SNSを考慮した著作権の侵害分析

SNSがより幅広く一般的に使われるようになり、著作権の侵害分析方法も変わりつつあります。著作権の侵害を取り締まるのは権利者の責任ですが、侵害を判断する上でFair useを考慮することがより重要になってきています。

シェアー、再投稿、リツイートなどが頻繁に行われる今日、多くのユーザーがインターネットで見つけたものは「タダ」で使えるという間違った認識をもって、場合によっては著者権を無視した行動を為てしまうことがあります。

そのような違反行為と思われるものがあった場合、ブランドイメージを重要視している企業はブランドの管理の一環として違法行為と思われることを行った相手に対して取り下げを求めるでしょう。

US Digital Millennium Copyright Act (DMCA) の元、著作権者はオンライン上での著作権の取り締まりを比較的簡単に行えますが、そのような行動を起こす前に、特定の使用がfair useに当てはまるか検討する必要があります。Fair useの考慮を怠った場合、著作権者がコンテンツを投稿したユーザーに対して賠償をする必要が出てくる場合があるので、注意してください。

特定の使用がfair useか否かという判断は司法判断です。しかし、以下のようなケースの場合、fair useが適用される場合があります。

  • 使用が原作に対してのコメントは批判である場合(Does the use make a comment on or criticism of the original work?)
  • 使用が政治的な声明や学術的なコメントである場合(Is the use making a political statement or an academic commentary?)
  • 使用がパロディ、または、風刺である場合(Is the use parodic or satirical? Does the use ridicule the original work by imitating it in a humorous way?)

2015年のNinth Circuitによる判決以降、アメリカにおけるFair useの考え方は拡張されてきています。このような変化がある中、特定の著作権物の使用が侵害行為なのかそうでないのか判断が難しいケースも多々あります。そのような難しい判断を下す場合は、著作権に詳しい弁護士に問い合わせるのがいいでしょう。

まとめ

SNSの影響で法律が変化していく中、著作権の取り締まりの際にFair useを考慮することが大切です。特に社内で判断ができない難しいケースなどは著作権に詳しい弁護士に問い合わせるのがいいでしょう。

まとめ作成者:野口剛史

元記事著者:Ann K. Ford, James Stewart and Shaunyta Jenkins. DLA Piper(元記事を見る

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