データと知的財産の交差点: 共有したいデータをどのように保護するか?

多くの場合、ビジネスデータは知的財産として特徴づけられます。しかし、クライアントと共有したりそのようなデータを公開することは知的財産の保護の観点で問題があるかもしれません。ある知的財産の不適切な早すぎる開示はビジネスに損害を与え、不利益をもたらす可能性があります。そこで、知財価値のあるデータの分類と知財保護対象のデータを共有する際の契約ポイントについて話します。

知的財産として保護する価値のあるようなデータを取り扱う際に以下のような疑問が浮かびます:

  • データは企業秘密とみなされるのか?
  • 商業的な価値はあるのか?
  • 著作権を構成するのに十分な創造性があるか?
  • アイデアは有用か、新規性があるか?
  • データは一般に公開されているのか?
  • データは第三者と共有すべきですか/しなければなりませんか?また、共有する場合、どのようにすれば安全に共有できますか?

営業秘密(Trade Secrets)

営業秘密と見なされるには、データが (1) 商業的に価値があり、 (2) 秘密であり、 (3) データの機密性を確保する合理的な手段によって保護されている必要があります。例えば、コカ・コーラのレシピは、おそらく現在最も有名な企業秘密でしょう。噂によると、非常に高い評価を得ているこの炭酸飲料の秘密の処方を知っているのは2人しかいないそうです。このように厳重に保護されたデータを無許可で開示すると、民事・刑事上の救済を受ける可能性があります。このような秘密に対する保護は、データが安全かつ秘密に保たれている限り、永遠に続きます。

コカ・コーラの原材料はよく知られた企業秘密ですが、営業気密には顧客リスト、ソフトウェアコードに含まれるアルゴリズム、財務情報、化学式など、より幅広いデータも含まれます。そのため一般的にイメージしている営業気密よりもより広い範囲のデータが法定定義に基づく

営業秘密として適格である可能性があります。それを保護することは、競争力を保護し、会社を成長させる重要な要素にもなりえます。

著作権(Copyright)

データが著作権とみなされるためには、(1) 独創的(「少なくともわずかな」創造性) (2) 有形の媒体に固定された著作物であることが必要です。Feist Publications, Inc. v. Rural Telephone Service Co., Inc., 499 U.S. 340, 346 (1991)。著作権の独創性を満たす創作のハードルは低く、意図的にそうなっています。著作権のグレーな性質が、創造的な作品に柔軟に対応することを可能にしているのです。

ほとんどの人は、書籍、音楽、映画など、最も一般的なメディアにおける著作権保護を思い浮かべます。しかし、潜在的な保護はそれだけにとどまりません。著作権は、建築物、グラフィックデザイン、ウェブサイトの編集物、そして、データにも及ぶ可能性があります。

データに関しては、多くの側面が著作権で保護される可能性があります。具体的には、データをコンパイルする際に使用される技術や判断、選択と配置、創造性の方法と形式は、たとえコンテンツそのものが保護に値しないとしても、保護に値する可能性があります。例えば、一般的に、事実や実用的な言葉は著作権保護の対象とはなりませんが、それを公衆に提示する独創的かつ創造的な方法は保護対象となる場合があります。

もし自社がデータのブランディングとプレゼンテーションに多大な時間とリソースを費やしているのであれば、著作権によって、これらを編集著作物(compilation works)を保護することができます。有形の媒体に収められれば、著作権の所有権は自動的に作品の作者に帰属します。ただし、雇用契約や雇用環境、その他の協定で別段の定めがある場合は、この限りではありません。

所有者には、複製、展示、上演、二次的著作物の作成を含むがこれに限定されない、作品に対する排他的権利が与えられます。このような著作物は、著作者の生涯に加え70年間保護されます。所有者の許可なく、所有者のみに属する権利を行使した当事者は、著作権侵害の責任を負う可能性があります。 

データ共有時の契約のポイント

では、データを共有するとどうなるのでしょうか。データを商品化する場合、目的を達成するために第三者とデータを共有することになるでしょう。データを共有する際には、多くの潜在的な問題に対処するために、適切な契約を締結することが望まれます。

  • データの所有者は誰か
  • データへのアクセスや使用を許可されているのは誰か
  • データをどのような目的で使用することができるか
  • データを修正することは可能か
  • データを使用する際に、適切な認識やクレジットを与える必要があるか
  • 使用すべき適切な知的財産権のシンボルはあるか
  • データの受け渡しや交換はどのように行われるのか
  • 派生的な創作物は誰のものか

さらに多くの項目がありますが、これは決してすべてを網羅したものではありません。

関連記事:資産としてのAI関連データをいかに守るか?

データを監視し、保護し、商品化する最善の方法は、データの取り扱い、共有、管理について明確なガイドライン、制限、期待を定めたデータおよび知的財産のライセンス契約を結ぶことです。データと知的財産の監視、保護、適切な取り扱いに失敗すると、重大な結果を招く可能性があります。

参考記事:The Intersection of Data & Intellectual Property: You Want to Share it, but How do You Protect it?

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