特許審査履歴解説:101条,102条,103条と112条(a)と(f)を1回の対応で権利化できた案件(Toyota)

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2022年8月9日に発行されたToyotaの特許の出願履歴から考察しました。101条,102条,103条と112条(a)と(f)と通常考えられるすべての拒絶理由が指摘された案件でした。しかし、(1)1つの従属クレームが条件付きで「許可可能」とされたこと、(2)OA対応の前のインタビューで101条以外の拒絶をすべて解消できたこと、(3)101条に関しても効果的な補正と主張がOA対応でできたこと、により、見事1回目のOA対応だけで、許可通知が送られていました。

ライセンス契約の「明確化」条項における意図しない解釈に気をつける

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ライセンス契約において “For clarity,” などの言葉を用いて条項の補足説明を行うことがよくあります。しかし、そのような「明確化」が意図しない解釈を生む危険性もあります。今回は、許諾条項に「ライセンス期間中に行われたライセンス活動はそのライセンス期間終了後も存続する」という明確化がなされていました。しかし、この条項の解釈が問題になり、裁判で争われることになってしまいました。

先行技術における記載の誤りは自明性を裏付けるのか?

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いままでの判例では先行技術における記載の明らかな誤りは無効開示になりませんでしたが、今回の LG Electronics v. ImmerVisionにおけるCAFCの判決はこの問題を再検討するものです。特に、この判例では、個別案件ごとの事実において、何が先行技術における「明白な」誤りなのかを判断するプロセスに関して説明しているものの、それと同時に、その判断の難しさを露呈しています。

連邦巡回控訴裁が「発明者」はAIではなく人間でなければならないことを確認

2022年8月5日、米連邦巡回控訴裁(CAFC)は、Thaler v. Vidalにおいて、米国特許法上の「発明者」は人間でなければならないと判決しました。この判決により、唯一の発明者がAIシステムである発明の特許保護が排除されることになります。AIは急速に発展しており、本判決は、知的財産権という大きな枠組みにおけるAIの役割について判断する最初の判決になると思われます。

矛盾はダメ:PTOが開示義務および合理的な照会義務に関する通知を発行

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米国特許庁(PTO)は2022年7月29日、”Duties of Disclosure and Reasonable Inquiry During Examination, Reexamination, and Reissue, and for Proceedings Before the Patent Trial and Appeal Board “と題する通知を発行しました。この通知はPTOに対して、「(PTO)および他の連邦機関に提出された書類の中で特許出願人が不適切な矛盾する記述をするのを減らすために措置」の一環です。