AIを活用した特許調査の時代がやってくる

1990年台に特許データの電子化が進み、インターネットを使って特許検索ができるようになった。その後、2006年のGoogle Patentsの登場などで、キーワード検索が簡単にできるようになった。また、特許調査のプロは、複数のキーワードや識別コードを使い、ブーリアン演算で複雑な検索式にして検索することで、より制度の高い調査がおこなえるようになった。

 

また、自動検索方法が進化し、人的ミスや負担を軽減する取り組みも行われてきた。たとえば、特許分析ツールの中には、統合された特許のデータベースを使い、データ補正、特許権者、ステータスアップデート、訴訟などのデータを自動的に見つけることができるものもある。

 

早く正確なビジネス上の判断を行うために、このようなツールを使って、特定の市場における特許活動の統計的な分析をおこなったりしている。

 

自動検索ツールは、早く、効率的に、ミスを最小限に抑えつつ既存の技術エリアの知財情報を知れる。また、急成長している技術なども視覚化できる。

 

このような背景の中、Artificial intelligence (AI)をベースにした特許調査が注目されている。例えば、AIを活用した特許調査では、キーワードは複数のコンセプトに細分化され、ただ単にキーワードに該当するだけでなく、その意味合いもふまえて、検索することができる。このような検索をすることで、ノイズが減り、効率良い検索で、最も重要な文献を見つけることができる。技術は日々進化し、人間の調査員が見落としてしまうこともAIが発見する時代がすぐそこに来ている。

 

このような特許調査の進歩は凄まじい。膨大なデータが簡単に、素早く、信頼のおけるツールで検索できてしまう未来がもうすぐ迫っている。

 

まとめ作成者:野口剛史

 

元記事著者:Sagacious Research – Sandeep Kumar

https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=e047d132-7cfc-4589-abb8-70c0a1799e6f

ニュースレター、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

訴訟
野口 剛史

IPRやPGRは医薬品特許訴訟に影響を与えづらい

IPRを代表としたPTABによる権利化後レビューは特許訴訟戦略に欠かせないものになりましたが、医薬品に限ってはそうではないようです。今回は、製薬特許訴訟で頻繁に使われるハッチ・ワックスマン訴訟の特徴を分析して、それがいかにIPRやPGRを妨げる要因いなっているかを解説します。

Read More »
Pinterest
特許出願
野口 剛史

特許審査履歴解説: 継続出願で実質1回のOA対応で権利化したものの許可通知後のIDS提出でRCEを行った案件(Pinterest)

案件自体は親出願の審査が終わった時点で行った継続出願ですが、出願時に出願費用を払っていなかったり、Preliminary amendmentでクレームすべてを差し替えたりと珍しいケースでした。継続出願によくあるDouble Patentの解消にeTerminal Disclaimerを使うのはよくある対応なのですが、許可通知後に提出したIDSを考慮してもらうためにRCEを行っていました。いままでもIDSを許可通知後に提出した事例を取り上げていましたが、特にRCEをするようなものはなかったので、この違いについてもできる範囲で考察してみました。

Read More »
election
訴訟
野口 剛史

バイデン大統領の下では、知財は改革されるよりも進化する可能性が高い

前回はバイデン政権下における特許庁や次の長官の話をしたので、今回は司法省や裁判所など政治的な観点から知財の動向を語る上では外せない行政や司法機関を見ていきましょう。例えば司法省の反トラスト部門はSEPに関わる重要な行政機関です。また、特許訴訟が行われる連邦裁判所の判事の任命権は大統領にあります。そこで今回は政治と知財の話パート2として、司法省や裁判所の話をします。

Read More »