知財リモートワーク動画チャンネル

2020年3月25日現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でアメリカの各地で出勤停止や自宅待機などの措置が取られています。以前リモートワーク応援サイトのアイデアを紹介しましたが、その応用として知財リモートワーク動画チャンネルを作るのはどうでしょうか?

リモートワークの準備はみんなできている?

実際に私も先週からリモートワークをしていますが、正直会社がリモートワークにあまり積極的でなかったためか、リモートワークに関する会社のインフラやサポート体制がまだまだという状態で強制的にスタートしました。

会社のサイズや業務内容、人材にもよると思いますが、外的な影響で従業員のほとんどが会社に出社できず、リモートワークをいきなり大規模なスケールで始めないといけない企業も実は結構な数あると思います。

このように会社のサポートが十分でない状態でリモートワークの経験がない従業員がリモートワークをするようになってしまうと、いままでできていた業務が滞ってしまいます。実際の仕事はできてもリモートワークをする上で必要はツールの使い方に疎い人がいると会社としても大きな損失ですし、その人の存在意義が問われてしまうかも知れません。そして、分野的に見ても、「知財」は発明などの最新の技術を扱っていますが、仕事のやりかたは結構レトロなところも多いので、仕事はできるけど、リモートワークに課題がある人は結構いるのかなと思っています。

最初は知財業務を想定したHow-to動画をアップ

そこで、知財の業務シナリオに沿った各種オンラインツールの使い方を説明したHow-to動画を作るのはどうでしょう?

例えば、最近Zoomという会社のことをよく耳にしませんか?Zoomはvideo conferenceやWebinarなどのツールを提供している会社で、多くの企業のリモートワークの際に活用されているため、株価が暴落している中でもZoomの株価が上がっているという会社です。

このZoomのVideo conferenceソフトはとても使いやすく結構誰でもマニュアルなしで使えるようになっているのですが、それでもYouTubeで動画を検索すると大量のチュートリアル動画がアップされています。

特に面白いのが、ある特定のユーザーをターゲットにしたHow-to動画です。上で紹介している動画は、オンラインで授業をするための先生向けに作られた動画です。アメリカでは今多くの学校が休校していて、オンラインで授業を継続しなければいけない先生が多いようです。先生はローテクな人も多いと思うし、学校からのテクノロジーの使い方に関するサポートなども予算的に難しいと思うので、そこにピンポイントですぐに実際の現場で利用できる形で使い方を説明している動画なので、結果として結構な再生数を稼いでいます。

この動画の戦略を参考にすれば、知財リモートワーク動画も比較的簡単に作れると思います。例えば、ZoomのHow-to動画を作る場合、知財での活用シナリオを考えたときに一番需要がありそうなのは、発明者との面談だと思います。

発明提案をもらった後の発明のブラッシングや、先行例文献との比較、明細書のレビューなど応用の範囲はとても広く、企業内の知財部員を対象にもできるし、事務所の弁理士を対象にもできます。

実際の発明者との面談でやることをリモート完了に落とし込んだ場合、Zoomの機能でどのように大体できるかを考えてそれを紹介するだけでいいので、リモートワークを普段からやっている人であれば、Zoomを普段使ってなくても使い方を説明することは比較的簡単だと思います。

知財関係者のための動画なので、例えばZoomのホワイトボード機能を使って手書きのやりとりをリモートで実現する方法を提案したり、Google DocやMicrosoft 365を活用して明細書のドラフトを発明者と共有しつつZoom経由でリアルタイムで話しながら変更を加えていくなどの、具体的な活用方法を提案できると更にいいですね。

コンテンツを広げていくこともできる

こんな感じで、知財の一般業務のリモートワーク化の動画を何個か作成したら、次は自宅の環境作りやマインドセット、フォロアーからのQ&Aセッションなんかも行い多角化していくといいと思います。

ニュースレター、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

speech-presentation
再審査
野口 剛史

裁判官直伝の実務アドバイス(書類作成編)

日本の知財訴訟担当者が実際にアメリカの IPR で提出するBriefやMotionを書くことはありませんが、アメリカの弁護士が作成した書類をレビューすることは多々あると思います。そのようなときに自社に対して有利に進むよう、実際に PTAB において判決を下す行政判事の立場になってレビューし、現地の担当弁護士にフィードバックをすることが大切になってきます。

Read More »
特許出願
野口 剛史

訴訟弁護士が特許を書くべき

特許は正確に書くのが難しい法律関係書類だとアメリカの最高裁が認めるほどのものですが、誰がそのような特許を書くべきかということに対してあまり関心が向けられていません。今回は訴訟を念頭に置くのであれば、特許は訴訟弁護士が書くべきだという主張を紹介します。

Read More »