第三者商標出願をモニターする理由と効果的な方法

第三者の標出願をモニターすることは、自社の商標侵害の可能性を知る上で有効な手段の1つです。しかし、現実的なモニタリング戦略がないと、関連のない調査結果などで時間がとられてしまうので、しっかりとした戦略の上で、モニタリングを行うことが大切です。

多くの企業は生産・販売拠点などの重要な国で商標登録をする利点について理解していますが、商標の登録は、商標活用の第一歩に過ぎません。自社の商標侵害の可能性を知るために、第三者の標出願をモニターすることが必要です。

早期発見の重要性

商標の侵害や不適切な使用がある場合、そのような問題を早く特定できれば、その分、権利行使や取り締まりが簡単になります。特に、第三者が似た商標出願をしている場合、商標の権利者として、反対手続きを限られた期間の間に行わなければならないので、混同する商標出願の早期発見は重要です。

出願されている国によっては、公開から30日以内に反対手続きを行わないといけない場合もあります。その期間を過ぎても、混同する商標を無効にする手続きはとれますが、より費用がかかり、手続きが難しくなります。

また、このような反対手続き以外にも、早期発見の重要で、商標の混同する使用や不適切な使用がわかります。そのような不適切な使用の証拠を押さえ、取り締まりを行うことは商標の権利者としての義務なので、モニタリングを行い、問題が起こっても、早期に対処することができます。

また、商標のモニタリングは、競合他社や第三者のモニタリングにも役に立ちます。特に、権利行使が目的ではなくても、例えば、競合他社の新しい商標出願から新製品の発売や新しい市場への拡大などの情報を知ることができます。

商標監視サービス

商標監視(Trademark watching)については、後日詳しく説明しますが、簡単に言うと、以下の2種類に分けられます:

  • 一致商標監視(Identical trademark watch):マーク、製品、ロゴなど見た目や読み方が一致するものを特定するサービス
  • 同類商標監視(Similar trademark watc):一致するものの他に、混乱を起こすような似たものも特定するサービス

このようなサービスの他に、特定したマークに関する弁護士の意見などもオプションで加えることができます。

また、商標監視を行う国は選ぶことができます。1つの国に対してでもいいし、ヨーロッパの国々、または、全世界を対象にした監視も行えます。

何を監視するか

商標監視は有効な手段ですが、自社のブランドポートフォリオのサイズや市場を考える必要があります。

社内で運用されるのであれ、外注するのであれ、商標監視は、すべての関連する商標に関して、同様または似ている商標出願を監視する必要があります。

一般的に、監視サービスはワードマーク、スタイルワードマーク、ロゴなどを監視できます。ワードマークが基本的な監視の対象になりますが、特に、自社商標の視覚的なインパクトが大切な場合、スタイルワードマークやロゴの監視も大切になってきます。

会社が多くの商標を世界的規模で保有している場合、費用対効果がいい監視をすることは難しくなってきます。そのような場合、重要な商標を特定し、重要な市場(つまり、国)を特定し、優先順位をつけ、予算に合わせて、監視する対象(商標)と地域(国)を選ぶことが重要です。

監視結果を活用する

大きな商標ポートフォリオがあり、幅広い商標監視を行っている場合、サプライヤーなどから大量の監視データを提供される場合があります。しかし、そのようなデータをレビューするには多くの時間がかかってしまい、重要な監視結果を見過ごしてしまう可能性もあります。

このような場合は、商標監視に弁護士の評価というオプションをつけ、すでに弁護士が一回レビューした整理され、重要な点がハイライトされた情報を受け取るのかいいでしょう。

また、商標監視をする際に、商品やサービス、競合他社、市場、特定のフレーズなど細かく監視範囲を特定することで、監視結果がより実用的なものになります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Vanessa Harrow. Novagraaf (元記事を見る

OLCの米国知財ニュースレター

最新まとめ記事を
毎週メールボックスにお届け

登録すると、週1回、最新まとめ記事の概要とお知らせを受け取ることができます。

コメントする

次回ウェビナー

9月22日開催予定

STANDARD ESSENTIAL PATENTS IN THE UNITED STATES

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

chess-strategy
特許出願
野口 剛史

審査官の評価システムを考慮した出願戦略(仮定と有効な特許の作成方法)

審査官は生産性と質の面で評価され、その評価は担当する特許案件の権利化にも影響を与えています。今回は、前編として、審査官の評価システムを理解した上で、審査官評価システムを実務に応用する際の仮定と、審査官の審査基準やバイアスに依存しない、有効な特許を作る方法を考えていきます。

Read More »