Court of Appeals for the Federal Circuit(略してCAFC、アメリカ連邦巡回区控訴裁判所)
は、2017年、 MERCK SHARP & DOHME CORP. V. HOSPIRA, INCにおいて、先行例との差が習慣的に行われる作業に関する詳細の違いでしかない場合、対象特許は自明であるとした。
先行例に開示されていなくとも、特許の特徴が、当業者(a person with ordinary skill in the art)が習慣的に行っている実験からわかるような作業方法に関する詳細の違いの場合、その方法特許は自明であるとした。
自明性を否定するために特許権者は、商業的な成功(evidence of commercial success )や模倣品の存在(evidence of copying)などの二次的考察の証拠(Evidence of secondary considerations)を提出する場合があるが、それらの証拠は対立する自明性の証拠と比較される。つまり、二次的考察の証拠があるからといって、自動的に自明性を否定できるわけではなく、二次的考察の証拠と自明性の証拠を天秤にかけて、どちらが勝っているか比較される。
今回の訴訟で問題になった対象は、ジェネリック医薬品だ。地裁では対象医薬品は特許を侵害するとしたが、同時に、自明性により特許は無効だと判断し、CAFCでも自明性による特許無効の地裁判決を支持した。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者: Tonya Gray, Crystal Jamison Woods and Qi Zhao. Andrews Kurth Kenyon LLP