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PTABの期限超過の判断が上告可能に

Court of Appeals for the Federal Circuit(略してCAFC、連邦巡回区控訴裁判所)の大法廷(en banc)は、2018年、Wi-Fi One, LLC v. Broadcom Corp., において、IPRが期限までに申請されたかという点についてCAFCに上告可能だという判決を下した。

大法廷(en banc)− 通常CAFCでは判事3人で審議するが、判事全員で審議することを大法廷(en banc)という。

Inter partes review (略してIPR)− アメリカ特許庁(USPTO)の審判部(Patent Trial and Appeal Board: PTAB)における第三者が申し立てできる特許無効手続の1つ。

この事件では、IPR手続きに対する条文35 U.S.C. § 314(d)と§ 315(b)が問題になった。

  • 315(b): “an inter partes review may not be instituted if the petition requesting the proceeding is filed more than one year after the date on which the petitioner, real party in interest, or privy of the petitioner is served with a complaint alleging infringement of the patent.”
  • 314(d): “[t]he determination…whether to institute an inter partes review under this section shall be final and nonappealable.”

この事件の背景:2013年BroadcomがWi-Fi Oneの特許に対してIPRを申請した。これに対して特許権者であるWi-Fi Oneは、Broadcomは対象特許の侵害訴訟の被告と1年以上利害関係の間柄(privy)であり、Broadcomは§ 315(b)で定められている期限までにIPRを申請していないためIPRは行われるべきではないと主張。しかし、PTABはWi-Fi Oneの主張を受け入れなかった。

このような背景の中、1つ前の条項、§ 314(d)における上訴不可(nonappealable)が§ 315(b)におけるPTABによる期限超過の判断にも及ぶのかが問題になった。

この問題に関して、PTAB、そしてCAFCの3判事は判例である最高裁のCuozzo Speed Technologies, LLC v. Lee, 136 S. Ct. 2131 (2016)などを理由に、§ 314(d)における上訴不可(nonappealable)が§ 315(b)にも及ぶと判断した。

しかし、大法廷では判事の意見が分かれたが、多数派(9対4)は、35 U.S.C. § 314(d)の上訴不可(nonappealable)という部分を狭く解釈した結果、IPR提出期限が定めたれている別の条文35 U.S.C. § 315(b)には§ 314(d)の上訴不可が適用されないとし、Wi-Fi Oneの主張が認められた。

少数派は、IPRを開始するか(institute)というPTABの判断は上訴できないので、35 U.S.C. § 315(b)で示されている期限超過に関わるPTABの判断も上訴できない(nonappealable)とした。

この判決は、司法機関であるCAFCが行政機関であるPTABの決断をより詳しく再検討する判例を作った。このような判決により、PTABの判決に対する上訴が増え、結果的に判決の長期化とIPRのコストが上がることが懸念される。また、§ 314(d)の上訴不可の適用範囲がどこまでおよぶのか訴訟で争われることが予想される。

まとめ作成者:野口剛史

 

元記事著者:Scott W. Doyle, Jonathan R. DeFosse, Robert M. Masters, Timothy P. Cremen and Kevin A. Ryan. Fried Frank Harris Shriver & Jacobson LLP http://www.friedfrank.com/index.cfm?pageID=25&itemID=7977

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