提携会社によるデータブリーチリスクのアンケード調査

2018年11月, Ponemon Instituteという会社が1000以上のITセキュリティ専門家から得られたアンケート調査を元に提携会社によるデータリスクに関するレポートを発表しました。このレポートによると、提携会社によるデータブリーチへの関心は高いものの、実務的なレベルでの対応策が後れています。

今回発表されたレポートはここから入手できます。このレポートは、機密情報や取る扱いが難しいデータを提携会社などの第三者と共有する際の様々な課題についてのアンケート調査結果が紹介されています。

ビジネス全体で見ると会社単体で完結するのではなく、他社とコラボレーションする必要が出てくる場面が多くなってきており、このような共有したデータの取り扱いに関する問題は必然的な流れとも言えます。OLCでも過去に企業機密などに関して同じ共有リスクを指摘した記事を紹介しています。

業績が伸びている企業は提携会社の管理を重要と考えていてリソースの割り当ても行われているが、多くの会社ではまだ体系的な対策が取れていないというアンケート結果でした。

また、59%の回答者が第三者によるデータブリーチの被害があったと回答。しかし、34%の会社しか会社の機密情報や取り扱いが難しいデータを共有しているすべての会社のリストをもっていないと回答。

このような状況にもあってか、35%の回答者しか現在の第三者リスクマネージメントは有効であると回答しておらず、39%の回答者しか取締役への定期的なレポートを行っていないことがわかりました。

また、アンケート回答者の42%しか第三者のリスク管理体制を確認していない状態で、54%は提携している会社のプライバシーやセキュリティ対策を全く評価していないということでした。

まとめ

このようにビジネスを行う上でデータを共有する会社が多くなるにつれ、事前に提携会社によるデータリスクマネージメントをおこなっていく必要があります。特に、提携時に提携予定先がどのようなプライバシーやセキュリティ対策を行っていて、自社のものと同様程度の対策を取っているのかの確認と自社のデータがどのように管理されていくのかを確認する必要があります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Steven Grimes and Shannon T. Murphy. Winston & Strawn LLP(元記事を見る

ニュースレター、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

Line
ビジネスアイデア
野口 剛史

LINEを新規顧客獲得の窓口に

LINEで「ミニアプリ」というサービスが7月から始まりました。このサービスとLINE公式アカウントを併用して、事務所の新規顧客獲得の窓口の1つとして活用するのはどうでしょうか?

Read More »
訴訟
野口 剛史

用語の解釈では明細書内における記載が辞書よりも優先されるべき(前例変わらず)

米国連邦巡回控訴裁(CAFC)は、クレーム解釈における内在的記録(intrinsic record)と外在的記録 (extrinsic record) の間の問題を取り上げ、内在的記録が最初に依拠されるべきであるとしました。従って、同裁判所は、辞書の定義と専門家の証言に基づき不明瞭(indefiniteness)を認定した連邦地裁の判決を覆しました。

Read More »