合併で大規模知財事務所が誕生

2018年8月21日、American Lawyer Global 100 firmの1つであるVenable LLPが、世界規模でもIP王手であるFitzpatrick, Cella, Harper & Scintoとの合併を了承、弁護士800人、知財弁護士170人という最大規模の事務所が誕生する予定です。

Venable はDCを拠点にしていますが、Fitzpatrickはニューヨークが拠点です。この合併で、ニューヨークの事務所の弁護士数は160人ほどになり、ニューヨークで最大規模の事務所の1つとなります。

合併が正式に行われるのは今年11月とのこと。合併後の収入は、$620Mで、その中には、Fitzpatrickの$79Mも含まれます。

この合併で、Venable は知財に力を入れるようです。特に、Fitzpatrickが得意としている製薬知財案件と、Venableのproducts liability案件の相性がいいので、この分野による相乗効果を期待しているとのことです。

ニューヨークには、IP専門の大きな事務所がたくさんありましたが、ここ数年でその数が減ってきています。このニューヨークをベースにしている知財専門事務所Fitzpatrickは一番新しいものですが、他にもニューヨークを拠点にしていた事務所Kenyon & Kenyon; Pennie & Edmonds; Fish & Neave; Morgan & Finnegan; Darby & Darby; and Brumbaugh, Graves, Donohue & Raymondはすでにありません。ニューヨークに残るIP専門大手事務所では、Fish & Richardsonが一番有名です。

コメント

事務所の合併や分裂は避けられないものですが、知財専門の事務所が単独で成長し続けるのには難しい環境にあるのか、少し考えさせられました。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Ryan Lovelace and Christine Simmons. The American Lawyer (元記事を見る

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