最近始めたスタートアップで切磋琢磨しつつもがいている野口剛史です。今回はそこから学んだことを他の分野に応用したらどんなものが出来るかをちょっと考えてみたので紹介します。
今回は弁護士に関する情報を元に考えたビジネスアイデアですが、同じことは弁理士にも十分適用できると思います。
弁護士へのクレームでよくあるもの
弁護士とクライアントのトラブルは結構あります。そのトップ2とも言える問題が、クライアントとのコミュニケーション不足とお金の問題です。その他にもドキュメントを返してくれない、コンフリクトの問題、締め切りをミスる、そもそも弁護士の能力の問題などなど、様々なクレームがありますが、今回はこのコミュニケーションと金の2つの点に注目したいと思います。
クレームは死活問題
弁護士にとって、クレームは死活問題です。アメリカでは州ごとに弁護士会があって、そこにクレームがあったら問い合わせることができるのですが、クレームの内容や頻度によっては、弁護士会の倫理委員会などが調査を開始し、その弁護士に対して何らかの制裁や罰則を科す場合があります。それは公開情報なので、問題のある弁護士だと思われてしまうといままで培われた信頼などがすべて吹き飛びます。
また、SNSが発達している今日、弁護士会にクレームが行かないとしても、(元)クライアントがSNS上で自分の悪口を公に発言したりする行為は印象を悪くするだけですよね。
弁護士に取って信用やイメージは死活問題なので、的確なコミュニケーションをとって費用も明確にし、クライアントには満足してもらいたいところです。
クライアントが案件を確認できるポータルサイト
そこでクライアントがいつでも自分の案件について情報を確認できるポータルサイトみたいなものを作ってみたらどうでしょう?
仕組みは簡単で、依頼されている案件に関してクライアントに連絡することがら(案件の進行状況など)をオンライン上にアップしクライアントがいつでも確認できるようにします。そうすれば、クライアントが案件のアップデートを聞くのに弁護士に電話してきたり、メールで問い合わせする手間が省けます。そして、クライアントは進行状況を確認するまでの「待ち時間」がないので、上記のコミュニケーション不足の問題がこれだけで解消できます。
また、弁護士が進行状況をポータルサイトにアップデートしたら、自動的に連絡メールがクライアントに行って、ポータルサイトに誘導するような仕組みができれば更にいいですね。
次に、せっかくのポータルサイトなので、もう一工夫して、契約に基づいた料金プランなり、前払いされたお金の残高、(時間制であれば)現時点での弁護士費用などをリアルタイムで表示しておけば、クライアントとのお金の問題も回避することができます。ただ単に費用を表示してもいいのですが、そこに支払い機能をつけたら更にいいですね。
扱っている内容が繊細なので、セキュリティーには気をつけないといけませんが、そこさえクリアーできればそれほど複雑なシステムではないし、リアルな弁護士(弁理士)の課題を解決できるので、ビジネスとしても成り立つと思っています。
もうあるではなく、まだ普及していないことに注目
あまり詳しく調査はできませんでしたが、このような機能を備えているSaaSはすでに存在しています。例えば、アメリカではClioなどが有名です。でも、もうあるから、自分があたらにサービスを展開する必要は無いのでは?と思うかも知れませんが、そこがポイントではないと思います。
例えば、Clioはまだ日本でのサービスを開始していません。また、弁護士に向けてマーケティングされているので、知財用にカスタマイズ出来ていないところも実際あると思います。それに、まだこのようなツールはまったく普及していません。なので、他のプレイヤーにも十分チャンスはあります。
顧客の悩みを解決する最小限の機能だけを選び抜き、日本の知財という特殊で規模が比較的小さい市場であれば、十分最初のきっかけは得られると思います。そこからじょじょに認知され使われていけば、法律の分野や他の士業への展開も難しくありません。
今回のアイデアはツールなので、最初にサービスを展開した会社の利点はそんなにありません。それよりも、使ってもらえるユーザーのかゆいところに手が届く便利な機能を備えたツールを作れれば、遅れて出発しても十分巻き返せます。
現在は、クライド系のサービスも充実していて、月ごとのサブスクリプション型ビジネスモデルも受け入れられてきたので、ユーザー数がある一定数までいけば比較的安定した収入を得ることが出来ます。
どうでしょうか?