

契約時の当事者: JDAの場合、開発の一部委託や、発生する知財の権利者、グループ企業や子会社の協力などによって契約書に明記されるべき当事者が複雑になる場合があります。特に、知財のライセンスなどに子会社や関連会社も含むかは議論が必要になってくるでしょう。

コラボレーションの内容: 実際にどうコラボレーションしていくかということは、JDAの目的なので重要な点です。しかし、契約書の項目に直接コラボレーションの内容を記載すると後の変更等が難しくなるので、特に複雑なJDAの場合、コラボレーションの内容はStatement of Workとして契約書に付随する形で対応することがほとんどです。

運営: コラボレーションの内容も重要ですが、実際にどのようにコラボレーションを進めていくかも大事になってきます。担当者や決定権など場合によっては詳しく決める必要もあります。また、試験等で外注が必要な場合、どちらが責任を取っておこなうかなども決めておくといい場合もあります。

知財: 上記のようなコラボレーションの内容や運営は事業部が率先して交渉・決断する内容かと思いますが、知財は後回しになってしまう可能性があるので、ここが法務・知財の重要な担当になります。コラボレーションをするためのBackground IPのライセンス規約からコラボレーションで起こりうる新しい知財の取り扱いまで、見方を変えると実際のコラボレーションの内容よりも重要なことがらが含まれます。

ガイドラインではこの知財の扱いに関してわかりやすい例が図入りで解説されているので参考に為てみてください。特に、共同保有(Joint ownership)は契約を複雑にし、後々問題が生じる原因にもなるので、慎重に検討するべきでしょう。

ライセンス: 上記の知財とも関わりますが、ここでは開発された知財のライセンスや商用化について考えるところです。JDAの段階では商用化の話をする必要はありませんが、コラボレーションの時点で具体的な商用用途が決まっているなら、その際のライセンスの枠組みもJDAの時点で話すことも可能です。

JDAにおける秘匿義務やその他の規約: 定型文として見られがちで事業部の担当者の関心は低いですが、法務・知財の担当者はこのような規約も十分チェックする必要があります。特にJDAにおける秘匿義務の範囲、期間、内容など確認する点は多々あります。更に、JDAの有効期限や更新方法、破棄、補償など法務・知財が主導権を握って議論するべき点がJDAでも数多くあります。

まとめ

このガイドラインはよく書かれているので、JDAを担当することになったら是非参考にしてみてください。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: John Brockland. Hogan Lovells(元記事を見る

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