ウェビナー:ライセンス事業のスケールアップ

ライセンス事業を成功させるには「準備」が必要です。十分な準備をするには時間やリソースがかかりますが、効率的におこないスケールを拡大するためには、特許分析ツールなどの便利な道具を有効的に使っていく必要があります。

ウェビナー概要

今回参加したウェビナーは、2019年9月19日にライブ配信されたものです。ウェビナーは録画されていて、IP Watchdogのウェビナーサイトでいつでも見れるようになっています。

ウェビナーで学んだこと

  1. 成功するライセンスをおこなうためには、万全な準備が大切。準備を怠ってしまったら、ライセンス活動は無駄に終わってしまう。
  2. 市場を特定して、顧客がお金を払うような特徴を特定し、そこからターゲット候補やライセンス候補の特許を選ぶ。
  3. 特許は無効審判手続きにも耐えられるような「強い」特許が必要。特許の有効性に対しても事前の調査や分析をおこなうことが大切。
  4. 特許は1つや数件レベルではなく15件から20件ほどのポートフォリオとしてまとめてライセンス提示をすることが大切。
  5. 数件レベルだとIPRなどの無効審判手続きをされてしまう可能性が高い。
  6. ライセンス交渉は友好的でコラボレーションを求めるものであるべきだが、訴訟もいとわないという姿勢は崩さない。
  7. ライセンス提案はビジネスプランを提示するようなもの。ライセンス先がライセンスを受け取り、そこから得られた技術で付加価値のある製品を売り、その付加価値に対してそれ相応の対価をライセンス先の顧客が払うことが十分想定できるようなものを考える。
  8. このような準備は手作業でおこなっていては大変なので、便利な特許分析ツールなどを活用して効率よく準備を進めていく必要がある。

ウェビナーのメモ書き

ライセンスするならそれなりに強い(無効審判手続きも耐えられる)特許が必要。

Due diligenceをする。訴訟をいきなりするのはあまりよくない。コラボレーションを目指して。

成功するライセンスをするには準備が大切。

特許の有効性、特許の使用などの査定や調査は事前にしておくこと。

スケールアップするためには?

ライセンスする際の準備は大変。これをスケールアップするにはツールの活用が必要。

しかし、ツールを活用することは大切だけど、すべてではない。

特許分析ツールは一昔に比べ種類が増え、よくなっている。

このようなツールを使うことで、効果的にライセンス活動が行えて、スケールアップもできる。

マーケットアナリシス、侵害分析などを事前に行うことで、ライセンス交渉を有利に持って行き、なぜライセンスを行うことが両者にとっていいことなのかを説明できるレベルまでもってくることが大切。

今までは上記のような市場データなどにはアクセスすることが難しかったり、高額だったりしたが、現在はそうでもない。そのような客観的なデータを交渉の時に提示することで相手の理解を求めることが協力的なライセンス交渉の進め方。

例えば、FTCが訴訟を起こすときは準備がすべて行われているので、訴えられた相手は即座に和解をするしかない。

機会を探る

Business driverを理解する。想定するライセンス先の製品の特徴を知る。自社が持っている特許でそのような特徴に該当しそうなものを探す。

ステップス:

  1. 特定の市場で、顧客がお金を払うことを惜しまない特徴を特定する。
  2. そのような特徴を可能にする技術を特定する。
  3. その技術を可能にする特許を探す。

最初の顧客のニーズを的確に捉えることがとても大切。ライセンス先がどのように使い、利益を得て、ライセンシーに還元するのかを考えることが大切。

このようなライセンス先のビジネスを想定しながらライセンスプログラムを構築していくことで、ライセンス先との協力的なライセンスができる。ライセンス先は、ライセンスを得て、それを商業化し、顧客に付加価値を認めてもらい、プレミアムを払ってもらわなければいけないので、そのようなビジネスモデルを描けるようなライセンスを提案していくことが大切。

特許分析をするには、Bulkでできるものがいい、特許によく使われる専門語や製品や業界で使われている専門語(Jargon)を効率的にマッチングできるもの、特許にされている発明が際立つようなサーチができるもの(複雑すぎて意味のわからないグラフを示すものだったり、逆に、ただ単に、クレームチャートを表示するような簡素なモノでもだめ)、そうではなく調査の結果から行動を起こせるようなものでなければいけない。

