民事では「無罪」の企業機密の窃盗で刑事責任追及へ

2018年6月14日、6人のFitbitというフィットネスバンドの(元)従業員6人が連邦企業機密に関わる犯罪で起訴されました。

起訴された(元)従業員には、競合他社のJawboneが持っていた市場調査や社内情報を盗んだ疑いが持たれています。従業員にはPossession of Stolen Trade Secrets (18 USC §1832(a)(3))(日本語では企業機密の窃盗)という重罪(felony)で起訴されていて、有罪になれば最高で10年の禁固刑になります。

実は、この起訴の内容と同じ事柄は、民事でも問題になっていて、2015年にJawboneは企業機密の窃盗でFitbitを訴え、同じ従業員も訴えれていました。しかし、9日間の公判のあと、 ITC はFitbitと従業員の側に有利な判決を下し、行政法判事(ALJ)は、Jawboneの企業機密の流用はなく、Jawboneの企業機密はFitbitの製品に使われていなかったとしました。

しかし、連邦検察官は刑事で事件を追求していきます。起訴状では、従業員は、盗まれたものだと知りつつJawboneの機密情報を受け取ったとなっています。 (The indictment states that the defendants received confidential documents “knowing them to have been stolen and appropriated, obtained, and converted without authorization…for the economic benefit of someone other than Jawbone.”)

ITC における判決が下っていますが、刑事事件がどのように展開していくのか、今後の進展を見守っていく必要があります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Siri Rao. Crowell & Moring LLP (元記事を見る

ニュースレター、公式Lineアカウント、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

公式Lineアカウントでも知財の情報配信を行っています。

Open Legal Community(OLC)公式アカウントはこちらから

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

arrows-go-up
再審査
野口 剛史

PTABにおける特許無効手続きが増加傾向

2020年はPTABにとって多忙な年でした。COVID-19パンデミックにも関わらず、2020年度のAIA裁判の申立件数は全体的に増加し、2021年も特許訴訟の増加に伴いAIA裁判件数も更に増加することが予測されています。今回は、件数のトレンド、統計データによる当事者の有利・不利、2021年の予想を考察していきます。

Read More »
desk with laptop
企業機密
野口 剛史

リモートワークにおける企業秘密の保護

COVID-19の懸念に応えて、リモートワークが増えてきています。しかし、リモートワークによって、営業秘密の保護に関する新たな懸念が生まれています。では、現状でのリモートワークは仕方がないとして、このような環境の元でどのように企業秘密の保護を行っていったらよいのでしょうか?

Read More »
Uncategorized
野口 剛史

ビジネスアイデア: セミナーからのアップセール

知財業界ではマーケティングの一環としてセミナー(有料・無料を問わず)を行うことが多いですが、その後のフォローアップはどうしてますか?今回はクライアント取得や次の有料セミナー参加を自然に促せるサロンという仕組みを考えてみます。

Read More »