2019年5月21日、連邦地裁は、スマートフォンのモデムやマイクロチップメーカー大手のQualcommが他社への技術ライセンスの際に違法に高額な金額を請求していたという判決を下しました。
ロイヤルティーベースは部品であるべき
連邦地裁裁判官 Judge Lucy Kohは、Qualcommは電話の販売金額の一部を受け取るのではなく、より少ない金額である電話内に存在するQualcommの技術をベースにしたものをロイヤルティーとして受け取るべきだったとしました。つまり、ロイヤルティーのベースはスマートフォン全体ではなく、あくまでもQualcommの技術が使われた部品等であるべきだということを示しました。この判決によって、最大で$400まで上がっていた電話全体の売り上げをロイヤルティーベースにするのではなく、$15 から$20程度のモデムチップをベースにしたライセンス契約を結ばなければいけなくなります。
その他のQualcommに不利な条件
また、Judge Kohは、Qualcommは自社特許を競合他社のチップメーカーにもライセンスしなければいけないという判決も下しました。
この判決の中で、Judge KohはQualcommに対し5つの条件を提示。その1つに、チップ供給の停止という脅威を示さないで顧客とライセンス交渉(再交渉)をするべきという項目があります。
今後の展開
Qualcommはこの判決を上訴すると同時に、最終判決が出るまで今回の判決を保留するように求めることが予測されます。しかし、この判決が是正されれば、Qualcomm のビジネスモデルに大きな影響を与えることは間違えありません。
まとめ作成者:野口剛史
参考記事著者:David Goldman and Chris Isidore, CNN Business(参考記事を見る)