特許審査履歴の解説をスタートしました

毎週火曜日に発行される新規特許の中から厳選した特許の審査履歴を見て、独自の視点からコメントをして解説していきます。実際に特許庁での審査を経て、権利化された案件について公開されている生の情報に触れつつ、重要と思われる部分をピックアップし、実際に皆さんが行っている業務に役立つ情報とデータポイントを提供していきます。
省庁によるSEPに関わるFRANDライセンスの政策の廃止で見えてくる今後の課題

2022年6月8日、司法省、USPTO、米国標準技術局(NIST)(以下、省庁)は、FRANDライセンスに関する新しい声明(2022声明)を発表し、特許権者に利益をもたらすべき標準必須特許(SEPs)に関する一定の方針を示さないことを明らかにしました。
デザイン特許がより便利に?消費者の混乱の恐れで差し止めに必要な回復不能な損害が示せるかも

差し止めで重要になってくる回復不能な損害(irreparable harm)を示すにあたり、侵害品の販売による消費者の混乱を主張するのは良い手段かもしれません。特に、デザイン特許のような見た目で判断がつくものであれば、今後、そのような主張により侵害品の取締ができる可能性が高くなるかもしれません。
PTABにおける決定の一貫性向上を目指した回覧プロセスが始まる

2022年5月26日、特許庁は「PTAB Decision Circulation And Internal PTAB Reviewのための暫定プロセス」を発行しました。このプロセスは、発行前の決定書のPTAB内における回覧に関するもので、オープンな意思決定を促進し、任意ですがこの回覧で得られたフィードバックを担当審査官は決定書に反映することができます。このような回覧プロセスを追加することで、PTABにおける決定書の一貫性の向上を目指します。
訴訟の対抗策としてのIPRであっても任意性があるため弁護士費用は認められない

連邦地方裁判所は、訴訟の被告が当事者間審査手続(IPR)において問題となった特許の無効化に成功した場合であっても、35 U.S.C. § 285に基づく弁護士費用を受けられないということを示しました。裁判所は、IPRは被告人侵害者が自発的に開始したものであるため、IPRに関する作業は、§285の目的である特許侵害「事件」ではないと説明ました。