知財IR活動

今回、知財の意識と理解のギャップに関する記事を紹介しましたが、そこにビジネスチャンスがあると思い、大々的に自社の知財活動を投資家にアピールして会社の時価総額に貢献するという取り組みはどうでしょうか?

たまに企業のIR(Investor Relations)資料を見る機会があるのですが、大規模な特許ポートフォリオを持っている会社や積極的に他者に技術協力(business solutionなどの事業で自社技術を他者のブランド製品の一部として提供。例えば、スマホメーカーとカメラレンズ会社のコラボ製品や、音響メーカーとIoTメーカーのコラボ製品など)している会社でさえ、投資家向けの資料で大々的に知財の重要性や戦略を語っていません。

せっかく多くのリソースを割いて知財を構築し、しっかりとした戦略もあるのに、それを投資家に伝えないのはどうなのか?と思います。特に、知財が会社の資産の大半を占めるようなテクノロジー企業が、なぜ知財に関する成果と計画を投資家やステークホルダーに説明していないのか?個人的に疑問です。

でも、逆に考えれば、自社の知財をちゃんと投資家にアピールできるのであれば、注目され、それは新しい投資につながり、会社の時価総額向上に貢献できるのではないでしょうか?

「知財をどう投資家に見せるか」は会社によって違うと思いますが、今回のトピックを書くときに見つけた例をいくつか紹介して終わります。

KONICA MINOLTA Intellectual Property Repor

Sharp R&D and Intellectual Property

Manitowoc  (工業リフト) Intellectual Property

Acacia Research (Publicly Traded Non-Practicing Entity) INVESTOR RELATIONS

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