[製薬限定?]役に立つ薬がなくなることは公共の利益を害さない?

Court of Appeals for the Federal Circuit(略してCAFC、アメリカ連邦巡回区控訴裁判所)は、2017年、Amgen Inc. v. Sanofi (Fed. Cir. 2017) において、差し止めを判断する際に、独自に開発された役に立つ薬を市場から排除することは、公共の利益を害する理由にはならないとした。

 

差し止め(injunction)—  米国特許法283条で定められていている救済措置の1つ。「衡平の原則」(principles of equity)という考え方に従って、特許侵害を防止するために対象製品に対して裁判所が差止命令を出すことができる。差し止めが認められるには、2006年に最高裁がeBay, Inc. v. MercExchange, L.L.C.において示した以下の4つの要件を満たすことが必要:

  1. 特許権者が回復不可能な損害(irreparable injury)を被っていること
  2. 制定法に基づく救済が損害を補償するのに不十分であること(remedies available at law are inadequate to compensate for that injury)
  3. 原告と被告の不利益のバランスに照らして、差止めが必要とされること(considering the balance of hardships between the plaintiff and defendant, a remedy in equity is warranted)
  4. 差止めによって公共の利益が害されないこと(the public interest would not be disserved by a permanent injunction)

 

製薬の場合、差し止めは侵害の恐れがある対象医薬品を市場から排除することになる。それは、対象医薬品が買えなくなり、国民の選択が狭まることを意味するが、その選択の狭まり自体が、自動的に差し押さえの4つ目の要件「差止めによって公共の利益が害さる」ことにはならないとした。

 

たとえ対象医薬品が独立に開発されていて(特許侵害の場合、対象が模倣品や意図的な複製品である必要はない)、処方されている患者の役に立っていても結果は変わらないとした。

 

この判例は、最高裁判例のeBay事件や特許法35 U.S.C. § 271(e)(4)(B)に反する判決で、医薬品の差し止めを困難なものにした。

 

まとめ作成者:野口剛史

 

元記事著者:Kevin E. Noonan, Ph.D. McDonnell Boehnen Hulbert & Berghoff LLP

http://www.patentdocs.org/2017/11/amgen-inc-v-sanofi-fed-cir-2017.html

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