特許庁が商標不正出願者の取り締まりを継続。制裁措置も発動へ

何度もお伝えしていますが、米国特許庁は、長年にわたり商標登録出願の増加とそれに伴う不正出願の増加を目の当たりしてきたこともあり、商標に関わる様々な手続きが厳格化されてきました。今回も2022年の1月に行われた厳しい処置に関するニュースです。

2022年1月25日、特許庁は、商標所有者と特許庁を欺くために利用された低コストの商標出願およびデザインサイトを運営する3社に対して制裁命令を出しました。特許庁の調査によると、今回処罰されたAbtach Ltd.、360 Digital Marketing LLC、およびRetrocube LLCが、5,500件以上の商標出願において、深刻な不正行為スキームに関与していることを発見。制裁命令には、これらの企業が不正な法律行為を行い、USPTOの商標案件に関する実務規則に違反して、意図的に虚偽、架空、または詐欺的な情報をUSPTOに提供したことが記載されています。

この不正行為により、特許庁はこれらの団体を通じて行われた出願を抹消する予定です。これらの不正行為によって出願された場合、影響を受けた個人または企業は特許庁に連絡するようにしてください。

このような不正出願が増加する前まで長年にわたり、アメリカの特許庁における商標登録出願は迅速な審査が行われていました。商標に関しては、出願から3ヶ月以内に審査し、問題や異議がなければ、最初の出願日から7〜8ヶ月で登録が発行されていたのが通常でした。しかし、現在ではそのようなことはなく、特許庁は日々新しい出願の山に直面しており、この問題はここ数年でさらに大きくなってきています。

今後も審査の厳格化、不正出願を行っている業者や団体の摘発が続くと思われます。今回の場合は、摘発された団体を通して行われた出願が抹消されるという厳しいものなので、アメリカで商標出願を行う際は十分気をつけて、実績と経験のある信頼できる現地代理人を見つけて手続きを行うようにしてください。

大丈夫だとは思いますが、もし特許庁が発表している団体が関与した出願がある場合、商標出願が抹消される危険性があるので、心配な方は特許庁の発表の「Your application may be impacted if you worked with one of the entities listed below」にかかれている事業名を確認してください。

参考文献:Trademark Office Continues Crack Down on Fraudulent Filers, Sanctions Issued

追加記事

特許において、クレームの限定事項が明確に記述されているかどうかは、特許の有効性を左右する重要な要素です。今回、Maxell, Ltd.対Amperex Technology Limitedの判決は、特許クレームの解釈において、限定事項間の表面上の矛盾をどのように扱うべきかという問題を浮き彫りにしました。本文では、この重要な判決を深堀りし、一見矛盾すると思われる限定事項が、実際には特許の不明瞭性(Indefiniteness)を生じさせない理由について探求します。特に、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)がどのようにこれらの限定事項を同時に満たすことが可能であると見做したか、その解釈の根拠と、特許クレームを起草する際の実務上の教訓に焦点を当てて考察します。
特許法における「組み合わせの動機」(Motivation to Combin)の概念は、発明が発明された時点でその分野の通常の技術者(PHOSITA)にとって自明であったかどうかを判断する上で不可欠な要素です。自明性の問題は、新しい発明が既知の技術要素の単純な組み合わせに過ぎないのか、それとも特許に値する独自の技術的進歩を表しているのかを区別するために重要です。このブログ記事では、特許請求の自明性を評価する際に中心となる「組み合わせの動機」の概念と最高裁判決であるKSR判例を解説し、Virtek Vision 対 Assembly Guidance Systemsの事件を例に、実際の訴訟におけるこの概念の適用方法について掘り下げます。
先月、米国特許商標庁(USPTO)が「Means-Plus-Function」に関するメモランダムを発行し、審査官に最新ガイダンスを提供しました。その内容は実務における大きな変更を意味するものではなく、既存の法的枠組みの下でより明確な指針を提供することを目的としています。しかし、このタイミングにおけるガイドラインの発行は、35U.S.C.112条(f)に基づく一風変わったクレームの形式であるMeans-Plus-FunctionがUSPTOにおける特許審査で注目されていることを示しており、改めてガイドラインに沿った適切なクレームドラフティングが求められることを意味します。