アメリカ政府がHuaweiを企業機密搾取で告発

2019年1月28日の発表によると、この告発はHuawei本体とアメリカの子会社に対するもので、T-mobile USAから企業機密を盗もうとした疑いがかけられています。

今回疑われている犯行がおこなわれた時期は2012年から2014年の間で、Huaweiが他社の機密情報を盗んだ従業員にボーナスを与えるという組織的な行動があったとされています。容疑は、企業機密搾取(Theft of Trade Secrets)の他に、通信詐欺(Wire Fraud)や公務執行妨害(Obstruction Of Justice)も含まれています。

告発では、NDAがあるにもかかわらず、機密とされていたT-mobileの電話テストロボットの写真を無断で取ったり、そのロボットのパーツを測ったり、一部部品を盗み、中国で同様のものを作ろうとしていた疑いが持たれています。

その不正が発覚し、T-mobileが訴える姿勢を示すと、Huaweiは組織がらみの不正を否定するレポートを作成。しかし、内部情報によると、組織ぐるみの企業機密搾取がわかったとのことです。

このケースはFBIによる調査で明らかになったとのことです。

個人的な見解

前から問題になっていたイランがらみの問題に、アメリカ国内でのHuaweiによる企業機密搾取疑惑が加わりました。このHuawei問題は企業の問題にとどまらず中国とアメリカの間の政治問題に発展しています。中国もアメリカもお互いに厳しい姿勢を見せているので、このHuawei問題は長期化しそうです。

少なくとも今回の告発で、アメリカ国内におけるHuawei製品の需要は確実に下がるので、そこに日本企業としてはビジネスチャンスがあると考えることもできると思います。

まとめ作成者:野口剛史

情報元: Department of Justice (元記事を見る

ニュースレター、公式Lineアカウント、会員制コミュニティ

最新のアメリカ知財情報が詰まったニュースレターはこちら。

最新の判例からアメリカ知財のトレンドまで現役アメリカ特許弁護士が現地からお届け(無料)

公式Lineアカウントでも知財の情報配信を行っています。

Open Legal Community(OLC)公式アカウントはこちらから

日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインコミュニティーを運営しています。アメリカの知財最新情報やトレンドはもちろん、現地で日々実務に携わる弁護士やパテントエージェントの生の声が聞け、気軽にコミュニケーションが取れる会員制コミュニティです。

会員制知財コミュニティの詳細はこちらから。

お問い合わせはメール(koji.noguchi@openlegalcommunity.com)でもうかがいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OLCとは?

OLCは、「アメリカ知財をもっと身近なものにしよう」という思いで作られた日本人のためのアメリカ知財情報提供サイトです。より詳しく>>

追加記事

特許出願
野口 剛史

特許庁が再びAI発明への意見募集を始める

米国特許商標庁(USPTO)は2月14日、人工知能(AI)技術の現状と発明者問題に関して、5月15日までに関係者から意見を求める通知を連邦官報に掲載しました。これは、AIがイノベーション・プロセスにおいてより大きな役割を果たしていることを認識するもので、USPTOはAIのイノベーションにインセンティブを与え、保護するための意見を求めています。この通知では、AI、特許、所有権などに関連する一連の質問が提示されています。

Read More »
ビジネスアイデア
野口 剛史

知財オンラインサロンの可能性

私は、Takumi Legal Community(TLC)という日米を中心とした知財プロフェッショナルのためのオンラインサロンを運営しています。まだ始めて7ヶ月ほどのコミュニティですが、知財に特化した会員制コミュニティという特性とその可能性について話してみたいと思います。

Read More »
supreme-court
Uncategorized
野口 剛史

無効審判を傍聴してスキルアップ

裁判は基本一般の人が傍聴できるようになっています。同じように特許庁における口頭審理・証拠調べも原則公開されているので、関係者じゃなくても傍聴できます。そこで実際に行われる無効審判手続きを知財教育教材にするのはどうでしょうか?

Read More »