ほとんどの大学ライセンス事業は儲かっていない

特許訴訟で大学が企業から多くの賠償金を得たというニュースはいくつかあるが、大学全体で見ると、ライセンス事業で儲けている大学は一握りで、ほとんどの大学はライセンス事業で儲けていない。

 

また、特許数が多いからと言ってライセンス収入が多いというわけではない。特許保有数で最多を誇るUniversity of Californiaは453件の特許を保有しておりダントツの一位だが、University of Californiaのライセンス収入は、特許保有数22番目で特許を84件しか持っていないNorthwestern Universityのライセンス収入よりもはるかに少ない。

 

2012年のレポートによると、16の大学が大学全体のライセンス収入の70%を占めているという結果だった。年を追ってもトップ20大学の入れ替わりはほとんどなく、大部分の大学では、ライセンス事業を行うTechnology Transfer Office (TTO)の運営にかかる費用がライセンス収入を上回り、赤字になっている。

 

アメリカでは、 税金を使って行われる研究に対する特許も大学が保有できる。法律事務所Goodwinのレポートでは、公的な資金が使われた発明に関する特許を大学が保有することで、大きな経済効果があったと発表している。

 

しかし、大学で行われるような基礎的な研究の場合、最初の発見から経済的な恩恵を受けるまで長い年月がかかる。大学のTTOで働く職員の記事によると、大学の特許の約5%たらずしかライセンスできていないというのが現状のよう。

 

大学は既存の戦略を変えるべきか?TTOを中心に活動するべきなのか?積極的にスタートアップ企業を作っていくべきなのか?専門家でも大学におけるライセンス事業の戦略において意見が別れている。

 

研究は大学の大切な役割であるので、「ライセンス事業で儲ける」というのは「おまけ」なのかもしれない。

 

まとめ作成者:野口剛史

 

元記事著者:Adam Hayes. Morningside IP

http://www.ipwatchdog.com/2017/11/20/universities-patent-research

ニュースレター、公式Lineアカウント、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

公式Lineアカウントでも知財の情報配信を行っています。

Open Legal Community(OLC)公式アカウントはこちらから

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

laptop-typing
企業機密
野口 剛史

教訓:企業機密は漏れる前の対策が大切

企業機密における対策はOLCでもいろいろと取り上げてきましたが、やはり企業機密が漏れないようにする日々の保護体制が一番大切なポイントです。今回のAbrasic 90 Inc. v. Weldcote Medals, Inc.のように、保護をする姿勢が全く見れないと会社に重要な情報が盗まれ悪用されても法律による保護の恩恵が受けられない可能性があります。

Read More »