知財ウェビナーの自由価格化

最近は新型コロナウイルスの影響でウェビナーを行うところも増えてきましたね。面白そうなトピックもありますが、ウェビナーは最低でも1時間かかるし、ライブ参加が求められると、参加者の時間の取り合いが起こります。そこで一目で質の高いウェビナーだとアピールする方法はないか考えてみました。

無料が多すぎてどれがいいものなのかわからない

肌感覚ですが、知財系のウェビナーの9割が無料で1割が有料(セミナー形式で先払いの定価サービス)だと思います。そして、最近増えたのは圧倒的に無料のウェビナーの方。

こうなってくると、お金を払わなくてもウェビナーを通して勉強できる機会は増えますが、その一方で、ユーザーがどのウェビナーに参加する価値があるのかを判断するのが難しくなってきていると思います。

通常は、テーマや講師、登録サイトに書かれている詳細で決めると思います。それはそれでいいんですが、そこに書かれている情報だけでは質が補償されているかわかりません。実際に、参加したけれども内容が意外に薄かったとか、結局は主催者側のマーケティングだったとか、具体的に業務に活用できることは何もなかったという結果に終わり、ユーザーさんの時間を奪ってしまうだけのウェビナーも少なくありません。

しかし、本当に役に立つ情報をウェビナーで提供しているのであれば、上記のような時間搾取のウェビナーと差別化するために、情報の質を明確に示してみてはどうでしょうか?

参加した後に価値を決めてもらう

やり方は簡単で、0円でウェビナーに参加してもらった後に、参加者一人ひとりにウェビナーの価値を決めてもらうのです。自由価格制度という仕組みですね。わかりやすい例を上げるとアメリカのレストランでのチップみたいな仕組みです。

無料のウェビナーが多すぎてどれがいいかわからない状況で、自信があるキラーコンテンツを提供するなら、自由価格をウェビナーに取り入れることで、見込み客にとって一目で講師の本気度がわかります。

ウェビナーを提供する側も、もちろん無料でもちゃんと作り込むと思いますが、後で価値が直接お金の単位で評価されるのであれば、もっといいものを作る努力をするはずです。

ウェビナーの反響が明確にわかる

自由価格ということは、当然、ウェビナーが終わった後に、お金を支払わないで去る人、100円しか払わない人、1000円払う人、3000円払う人など様々な人がいて、はっきりと数字で見えてきます。

お金を徴収しなくても、ウェビナーツールには参加者のエンゲージメント率を視覚化するメトリックなどはありますが、それよりも、貴重な時間を使ってウェビナーに参加してくれたユーザーの主観的なデータ(今終わったウェビナーは自分にとってどのくらいのお金を支払うだけのものだったか)の方が何百倍も意味があります。

コンテンツを作成して配信する僕たちクリエーターにはフィードバックが大切です。ある一部の人は、コンテンツを作業というか自分のエゴで作っていて、見てもらっている人の興味や活用にあまり関心を持っていない人もいますが、そのような態度だとどうしてもいいものはできません。

日本人ははっきりと意見を言うことは少なく。アンケートをお願いしても、「表面的な」ことしか言わない人も多く、参考にするには気をつけないといけません。

しかし、自由価格は違います。参加者の内、何人がお金を払わずにウェビナーを終えたか、払った人はどれくらいの金額を払ったかという、究極のユーザー視点での評価が得られ、終わった後すぐにウェビナーの価値が「お金」という最もはっきりした指標で分かります。

これだけはっきりとした指標はないですよね。

これからは何でも評価される評価社会になってきます。厳しいようですが、評価されないものは継続してやっても意味はありません。

自分の仕事がはっきりとした数字ですぐにわかるのは厳しくもありますが、参加者の時間を投資してもらっているので、ウェビナーを行う主催者側はちゃんとした対価があることを示さないといけません。そんな思いでウェビナーコンテンツを作れば、気合いが出て、無料だったら超えられていない自分の中の壁を超えられはずです。

面白い実験もできる

このように自由価格を取り入れることで、話す側も聞く側もよりウェビナーから得られるものが増えるのですが、自由価格のいいところはそれだけではありません。

おもしろい実験もできるのです。

例えば、支払い画面で3種類の価格例(100円、1000円、2000円)を出したら、ユーザーはどう反応するでしょう?

ウェビナーの終わりのメッセージ性によってもらえるお金は変わってくるのでしょうか? 例えば、「もちろん価値を感じなければ0円と評価してもらってお支払いしなくても問題ありません。」と渾身のウェビナープレゼンテーションの終わりに言ったら、参加者はどういう反応を示すでしょうか?

今回私が提唱しているアイデアの根底にあるものは、ウェビナーの情報の質と払ってくれるお金が相互関係にあるというものですが、上記のようメッセージをすることで、参加者の「慈悲」が働いて、実際のウェビナーの質とは関係ないところでお金を支払う動機付けが与えられるかもしれません。

こんな面白い実験はなかなかできないので、考えるだけでもワクワクします。

まとめ

個人の発言力が増してきたので、無料だから良くないという概念はなくなりました。しかし、無料情報があふれる中、投資する時間に見合った情報が得られるのかを簡単に見極めることがでない状況では、優良コンテンツでも他の粗悪なコンテンツに紛れてしまいます。そこで自由価格を取り入れることで情報の「質」を担保し、参加してもらう前から差別化することができます。

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