テクノロジーが進化し、より安価に便利なツールが増えることで、企業スパイとの戦い方も変化しつつあります。「企業スパイ」(corporate espionage)といっても様々な形があり一概には言えませんが、スパイは会社で長年かけて培った財産を横領し、悪用することを目的としているので、未然に情報の流出を防いだり、防げなくとも、速やかに情報の流出を確認できるようにすることが大切です。
スパイ行為には幅広いものが当てはまりますが、デジタル時代特有の以下の点については、特に注意が必要です:
- 従業員が家から働くようになった、または、外出が多くなった
- 従業員の残業が多くなった、オフィスまたはリモートからのコンピューターへのアクセスが顕著に増えた
- 従業員が顧客と会うが、会社に議事録を提出しないことが増えた
- 従業員が直接関わっていない案件について詳しく知っている
- 従業員が不満を言うようになったり、突然態度を変え始めた
- 書類やファイルがオフィースからなくなった
- 従業員が突然やめた
- 従業員が退職前の面接を拒否、または、退職後の進退について話すことを拒む
上に示した行動は、1つ1つを見るとそれほど大した問題には見えませんが、今後の企業スパイに関する調査の対象になるような行為である可能性もあります。
企業スパイによる被害を未然に防ぐために、いくつかの会社では、監視ソフトウェアに投資をし、一見なんでもないような行動も監視できるようにしています。監視ソフトウェアを使うことで、以下のようなことを検知、監視できます:
- 個人メール宛に送られるメール
- Dropboxや他のFTPへのファイルアップロード
- 会社ファイルのUSBメモリーや外付けハードディスクなどへのコピー
- 制限されている機密電子ファイルへの不正アクセス
- 不自然な電子データへのアクセス(顧客データへの過剰なアクセスや不必要なアクセス)
もし退社した従業員の行動に疑問がある場合、その従業員が使っていたパソコンやその他電子機器は法廷で証拠となり得るよう、適切なプロセスを踏んで証拠を保全する必要があります。
特に、デジタル時代の今日、以下のような情報の保護は必須です。
- 顧客データ
- ビジネス・プロセス情報
- 知的財産
- 財務情報
- 入札、料金設定
- 従業員に関わる情報
- 業界特有の情報
企業スパイは、今日において、どの会社でも起こり得る問題です。企業スパイの前兆や価値のある情報がどのようなものかを知ることで、企業スパイを未然に防いだり、もし起きた場合でも、迅速に対応ができます。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者:Adam A. Brown. Fisher Phillips
https://www.fisherphillips.com/Non-Compete-and-Trade-Secrets/combatting-corporate-espionage-in-the-digital-age#page=1