ARメガネで特許の読み込みをサポート

消費者向けのGoogle glassはぽしゃりましたが、企業向けのAR(MR)メガネは企業のトレーニングなどですでに使われています。今回は、そのようなツールを特許の読み込みをサポートするツールとして活用するアイデアです。あと、おまけで熟練の技を盗むためのツールとして使えないかも考察してみました。

ARメガネとは?

現実の環境にコンピュータで作られた情報を上乗せする技術はAR (Augmented reality)やMR(Mixed Reality)と呼ばれていて、メガネというか頭に付けるディバイスでそれを可能にしています。代表的なディバイスを上げると、MicrosoftのHoloLensMagic LeapのOneなどがあります。これらはすでに工業関係のトレーニングや教育の分野で使用されています。

AppleのiPhoneやiPadでもAR周りが強化されていたり、任天堂もマリオカートをAR化しています。このような流れを見ると今後はより多くのARの技術を使ったアプリケーションが出てくると思われます。

特許の読み込みで使うとは?

上記のような企業のコンテンツに比べるとローテクですが、印刷された特許を読み込む時に、ARメガネがかなり役に立つと思います。

皆さんも特許明細書を書く前の先行例調査や、FTO(Freedom to operate)調査などで大量の特許文献を読むことがあると思います。その中から重要な案件を探すのにパソコンベースのツールを使うこともあるでしょう。それはそれでいいのですが、重要と特定した数件から十数件の案件は実際に詳しく隅から隅まで読む時に、文献を印刷して読み込むことがあると思います。

私も重要なものは紙で読んだ方がいいと思いますが、そうすると、図をみたり、クレームを見たり、明細書の内容を見たりを言ったり来たりして、場合によっては、別のリファレンスを参照したりと、デスク周りが大変なことになってしまい、まとめをデジタル化するのも大変だったりします。

そこで、このようなアナログ文献の読み込みをアシストできるようなARメガネを開発してみてはどうでしょうか?

具体的には、紙ベースの文献とその文献のデータ(特許データ)を紐付けしておいて、ARメガネで印刷されたページ(やその一部)を見ただけ補足情報(例えば、図で示された番号の横にに明細書内の名称やその定義が表示される)が確認できたり、指やインプットディバイスで指定した用語(例えば、クレームで使われている文言)に関する明細書内の情報や出願履歴の情報を参照できるようにするだけでもかなり便利です。

そして、専用のインプットディバイス(例えば蛍光ペンのように特定の色が付けられるものや、ARメガネとリンクしたApple Pencilのような電子ペン)で紙ベースの文献の特定箇所に注釈や下線を引くとそこが自動的に電子化され、今後の分析に使いやすいようなStructured dataとして保存されるみたいな機能があれば、ムダなデータインプットの時間を省略できます。

一見大がかりなプロジェクトに見えますが、ARメガネは印刷された文字や印刷物の認識ができればいいので、3Dモデリングもいらないし、ゲームの様に物理計算する必要もなく、特許データと視覚データをリンクするだけなので、そんなに難しいことではないと思います。

特許情報を扱うものでなくとも、例えば教科書と連動するARメガネを使ったコンテンツはあるはずなので、そのAPIやOpen Source Codeを使えば開発時間もあまりかけずに開発できるのでは?

熟練の技を盗む

あと、ARメガネを使ったアイデアをもう1つ。特許関連の業務に限定されたことではないのですが、仕事をやるときに素人の視点とプロの視点には大きな違いがあります。ここで言う視点というのは考え方ではなく、実際に目で見ている情報という意味です。

視点情報と言うのは、実践しているプロでもなかなか言語化できないし、言語化しても他人に的確に伝えることは難しいと思います。そこでARメガネをベテランに付けて通常の業務をしてもらって、その人の視点情報をARメガネで取得して、分析してみます。そうすると、仕事の質の高さや素早さの一因が見える化できるのではと思っています。

うまくノウハウを抽出できたら、分析したデータを元に、ARメガネを使ったトレーニングコンテンツも開発できるし、従業員にARメガネを掛けて業務をしてもらえれば、ベテランをベンチマークにした、従業員の実力の可視化(スコアー化)も可能になるのではないでしょうか?

TLCの紹介

ちなみに、このアイデアのベースになっている話題は、OLCを更に進化させた全く新しいコミュニティ型のプラットフォームTakumi Legal Communityで最初に取り上げました。

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