スケーリング

準備段階には大きく分けて4つのケースがある

  • 少数の特許をハンドピックしてライセンス活動を始める場合
  • ある程度大きな特許群があり、その中から特許分析ツールなどを使ってライセンス候補を探す場合
  • すでに権利行使されているなどの状況で、反撃に使える特許があるか早急に見つけたい場合
  • すでにライセンスされていたり訴訟で勝訴した特許を他の会社に権利行使する場合

ある程度の大きさのパテントポートフォリオと特許分析ツールの相性はいい。

ライセンス候補を探す

様々な要素が関与してくるのでケースバイケース。

しかし、ライセンス候補がある程度絞れてきたら、その会社に対する調査・分析は以下のようなものがある。

ターゲットの会社の収入、事業、製品を調査し、自社特許を使用していそうかを分析する。このような作業から、権利行使できそうな自社特許の特定と、提示できる特許使用の証拠を整理する。

どこを最初にターゲットにするのか?

1つの答えはなく。何が目的なのかによって異なる。同業者ではないところにライセンスを持ちかけるのであれば、セールストークのようなものも必要で、業界の知識やどのような企業がどのような取り組みをおこなっているのかも知る必要がある。

同じ市場の同業者がすでに特許技術を使っている疑いがあるのであれば、特許分析ツールとの相性はいい。このような同業者の場合でも、コラボレーションを忘れずに、どのようなライセンス提案をすればお互いに利益が出るのかを考えることも重要。

市場、製品・技術サイクル、トレンド、初期段階、成長期、コモディティ化など様々な要因でアプローチは違ってくる。

ここ10年間でライセンス事業への見方は好意的なものから、避けられるものへと変わってきてしまった。現在は、ライセンスをおこなう企業すべてが一概にPatent Trollというような見方をされてしまうことも多々あるのが残念。

準備が大切。侵害の証明をする証拠が提示でき、特許の有効性も客観的なデータを通して示せれば、ライセンス交渉の相手も真摯に受け止めてくれるはず。しかし、分析もしっかりしないで、ただ訴訟で脅すやる方ではライセンス交渉はうまくいくわけがない。

特許の選定

ライセンス候補の特許はIPRなどの無効審判手続きに耐えられるものでなければいけない。また、1つではなくポートフォリオで権利行使、ライセンスをおこなっていくことが大切。

特許を読み込んで、ライセンス先候補企業の使用の可能性の分析と証明の難しさを確認することが重要。Workaroundの可能性も検討。先行例文献なども調査。

このような調査は大規模なものになる場合があるが、特許分析ツールを使うことで、どの情報が重要かを知ることができ、優先順位をつけて情報を読み込める。

使用の証拠

特許分析と同じように、ターゲット候補の製品に関わる様々なコンテンツを総合的に分析する必要がある。しかし、特許とは異なり、図、動画、チャートなどの分析も必要。分析ツールは特許ドメインと証拠ドメインの両方に対応していて、これら2つのドメインをつなげられるようなものがいい。

手作業でおこなう問題点

1つの特許や数件の特許を特定して上のような調査・分析をやっても、ターゲット候補の企業はあまり関心を示さない。ある程度まとまったポートフォリオを提示しないと交渉の場に来てもらえない可能性がある。そのため、作業の効率化を図るために、ツールを使ったスケールアップが必要。目標は15から20件レベルのポートフォリオ。

数件レベルだと、相手がIPRなどの手続きを起こしてくるので、PTABで争わなければならなくなる。

ツールの種類

  • クラスター:特許ポートフォリオにどのようなものが含まれているかを示してくれるツール
  • Bulk Classification:特許に関連するTagをつけて、まとめてアクションを取りやすくする
  • Bulk score (特許と特許の比較):特定の特許と似た特許を探しスコアー化するもの
  • Bulk score (特許とコンテンツの比較):特定の特許と似たコンテンツを探しスコアー化するもの。この場合、コンテンツの種類や性格は特許のものと大きく異なるため、特許ドメインとコンテンツドメインを効率よく比較・対照できるようなツールが必要。

ツールを使わないでライセンス事業をおこなうことはできない。

ライセンスは、1人ではできないので、チームでおこなう必要がある。様々な才能が協力する必要がある。技術、法律、ファイナンス、ビジネスなどの異なる分野のエキスパートが協力することが必要。

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