アメリカでも新型コロナウイルス(COVID-19)の対策がおこなわれていますが、州や都市によってもその対応はそれぞれです。この流れに沿って、各裁判所や行政機関でもそれぞれ異なる対応を行っています。
今回は知財に関連のある各裁判所や行政機関の新型コロナウイルスの対応について見ていきます。なお、この情報は2020年3月12日時点のものです。
CAFC
4月に予定されていた公判の内、いくつかは口頭弁論をやめ、書面での回答だけにする。その他のケースで、どちらかの代理人がDCの近辺にいない場合、予定されていた日に電話を通じて口頭弁論を行う。両方の代理人がDC近辺んいいる場合、予定されていた日に裁判所で実際に口頭弁論を行う。実際の案件がある当事者には個別に連絡があるとのこと。詳細はこちら。
ITC
International Trade Commission (ITC)は60日間の公判の延期を発表。45日の後、追加の延期が必要かを判断するとのこと。Discoveryは継続して、ITCのスタッフ弁護士の参加が求められるものについては個別に判断されるとのこと。詳細はこちら。
USPTO
各裁判所
地裁と高裁を併せると数が多くなるので詳細は書きませんが、2020年3月12日現在のところ、裁判所は営業していますが、場所によっては入場を制限しているところもあるようです。詳細は、裁判所のホームページで確認できます。
解説
アメリカは広く、州や都市によって影響が大きいところとそうでないところがあるので、新型コロナウイルス(COVID-19)の対応が様々です。なので、アメリカで訴訟案件を抱えている場合、その案件の管轄である裁判所のホームページを確認して最新の情報を得るといいでしょう。
今のところ、ITCの延期以外、特に目立った遅れはありませんが、状況によっては、裁判所や行政機関の緊急閉鎖なども考えられます。
また、特許などの知財に関わる訴訟はほぼすべて連邦地裁で最初に審議が行われるので、今のところ特に大きな影響はないように見えますが、州レベルの裁判所は、場所によっては緊急の案件しか取り扱わないような場所もあります。
例えば、知財関連案件でも、雇用や他の公売契約など、州法がベースになっている問題の場合、州裁判所が管轄の場合もあるので、その場合は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で申し立てが出来ず、訴訟戦略に影響が出る場合があります。
まとめ作成者:野口剛史
元記事著者: Scott A. McKeown. Ropes & Gray LLP(元記事を見る)