PTABが裁量権を使ったケースマネージメントを始めた?

最高裁のSAS判決後、PTABはIPRのPartial institutionができなくなり、すべてのクレームについてIPRを開始するか否かの2択しか選べなくなってしまいました。しかし、同じ特許を対象としたIPRが複数ファイルされた場合、PTABは最も重要なIPRのみに対してIPRを開始することもあります。

事実背景

ComcastはRoviが保有為ている特許7,827,585に対して、6つのそれぞれ独立したIPRの申し出をPTABに行いました。IPRの対象になった特許は、地裁やITCで権利行使されている特許でした。

しかし、PTABはIPRを申し出たComcastに6つのIPRの優先順位を示すように命じます。このケースマネージメントオーダーでPTABはComcastに対して、それぞれの申し出の違い、なぜその違いが重要なのか、なぜPTABが1つ以上の申し立てを考慮しないと行けないのかなどの説明を求めました。また、Comcastの回答に対して、特許権者のRoviが反論する機会も与えました。

当事者からの回答を元に、PTABはComcastが最優先と示したIPRのInstitutionを決めましたが、その他5つのIPRに関しては、IPRの手続きを行わないことを示しました。この判決で、PTABはPTO Guidanceなどを引用し、PTABにどのIPRについて取り扱うか裁量権が存在し、内容や事実状況によっては、その裁量権を使いIPRの手続きを行わないという判断ができるとしました。

SAS判決度、PTABにおけるIPR案件数の増加や審査の遅れが懸念されていましたが、PTABは裁量権を使いケースマネージメントを行い対策を取っているようです。

今後IPRのInstitutionに対して、どこまでPTABが裁量権を主張するかは注目したいところです。

まとめ

複数のIPRを1つの特許に対して行う場合、PTABがすべてのIPRに対してInstituteしない可能性があります。IPR戦略上、複数のIPRを1つの特許に対して行う場合、場合によっては、1つ以上のIPRが認められない可能性もあるので、注意が必要です。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Benjamin Anger and Clayton R. Henson. Knobbe Martens (元記事を見る

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