CBMレビュー対象特許の条件

PTAB は、Xerox Corp. v. Bytemark, Inc., No. CBM2018-00011 (P.T.A.B. July 12, 2018) (Paper 12)において、Covered Business Method (“CBM”) レビューに対象特許の条件を明確にしました。CBMレビューを行うには、申立人は問題の特許がCBM特許であることを示す必要があります。CBM特許とは、金融製品やサービスの仕組み、運営、管理などに関わり、技術的な発明に言及していない特許のことです。 Leahy-Smith America Invents Act (AIA), Pub. L. No. 112-29, § 18(d)(1), 125 Stat. 284, 329-31 (2011).

CBMレビューの対象は IPR よりも広く、例えば、特許法101条(特許適格性(Patent eligibility))に関するものや、特許法112条( 記載不備など)についても審議を行うことができます。しかし、誰でもCBMを申請できるわけではなく、申し立てをするには実際にCBM特許で訴えられた、または、権利行使された当事者か、real party in interest(実質的利益当事者)である必要があります。

背景

Xerox Corp.,はU.S. Patent No. 8,494,967 (’967 特許)に対するCBMレビューを申し立てます。この’967 特許は、すでに購入された電子チケットを人間がバーコードスキャナーを使用しないで検証するシステムに関するクレームを含んでいます。 No. CBM2018-00011, Paper 12 at 2, 4. 申立人は、(1) 購入済みのチケットの活用や検証は金融製品やサービス(“financial product or service”)に該当する、 (2) 購入済みのチケットに関連するクレームされた活動は金融関係の活動であるということを理由に、’967 特許がCBM特許であると主張します。しかし、特許権者は、’967 特許のクレームでカバーされている活動は、販売後に限定されると主張。

PTABの分析

PTAB は、AIAにおいて、CBMレビューが適当かという判断は、クレームの文言のみを見て行われるべきとしました。また、CBMレビューの対象になるためには、特許クレームが金融活動と偶発的(incidental)に関連している、または、付属するもの(complimentary)だけでは足りず、また、モノやサービスの販売に関連しうる行動をカバーしているだけでも十分ではありません。また、実際に販売が起こる、起こるであろうということだけでは、CBM特許ということにはなりません。そうではなく、クレームが必然的に金融関連である場合、CBMレビューを行うことができます。

この案件について、 PTAB は、クレーム言語において、すでに購入されたチケットの検証という点についての発明なので、特に金融関連であるような明確な文言も金融関連であるようなことを示唆するような文言もないとしました。このクレームはよくて販売に付属するもの(complimentary)であって、CBM特許ではなく、CBMレビューは適切ではないとしました。

また、 PTAB は購入済みチケットに関する(“associated with”)活動はCBMレビューの対象になるという申立人の主張も却下します。 PTAB は購入済みチケットに関する(“associated with”)活動とは、購入に付属するもの(“incidental to”)という意味なので、金融関連の活動に付属するという意味にしかならず、それだけではCBMレビューの対象にならないとしました。また、申立人は、特許権者のウェブサイトでモバイルペイメントに使えると宣伝していたことから金融関連であることを主張しましたが、販売がありえるからと言って必ずしもCBM特許にはならないとし、その主張を退けました。

教訓

CBMレビュー対象特許だと主張する際、申立人はクレーム文言に金融関連であるような明確な文言か、金融関連であるようなことを示唆するような文言が含まれていることを示さなければなりません。文言が金融関連に付属するものであったり、付随するものだけだと不十分です。また、販売が行われることがあったとしても、その事実のみでCBM特許であるという判断には至りません。

コメント

CBM特許として判断される範囲は狭まってきているので、CBMレビューはだんだん難しくなってきています。CBMは今後も適用例が少なくなってくることが予想されます

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Matthew W. Johnson. Jones Day (元記事を見る

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再審査
野口 剛史

裁判官直伝の実務アドバイス(書類作成編)

日本の知財訴訟担当者が実際にアメリカの IPR で提出するBriefやMotionを書くことはありませんが、アメリカの弁護士が作成した書類をレビューすることは多々あると思います。そのようなときに自社に対して有利に進むよう、実際に PTAB において判決を下す行政判事の立場になってレビューし、現地の担当弁護士にフィードバックをすることが大切になってきます。

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