最近は日本でも知財動画コンテンツが増えてきました。それはうれしいことなのですが、これから先を考えて、ちゃんと対価が取れるコンテンツの開発とそれを支えるプラットフォームについて考えてみました。
注目している日本の知財動画コンテンツ
友達でもあるマクスウェル国際特許事務所パートナーの加島広基先生が毎週YouTubeで知財実務オンラインというコンテンツを配信しているし、知財情報コンサルタントの野崎さんもYouTubeでスキルアップのための情報を配信中です。
コンテンツでの成功モデルはDaiGoモデル
このように知財業界でもクオリティの高い動画コンテンツを配信していく動きはうれしいのですが、正直、適切な対価が支払われるようになれば、もっと参入するところが増えてきてクオリティの高いコンテンツが作れると思っています。
そこで、すでに成功しているDaiGoさんのやり方を考察してみましょう。DaiGoさんのYouTubeメインチャンネルは214万人ものフォロアーがいます。しかし、もっとすごいのはニコニコチャンネルの月額有料会員数でDaiGoさんが1位で月額有料会員数8万人。このプレスリリースは1年以上前なので、有料会員数はもっと伸びていると思います。
つまり、DaiGoさんはYouTubeの広告依存型の収益ではなく、コンテンツ自体に価値を見いだしてくれる人をYouTubeのフォロアーからニコニコに誘導して安定した収入源を確立しています。
これは、DropboxやEvernoteなどにも使われている無料と有料を合わせたFreemiumビジネスモデルですね。DaiGoさんは無料動画(YouTube)+有料動画(ニコニコ)でこのビジネスモデルを活用しています。
アメリカでも一部ビジネス系(知識系)YouTuberも同じようなサービスを展開しています(https://watchnebula.com/ とか https://curiositystream.com/)。
知財動画コンテンツビジネス
知財コンテンツでもこのFreemiumビジネスモデルを活用して、無料コンテンツで人を集め、より深掘りしたコンテンツには対価を払ってもらうシステムがコンテンツを作る方にも、また、消費する方にも健全でサステイナブルな形だと思います。
理想としては、複数のコンテンツクリエーターに協力してもらい、有料サイトはサブスクリプション型にして、人気に応じて還元するシステムを確立するのもいいかも。
有料サイトで稼いだお金は、話はうまいが動画に弱い人のために動画編集のサービス提供や、英語や他言語のコンテンツも日本語化できるローカライゼーションなどに使うのもいいですね。
人気講師の弁護士の方には有料サイトををマーケティングチャンネルとして活用してもらい、生放送やQ&Aもできるようにしてエンゲージメントを増やすこともできると思います。
TLCの「実験室」としての役割
とは言っても、動画コンテンツを作るのは大変です。そして、YouTubeで人を引き寄せるのも大変。そして、まだコンテンツの正解がわからないまま、いきなりYouTubeで動画配信を始めても試行錯誤をしている内に挫折しそう。また、成功例がないので、他の知財コンテンツクリエーターさんの協力を得るのも難しいと思います。
そこで、TLCが重要な役割を果たしてきます。
YouTubeなどのオープンなプラットフォームでアイデアを検証するには多くの時間がかかるので、動画コンテンツの開発をTLC内で行うのです。
TLCにはすでに知財プロフェッショナルさんが集まっているので、その中でどんなネタが受けるか、どんな見せ方がいいのか、Freeと有料の境目はどこで切るのかなどをメンバー対象に実験して、ノウハウを確立し、コミュニティ内でアイデアが実証されてから、外の世界に持っていけばいいのです。
このように内々のコミュニティで実験することで素早くほしいフィードバックが得られるので、検証がものすごい早さでできます。そして、YouTubeにアップする時にはすでに「面白い」動画にするコツがわかっているので、量産して一気に注目を集めればいいのです。
TLCはアメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる今までにない新しい会員制コミュニティです。
しかし、専門コミュニティという特製を活かして、このような新しいビジネスアイデアの検証にも積極的に使っていく予定です。もちろん、メンバーになれば、このプロジェクトに参加することも可能です。
現在第一期メンバーを募集中です。詳細は以下の特設サイトに書かれているので、よかったら一度見てみて下さい。