ルイヴィトンから学ぶブランド保護戦略

ルイヴィトンは模様やデザインを1つの商標で守るのではなく、独立した要素を別々に商標登録することで、より侵害活動の取り締まりを強化するブランド保護活動を積極的に行っているようです。

2018年末にルイヴィトンはSouthern District of New Yorkにおいて訴訟を起こしました。この訴訟は、商標偽造(trademark counterfeiting)、商標侵害(trademark infringement)、 虚偽の原産地表示(false designation of origin)、商標の希釈(trademark dilution)などに関わるものです。

これらは偽物を訴える際の典型的な主張ですが、この訴訟でルイヴィトンは、1つの商標に対する侵害を主張しているのではなく、9つもの商標に対する侵害を主張している点です。

ルイヴィトンは、それら9つの商標を3つのグループに分け、それぞれの商標グループに対して別々に商標偽造、商標侵害、商標の希釈を主張しています。

ルイヴィトンは複雑なデザインの要素をそれぞれ独立した形で商標として登録しているので、このように複数のクレームをグループごとに主張できるのです。

このように複数のクレームをすることで、商標侵害に対する柔軟性が増し、取り締まりの対象になりうる偽物の対象が増えることになります。また、上記の3つの商標グループすべてにおいて侵害が認められれば、1つの商標に対する侵害を主張した場合よりもより多くの賠償金が見込めます。

まとめ

ルイヴィトンなどの高級ブランドにとって商標はとても重要です。今回の訴訟で垣間見れた商標の出願・権利行使戦略は他の会社でも応用することは可能なので、一度、デザインや模様を要素に分けて個別に権利化できるか検討してみるのもいいと思います。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者: Victoria E. Ellis and Peter Law. Knobbe Martens (元記事を見る


ニュースレター、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

hand-shake-business
特許出願
野口 剛史

時間制でない料金体制

費用削減のプレッシャーから予算を立て予算通りに業務をこなしていける知財部が求められる中、アメリカの特許事務所も時間制ではない料金体制を積極的に取り入れているところがあります。今回は、Sterne Kessler Goldstein & Foxという事務所の担当者がインタビューを受けている記事を見つけたので参考になりそうな部分をまとめました。

Read More »
再審査
野口 剛史

ITC訴訟と平行して行うPTAB手続きを成功させるためのポイント

ITC第337条調査(ITCにおける特許侵害訴訟)が並行して行われているタイミングで、特許審判部(PTAB)が当事者間レビュー(IPR)または付与後レビュー(PGR)の申立てを検討する場合、35 U.S.C. § 314(a)および324(a)に基づいて審査開始を拒否する裁量権を行使することがとても高いです。そのため、ITCと平行してIPRやPGRを検討している場合、PTABでの裁量的な拒絶を避けるためのいくつかのポイントを教えます。

Read More »