PGR estoppelの範囲は「書かれている通り」

PGRはほとんど活用されていないですが、PGRでもIPRでも訴訟と平行して行われている場合、Estoppelの問題を考慮しないといけません。今回は、PGRにおけるEstoppelについて始めて言及した判決を紹介します。

PGR Estoppel

35 U.S.C. §325(e)(2)に明記されているもので、PGRで実際に主張された根拠とPGRで合理的に主張できたであろう根拠(claim on any ground that the petitioner raised or reasonably could have raised during that post-grant review)を地裁などの他の手続きで再度主張することを禁止するというものです。

判決内容

GREE, Inc. V. Supercell Oy, Case No. 2:19-cv-00071, Dkt. No. 81 (EDTX Oct. 30, 2019)において、被告人が特許の無効を主張しました。しかし、地裁は、それよりも前にすでにPGRで最終判決があったことと、PGRで§ 101を根拠にした無効理由が主張されていたので、地裁ではPGR Estoppel が適用され、PGRで行った§ 101を根拠にした無効理由に加え、§ § 112, 102 or 103を根拠にした無効理由も地裁では主張できないという判決を下しました。

実際には、PGRで合理的に主張できたであろう根拠については、事実をベースにしたさらなる議論が必要になるという判決内容ですが、Estoppelが適用されてしまうと、PGRの申し立てを行う時点で、合理的に探せなかったであろう文献などに限定された無効理由しか主張できないので、地裁における特許無効手続きはとても困難になります。

教訓

今回はPGRでしたが、同じEstoppelという考え方はIPRでもあります。つまり、そのようなEstoppelを回避するためにも、IPRやPGRの申し立てを検討する場合、訴訟におけるEstoppelの影響も考慮し、慎重に主張や先行例文献などを用意する必要があります。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: John C. Alemanni. Kilpatrick Townsend & Stockton LLP (元記事を見る

ニュースレター、公式Lineアカウント、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

公式Lineアカウントでも知財の情報配信を行っています。

Open Legal Community(OLC)公式アカウントはこちらから

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

Uncategorized
野口 剛史

特許分析ツールレビューチャンネル

最近は特許を分析するツールもたくさん出回るようになりました。このようなツールをうまく使うことで効率よく作業が行えますが、どんなツールを使っていいかよくわかりませんよね?そこで、そのような特許分析ツールをレビューするYoutubeチャンネルを初めてみてはどうでしょう?

Read More »
Uncategorized
野口 剛史

特許出願からのサービス展開

今回は、日本の知財関係業務の大部分を占める特許出願の業務からどのようにサービスを拡大していけるかを考えてみます。特許出願総数が減少為ていく中、多くの特許事務所の課題が脱出願業務依存だと思うので自分なりに展開して行きやすい事業内容を考えてみました。

Read More »
man-typing-laptop
訴訟
野口 剛史

バーチャル特許表示を忘れない

CAFCは、2017年、 Arctic Cat Inc. v. Bombardier Recreational Products Inc. において、特許表示(Patent Marking)の重要性を再提示した。今回問題になったArctic Catの特許は、AIA以前のものなので、このバーチャル特許表示は適用されないが、今日のAIA後の世界ではバーチャル特許表示は重要になってくる。

Read More »