このニュースレターでの何回か記事を取り上げてきたRPXがシリコンバレーのプライベート・エクイティ・ファンドHGGCに買収されました。RPX Corporationのサービスには、特許リスク管理ソリューション、防衛的買収の引受の申出、引受買収(シンジケーション)、特許情報戦略(インテリジェンス)、アドバイザリー・サービスなどがあります。RPXのような組織の目的は、NPE(パテント・トロールとも呼ばれる)組織から、顧客が訴えられるリスクを軽減することです。
HGGCは多くのテクノロジー企業があるPalo Altoをベースに活動しているプライベート・エクイティ・ファンドで、ウェブサイトによると$4.3 billionもの資本コミットメントを行っているとのことでした。HGGCは多くのテクノロジービジネスのポートフォリオを持っていますが、特許系の会社を買収するのははじめてです。
2017年に株式を非公開にするように動いた元CEOが取締会に反対されてから、身売りをするのでは?というニュースが流れていました。しかし、アメリカにおける特許訴訟数の減少やNPEによる脅しが減少していく中、RPXの存在価値や長期的な事業の安定性に疑問視する専門家も何人かいました。大口顧客だったMicrosfotが契約を更新しなかったことを受け、今後も他の大企業がRPXを離れていくことが予想されます。
HGGCのコメントを見ると、RPXのコアビジネスをサポートして事業を成長させていくようです。$555millionという数字は、RPXの投資者から見ると低い金額ですが、すべて現金で行われるので、今後の見通しが立てづらい特許市場での投資の回収という面ではまずまずではないかと思います。特許市場は日々変わり予想が立てづらい市場なので、今後どのようにHGGCとRPXが事業を行っていくか注目です。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者:Richard Lloyd. IAM
http://www.iam-media.com/blog/detail.aspx?g=9bfb96b1-7b68-4183-a672-0295ca35f179