特許データ分析を行うLex Machina社が2017年の特許訴訟に関するレポートを発行。その中でも、TC Heartland事件による裁判地の変更の影響が大きく見えた。
2017年の春、最高裁はTC Heartland事件において既存の裁判地のルールに関する解釈を変更(詳しくは関連記事を参照)。この変更により、最も人気があった裁判地E.D. Texasにおける特許訴訟数がTC Heartland事件以前にくらべ50%減。一方、税金などの関係上、米国企業の法人登録が多いDelaware州では、特許訴訟数がTC Heartland事件以前にくらべ70%増。Central California, Northern California また New Jerseyにおける訴訟数も増加。
また、別の視点で見てみると、TC Heartland事件以降、全体の13%にあたる特許訴訟がEast Texasで起こされ(33%からの大幅減)、全体の23%がDelaware州で起こされ (13%からの大幅増)、残りの63%は他の管轄で起こされた (54%から増加)。13%という数字は、大きくEast Texasは重要な裁判地の1つだが、過去のような絶対的な地位にはおらず、他のDelaware, California, Chicagoや他の裁判所における特許訴訟数が上がるにつれて、East Texasが占める割合も減少していくことが今後予想される。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者:R. David Donoghue. Holland & Knight LLP