2018年4月26日に、USITC (the US International Trade Commission)が 337条調査のルールを改定しました。この改定はFederal Register noticeで公布(近日中)された後、30日後に有効になります。おさらいになりますが、337条調査において、ITCには不正行為によってアメリカに輸入されたものを調査します。 この調査の主な対象は特許侵害ですが、企業機密の横領や、商標、著作権、mask worksや他の知財の侵害や不正行為も含みます。
今回の改正の注目する点は4つあります。
- 100日間手続きの追加:この手続きにより、administrative law judge (“ALJ”) が比較的簡単に解決できる問題に対し調査開始から100日以内に結論が出せるようになります。この手続きにおいて、早期公判(expedited hearings)が行え、対象の問題以外のディスカバリーを一時中断することができます。
- 調査の複数手続き:調査が開始される前、または調査が始まってから30日以内であれば、当事者の申し立てにより調査を複数の手続きに分けることができるようになります
- 召喚令状への抗議:召喚令状(subpoena)が送られた関係者が、10日以内(または、ALJが定めた日にち以内に)その召喚令状に対する抗議ができるようになりました。
- 電子化:ITC調査に関わる書類の提出や送付が電子的にできるようになりました。
このようなルール改正で、ITCはさらなる337条調査の合理化を図っていきます。特に試験的に導入されていた100日間手続きが正式にルール化されたことにより、無駄な手続きを排除して、比較的簡単に解決できる問題に対して100日以内に判決が下ります。100日手続きは、特定の問題に対する公判(evidentiary hearing)が行われた後に判決が下るので、ITC調査の序盤における活動が活発になることが予想されます。この100日手続きは、比較的簡単に解決できる問題に対して早期に判決を下すことで、早期の和解を促すことでしょう。
また、調査を分けて複数の手続きにできるようにすることは、複数の異なった技術が対象になった調査を整理、整頓することで、手続きが合理化されるようになると予想されます。しかし、このように複数の手続きに分かれてしまうと、各手続きごとに予定が建てられ、複数のディスカバリーや公判が違う時間軸で行われる可能性もあります。この変更は、事前に準備ができる申立人に有利な変更だと考えられています。
他の変更は、service, objections, subpoena practicesの簡素化を図っています。これは、すでに早いペースで動いているITC調査をさらに早くするものです。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者:Kevin M. O’Brien and Christine M Streatfeild McIsaac Baker McKenzie