一見とっつきにくい知財というテーマをエンタメ化する動きがあります。今回はこの流れに便乗して、まだエンタメ化できていないものを積極的に企画して知財エンターテイメントのリーダーになっていくアイデアを紹介します。
2020年1月18日に特許の鉄人第2回が開かれましたね。主催者の加島さんやゴールドスポンサーのムゲンチザイ事務局を運営しているちざたまごさんは知り合いなので、私はアメリカにいますが陰ながら応援させていただきました。最初は定員100人だったのにチケット完売で追加チケットを販売するほどの人気だったようです。ちざたまごさんのレポートを見る限りとても盛り上がったみたいですね。
さて、今回は、この知財のエンタメ化の流れに便乗するアイデアの紹介です。私の知る限り、日本における知財のエンタメイベントは、特許の鉄人のクレーム作成タイムバトル、商標調査対決をするAI vs. 弁理士、ゲンチザイぐらいです。
数年前は知財エンターテイメントという部類は存在しなかったので、このような新しい動きは歓迎したいのですが、まだまだコンテンツの数が少ないと思います。まだ始まったばかりの知財エンターテイメントですが、Youtubeなどの普及により様々な分野がエンタメ化していく中、今後も知財エンターテイメントの市場はどんどん拡大していくと思っています。特に、知財プロフェッショナル以外の人にも楽しんでもらえるコンテンツを作れれば、市場は数倍になるし、市場の拡大速度も劇的に早くなります。
やるなら、どんなコンテンツで勝負するか?
便乗するにもどんなことをやるかが重要ですよね。やってみないとウケるかはわかりませんが、今のトレンドを考えるとある程度の方向性が見えてくると思います。
対決もの: ラグビーでもそうですが、ライブでやるなら勝負をするものがいいですよね。結果がどうなるかわからないドラマチックな展開も期待できます。上で紹介した特許の鉄人もAI vs. 弁理士も対戦系です。私が企画するなら、特許侵害に関わる鑑定書を一定の時間内で作らせるとかがいいですね。特に、一方には侵害を示す鑑定をしてもらい、もう一方には非侵害を示す鑑定をしてもらい、どちらの主張がより論理的なものかを競うというのも面白そうですね。
リーガルテック: 法務分野にもさまざまなITサービスが参入しています。特に契約内容のチェックなどではAIを積極的に活用したツールがアメリカはすでに実用化されています。そこで、これも対戦ネタになるのですが、すでに日本で実用化されているリーガルテックサービスで対戦に優れているものをピックアップして、人と戦わせます。これはAI vs. 弁理士と同じコンセプトですね。でも、対戦する内容を変えます。日本でのサービスがあるかわかりませんが、NDAの間違え探しなど契約をチェックするSaaSがあれば、そのサービスと弁理士・弁護士さんを戦わせるのもありですね。でも、その場合、どちらかが必然的に有利にならないようにお題は慎重に選ぶ必要があります。
この2つは前例もあるので、比較的企画をしやすいネタになると思います。
あと、個人的には演劇とかもいいかなぁと思ってます。これはすぐにできるものではありませんが、例えば、下町ロケットみたいな特許が重要な役割を担うストーリーを脚本して、それを演じることで、知財を身近なものに感じてもらう。こんな取り組みもありかな?とも思っています。実際に起きた知財が絡むエピソードって機密なものが多いので、公になることはめったにありませんが、実際のエピソードをベーズにエンタメ性を考慮しアレンジしたものを作れば、結構リアルで、かつ、面白いものができると思うのですが、どうでしょう?