新型コロナショックを生き抜くために

新型コロナショックで多くのビジネスが危機に瀕している中、テクノロジー企業や特許事務所も例外なく打撃を受けることでしょう。今、注目されている飲食店やイベント会社、旅行会社ほどではないにしても、影響はあるので、対策を考えないといけません。

アメリカの現状

事実、アメリカの事務所はすでに生き残るためにスタッフの一部を一時的に解雇(furloughed)したり、給与労働時間を制限したりしています。今のところ、一時解雇は、受付やサポート部門、資料整理などを行っているスタッフが多く、一時解雇の期間が2ヶ月や3ヶ月というのが一般的で、減給の範囲は10%から20%程度のところが多く、時間制のところの労働時間の制限は20%程度が一般的です。このような情報が毎日3~5事務所から来ます。このような情報が入ってくるのは大きな事務所だけですが、規模の小さい個人や数人規模の事務所でも同じようなことが(もっとすごいかもしれませんが。。。)起こっていると思います。

まずは現金

このようなアメリカの状況を見ていると当面は、キャッシュを持っているところが一番強くなってきます。まさに、今は「キャッシュ・イズ・キング」の時代ですね。現在赤字になっている事業は即ストップするか、できるだけ縮小してキャッシュフローを少しでもよくしないといけません。

企業の知財部門だったら、出願する発明を選んだり、早期に権利放棄をしてOA対応費用や維持費を軽減、あとは、外国出願を減らしたりという対応があるのかと思われます。このような作業は必要なことではありますが、戦略というか、適切な判断基準の下決断を下さないといけません。そうでないと、コロナショックの後に必要な知財がないという状況になってしまうので、そのリスクも十分理解して(役員や取締役などにもリスクを十分説明してから)作業に取りかかることをおすすめします。

次に、事務所ですが、クライアントである企業サイドが知財予算の引き締めに来ると思うので、需要の低下に応じて人員を整理する必要があるかもしれません。事務所のつらいところが、人経費に一番お金がかかるところです。そして、仕事の量と必要な人材が比例関係にあるということ。つまり、依頼案件が今後少なくなってくることがわかりきっているので、その案件量に適した人材に調整しないといけません。日本の雇用は手厚く守られているので、事務所の所長が簡単に人材削減できるかわかりませんが、少なくとも雇用がもっと流動的なアメリカでは、今回紹介したように簡単に人を(一時)解雇したり、勤務時間に制限をかけたりしています。ただ、事務所の場合、適切な量(と金額)の仕事が入ってこないと、従業員を養っていくことはできません。優秀な従業員を失うのはつらいですが、コロナショックが長期化することを考えると、生き残るためにも所長の迅速な対応が求められると思います。

資金を確保する

このように採算の合わないものを調整したあとに、コロナショックが長期化することを考えて、なるべく多くのキャッシュポジションを取ることが必要です。既存のキャッシュフローの改善は難しいと思うので、まだ余裕がある内になるべく早く無保証無利子の融資や補助金を活用して、経営を続けていくための運転資金をなるべく多く確保しておきます。

事業形態の変更

こういった状況になってしまったのはもはや仕方ないので、現状をどう利用してビジネスにつなげられるかを考えないといけない時期にきているのかもしれません。特に、今後はより対面で話し合うことが難しくなるので、オンラインツールを活用してできることを探していき、今あるビジネスの形態を変えていくことを考えないといけません。

明けない朝はない

今は過剰なまでの自粛ムードで経済活動が滞っていますが、いつかは必ず好転する状況が来ます。そのタイミングはまだ誰にもわかりませんが、その時が来るまで、このような地道でつらいですが必要な措置を行っていくことが重要になるでしょう。

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